お役立ち情報
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介護の三大介助とは、「食事・入浴・排泄」の3つの介助のことをいいます。三大介助とは、介護技術の基本であり、介護士が毎日行う必須の業務でもあります。毎日三大介助を行っていると、間違った介助方法が身についてしまうこともあるため、注意が必要です。本記事では、介護の三大介助の業務内容について解説します。
■目次
三大介助とは、介護現場で行う「食事・入浴・排泄」の3つの身体介助のことです。
これらの介助は、介護を必要とする高齢者の方が、日常生活を送るうえで欠かせない重要な身体介助でもあります。
しかし、毎日繰り返し三大介助を行うことで、習得した知識や技術が曖昧になったり、間違った介助方法が身についてしまったりすることもあります。
介護業務に慣れている介護士であっても、正しい介助方法や手順を再確認しなければいけません。
>>>あわせて読みたい「新人介護士が仕事に慣れるまでの目安期間は?どう乗り越える?」
三大介助の1つである食事介助は、利用者様に「食べることの楽しさ」を提供できる介助です。
生命維持に欠かすことができない食を味わってもらい、利用者様の食に対する意欲を高めます。
ここからは、食事介助の詳しい業務内容や手順について解説します。
食事介助はまず、食事をするための準備から始めます。
食事の準備では、具体的に以下の内容を行います。
●利用者様の身体機能に合わせた自助食器や食事用エプロンを準備する
●利用者様一人ひとりの食事形態に合わせて介護食の調理を行う
●利用者様に食事の声掛けを行い、フロアに来てもらう
●フロアに来てもらうために、必要に応じて移乗介助や移動介助を行う
以前から「食事中にむせこむことが多い」「硬いものが食べにくそう」といったトラブルがある場合は、管理栄養士と相談のうえ、食事形態の変更を行う必要があります。
食事が完成したら、利用者様に食事の配膳を行います。
配膳する際は食札をよく見て、間違えないように配膳しましょう。
また、配膳後は、利用者様の状態に合わせて介助を行います。
●自分で食事ができる方→誤嚥や窒息をしないよう、見守りを行う
●食事の途中で手が止まってしまう方→声掛けや一部介助を行う
●自力での食事が難しい方→全介助を行う
姿勢が崩れたら都度整えたり、食前薬・食後薬の服薬介助を行ったりと、利用者様が安全に食事をするためのサポートを行います。
利用者様が食事を終えたら、食事量を確認しながら後片付けを行います。
また、食後の口腔ケアも食事介助の一部に含まれます。
利用者様に歯磨きの声掛けを行ったり、必要に応じて口腔ケアの介助を行ったりと、口腔ケアを欠かさず行うことが大切です。
>>>あわせて読みたい「【新人介護士必見】介護における口腔ケアとは?手順やポイント」
三大介助の1つである入浴介助は、利用者様に「リラックスした時間」を提供できる介助です。
身体や衣服を清潔に保つことで、湿疹やかゆみ、乾燥肌などのスキントラブルを防ぎます。
また、入浴介助には、利用者様にリラックスしてもらい、安眠効果を高めるという重要な役割もあるのです。
ここからは、入浴介助の詳しい業務内容や手順について解説します。
利用者様がスムーズに入浴できるよう、以下の準備物を用意します。
●入浴後に履く下着や紙パンツ、紙おむつ、尿取りパッド
●着替え
●軟膏や湿布
入浴の準備ができたら、利用者様に入浴の声掛けを行います。
利用者様が入浴を拒否された場合は、利用者様の気持ちや考えを聞き出しながら、寄り添った対応を行うことが大切です。
衣服の脱衣介助では、特に以下の点に気を配りながら介助を行います。
●皮膚に湿疹やただれなどができていないか
●既に生じている、褥瘡(床ずれ)や湿疹、ただれなどが悪化していないか
●脱衣する際に、衣服が皮膚にこすれて皮膚剥離が生じていないか
利用者様の体調や全身の皮膚状態を確認しながら、洗身・洗髪の介助を行います。
このとき、自分で洗える部分は洗ってもらうと、利用者様の自立支援につながります。
また、利用者様が火傷しないよう、常にお湯の温度を確かめることも重要です。
利用者様が転倒しないように、見守りや一部介助を行いながら、浴槽へ移ってもらいます。
