介護士が「給料が割に合わない」思う理由・原因について徹底解説

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人手不足により多くの業務量を負担している介護士が「給料が割に合わない」という不満を抱えることは少なくありません。また仕事内容と給与が割に合わないことから、転職を考える介護士も多いです。本記事では、介護士が「給料が割に合わない」と感じる理由や昇給するコツについてまとめました。

介護士の給料が安いって本当?

世間一般的に「介護士は給料が安い」というイメージがあることが実情。
実際に厚生労働省の調査結果では、勤続年数や役職を問わない介護士の平均給与は31万5,850円と報告されています。

全産業の平均給与39万1,408円と比較すると、介護士の平均給与は約7.5万円少ない傾向です。

「介護士の給料が安い」というイメージがあるのは、全産業との比較で介護士の平均給料が少ないことだけではありません。

介護業界全体の人手不足により、介護士1人が負担の大きい肉体労働を担っているため、介護士の給料と仕事内容が割に合わないと感じることも多いのです。

参照:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
参照:日本経済団体連合会|2021 年6月度「定期賃金調査結果」の概要

介護士の給料はなぜ安い?

介護士は仕事内容と給料が見合っておらず「給料が安い」「給料が割に合わない」というイメージがあります。

では、なぜ介護士の給料は仕事内容と割に合わない金額なのでしょうか。

介護の仕事の給料が安い理由をご紹介します。

介護士の専門性が正当に評価されにくい

介護士は無資格・未経験でも働くことができ、仕事をしながら資格取得が目指せます。

また看護師や理学療法士、作業療法士などの専門職と比べると、介護士は専門性が低いイメージを持たれがちです。

そのため、いくら専門的な知識・スキルを有していても介護士の専門性が正当に評価されにくく、それに伴って給料も安くなってしまうのです。

赤字の介護施設が多い

利用者様と国から得る介護報酬よりも、支出が上回っているという問題を抱える介護施設も増加傾向に。

例えば、利用者様に使用するおむつ・パット類の使用量がいただいた代金分を超えてしまい、赤字になっているという悩みを抱える介護施設もあります。

このように経費の赤字を抱える介護施設が多く、介護士の給料の値上げが難しい現状にある介護施設が多いのです。

介護施設の内部留保費が多い

内部留保費とは、介護施設の経営安定を保つための資産のこと。

災害時や建物の修繕など、介護施設は急な支出に備えるための内部留保費が多い傾向にあります。

この介護施設の貯蓄が多い分、介護士の給料が安くなってしまうのです。

介護士が「割に合わない」と感じるとき

介護士が「割に合わない」と感じ、転職を考える瞬間があります。

しかし、それはそのときに思い立ったというわけではなく、背景にはさまざまな理由があるのです。

介護士が「割に合わない」と感じる理由を、具体例を交えながら解説します。

介護の仕事が向いていないと感じたとき

1日に20人の利用者様の入浴介助をしている先輩から「もっとテキパキ動いて!」と指示されるが、精一杯頑張っても自分が1日に入浴介助できる人数は先輩の半分以下

 人前で話すことが苦手で、レクリエーションの担当が回ってくると憂うつになり、前日の晩は緊張で一睡もできなくなる

こういった「苦手」が場数を踏んでも努力しても一向に消えないことから、仕事への自信を失くして転職を考える介護士は少なくありません。

>>>あわせて読みたい「介護士に向いている人・向いていない人の特徴5選」

仕事内容に対して給料が安いと思ったとき

 介護現場の人手不足により、「サービス残業や有休の使用禁止が暗黙のルールになっている」「休憩時間が確保できない」といった労働条件の悪さが目立つ

 入社したばかりの頃は「夜勤手当で稼げる」と期待していたが、「基本給16万円」「夜勤手当1回3,000円」のため、月8回夜勤に入っても月収が20万円を下回る

夜勤を含む不規則勤務があり、人手不足による介護士の負担が多い仕事ですが、 それに見合う給料が支給されないことで離職する介護士が増加しています。

職場の人間関係に強いストレスを感じたとき

 いつも不機嫌で怖いと感じる先輩と2人体制で夜勤に入るのが苦痛で、その先輩との夜勤前は腹痛になることが多い

 入社後、研修や教育をほとんど受けないまま1人で仕事を任されるようになったが、質問をすると「そんなの自分で調べて」といわれ、自己判断で動くと「勝手なことをしないで」といわれ、先輩方の理不尽さを感じる

介護の仕事は詰め所に複数の介護士が集まるため、「苦手な人と一緒にいる時間が長い」という苦痛やストレスを感じやすくなります。

>>>あわせて読みたい「介護士の悩み「人間関係」…解決策や人間関係が良い施設の探し方」

介護士が職場に不満を感じたときの解決策

介護士が今勤めている職場に「労働条件が悪い」「給料が低い」という不満を感じ、辞めたいと思ったときには、さまざまな解決策があります。

介護士が職場に不満を感じたときの解決策・対応策を5つご紹介します。

今の職場で収入アップを目指す

介護士が収入アップを目指すには、以下の方法があります。

  • 介護福祉士やケアマネジャーの資格を取得し、資格手当をつける
  • 夜勤に入る日数を増やし、夜勤手当を増やす
  • 勤続年数を積み、昇給や賞与額のアップを目指す

介護士の給与は「資格」「夜勤に入れる日数」「勤続年数・経験」により、手当支給や昇給を目指すことが可能です。

しかし資格取得も勤続年数を積むことも時間がかかるため、今すぐ収入アップを目指したいという方には向いていない方法です。

>>>あわせて読みたい「介護士におすすめの資格21選|キャリアアップできる資格は?」

上司や施設運営者に相談する

有給休暇の取得や残業手当の支給、給料の増額、労働環境の改善など、職場での悩みを上司や施設運営者に相談することも1つの方法です。

上司や施設運営者に相談し、納得できる改善案の提示がなければ転職を考える決定打になるため、一度転職をする前に相談してみましよう。

自分に合う働き方を見つける

「夜勤で疲れが溜まっている」「レクリエーションが苦手」といった仕事でのストレスがある場合、部署異動で別の施設形態へ移れば解決することがあります。

  • 夜勤がキツいのであれば、日勤のみのデイサービスで働く
  • レクリエーションが苦手であれば、寝たきりの利用者様が多く、レクリエーションがない特別養護老人ホームで働く

このように異動して施設形態や働く時間帯を変えてみることで、転職せずに自分の希望条件に合った職場を見つけられる可能性があります。

>>>あわせて読みたい「介護サービスの種類とは?それぞれの種類や特徴を解説」

介護業界内で転職する

部署異動で自分の希望条件に合った働き方が見つけられない場合、今より労働環境や給料が良い介護施設に転職することがおすすめです。

同じ介護施設でも給与額や賞与額、昇給制度は職場によってさまざまです。

特に、職場の人間関係に強いストレスを感じている場合は、気持ちを一新するためにも他の介護施設や介護事業所へ転職することをおすすめします。

>>>あわせて読みたい「ホワイト介護施設の特徴とは!条件が良い職場に転職するポイント」
>>>あわせて読みたい「知らないと危険!要注意なブラック介護施設の見極め方を徹底解説」

異業種の仕事に転職する

レクリエーションや排泄介助、入浴介助など、苦手な介護業務があり介護の仕事自体やりたくない…という場合は、異業種の仕事に転職しましょう。

  • 介護の仕事で培ったコミュニケーションスキルを活かすなら、営業や接客業へ
  • 介護保険に関する知識を活かすなら、介護事務へ

このように、異業種でも介護士として培ってきた経験や能力が活かせる職種は豊富にあります。

介護士がよりよい職場に転職するコツ

労働条件や給料に不満を感じて退職をする前に、転職先を先に決めておきましょう。

転職先は妥協せず、在職中にじっくり時間をかけて探すことが大切です。

以下では、介護士がよりよい職場に転職するための求人探しのコツを紹介します。

希望条件を絞って自分に合った職場を探す

まず自分が転職先選びで重要視する希望条件を書き出し、優先順位をつけます

「給料が高い」「家から近い」「夜勤なし」といった優先順位の高い希望条件を数個選び、求人サイトや求人情報誌、介護施設の公式サイトなど、さまざまな方法で求人を探します。

1つの方法で調べると、情報の誤りに気づかない可能性があるため、さまざまな方法で時間をかけて自分の希望条件に合った求人を探しましょう。

常に掲載されている求人は避ける

掲載期間などなくずっと同じ情報が掲載されている求人は、慢性的な人手不足を抱えており激務となる可能性があるため、避けた方が無難でしょう。

また求人情報だけで良い職場が判断できないときは、施設見学をすることがおすすめ

施設見学で介護士や利用者様の様子をしっかり見て、面接の応募を決定しましょう。

>>>あわせて読みたい「介護の職場で働きたい方は必見!職場見学のポイントについて解説」

転職エージェントを活用する

自分1人では良い求人であるかを見極められないという場合は、介護業界専門の転職エージェントを活用しましょう。

転職エージェントでは、専任のアドバイザーから職場の雰囲気や施設の特徴など、求人情報では知ることができない細かな部分まで教えてもらうことができます。

また、面接日程の調整や条件面での質問などをアドバイザーが代わりに行ったり、面接のポイントを教えてもらうことも可能です。

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まとめ

職場の労働環境の悪さや仕事のハードさと給料が割に合わず、転職を考えている介護士は少なくありません。

しかし、給料が割に合わないからと勢いで転職先を決めてしまっては、また同じことのくり返しで早期離職につながってしまう可能性があります。

大事なのは、自分の希望条件に合った介護求人をゆっくり探すことです。

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