浴槽は足元が滑りやすいため、浴槽マットを敷いて転倒を防止します。
利用者様が自身で浴槽に移ることが難しい場合は、機械浴や浴用リフトを使用するようにしましょう。
入浴を終えた後は、軟膏を塗ったり、湿布を貼ったりしてから衣服の着衣介助を行います。
ドライヤーで髪を乾かし、くしで髪型を整える、化粧水や乳液などでスキンケアをするなど、利用者様の整容をサポートしましょう。
髪が生乾きの状態だと身体が冷えてしまうため、ドライヤーをしっかりあてることが大切です。
>>>あわせて読みたい「身体整容とは?具体的な介護士のサポート方法やポイントを解説」
三大介助の1つである排泄介助は、利用者様に「排泄を通じた健康維持」を提供できる介助です。
また、排泄介助では、利用者様の尊厳を保った対応や介助を行うことが重要です。
ここからは、排泄介助の詳しい業務内容や手順について解説します。
利用者様が尿意や便意をもよおすタイミングを観察し、介護記録で共有します。
介護士の間で話し合って決められた「排泄介助の時間」に合わせて、トイレ誘導やおむつ交換の声掛けを行いましょう。
声掛けを行う際は、利用者様の尊厳を傷つけない言葉遣いを心がけることが重要です。
トイレでの排泄介助では、車椅子から便座への移乗介助、ズボンや紙パンツの上げ下ろしの介助、排泄後の陰部の清拭を行います。
おむつ交換では、陰部洗浄と清拭を行い、新しいおむつや尿取りパッドに交換します。
いずれも、カーテンや扉をしっかり閉め、プライバシーに配慮した環境の中で、利用者様の羞恥心にも気を配りながら介助を行うことが重要です。
必ず、排泄物の後始末を行う前に、尿量や便の色・形・量を確認し、介護記録に記載しましょう。
また、使用後のおむつ類はそのまま放置すると臭いが残ってしまうため、新聞紙に包んだり、ビニール袋に入れたりと、きちんと後始末することが大切です。
「食事・入浴・排泄」の三大介助を行う際には、介護事故のリスクも付き物であるという認識を持つことが大切です。
ここからは、食事・入浴・排泄、それぞれの介助を行う際の注意点について解説します。
食事介助で注意するべき介護事故は、以下の2つです。
●誤嚥:食べ物や飲み物、唾液が気管に入ってむせこむことです。誤嚥した食べ物や飲み物、唾液が肺に蓄積されて炎症を起こし、誤嚥性肺炎を引き起こすリスクがあります。
●窒息:食事がのどに詰まった状態のことです。呼吸困難や心肺停止状態に陥る可能性があるため、大変危険です。窒息の応急処置について、勉強することをおすすめします。
>>>あわせて読みたい「【介護士必見】誤嚥はなぜ起こる?リスクと食事介助時の注意点」
入浴介助で注意するべき介護事故は、以下の5つです。
●脱水症:入浴では汗をかくため、水分不足による脱水症状を引き起こしやすいです。
●熱中症:夏場の浴室は特に高温になりやすいため、熱中症のリスクが上がります。
●のぼせ:長湯によるのぼせは、意識の混濁や意識レベルの低下を引き起こします。
●ヒートショック:脱衣所と浴室の温度差により、心臓に大きな負担がかかる状態です。急性心不全を起こすリスクがあるため、温度管理を徹底することが重要です。また、ヒートショックでは浴室と脱衣所の温度差により、心臓に大きな負担を与えます。
●転倒:浴室の床はお湯やシャンプーなどで滑りやすいため、転倒のリスクが高いです。
>>>あわせて読みたい「介護士が介護施設で秋に注意すべきこと|秋バテやヒートショック」
排泄介助で注意するべき介護事故は、以下の2つです。
●介護拒否:介護士の不適切な声掛けにより、利用者様が排泄介助を拒否したり、不穏状態に陥ったりしてしまうため、言葉遣いには注意が必要です。
●スキントラブル:排泄物が綺麗に拭き取れていないと、汚れが原因で湿疹やかぶれ、ただれなどのスキントラブルを起こしてしまいます。丁寧に陰部洗浄や清拭を行いましょう。
三大介助とは、利用者様が日常生活を送るうえで欠かせない身体介護です。
慣れてしまうと間違った介助方法が身についてしまったり、利用者様への対応が雑になってしまったりすることが多いため、振り返りを行うことが大切です。
利用者様が快適に日々の暮らしを送ることができるよう、正しい介護技術を身につけましよう。
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