お役立ち情報
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介護施設における身体整容では、洗顔やひげ剃り、メイク、耳掃除など利用者様の身体面での衛生ケアを行います。他にもさまざまなケア方法があり、それらには感染症予防などいくつかの効果が期待できるのです。今回は、介護施設における身体整容とは何か、身体整容の具体的な方法やポイントについてまとめました。
身体整容とは、利用者様の身だしなみを整えたり身体の衛生面でのケアを行うこと。
厚生労働省が公表する「身体介助」のうちの一つとされており、さまざまな介護現場で実施されています。
身体整容の内容には、主に以下のケア内容が挙げられます。
●洗顔
●ひげそり
●メイク
●整髪
●口腔ケア
●耳掃除
●鼻掃除
●爪切り
身体整容を行う理由にはさまざまな理由があり、利用者様のQOLを向上させるうえで必要不可欠であるともいわれています。
次では、身体整容を行う理由について詳しく解説します
身体整容を行う目的には、以下の3つが挙げられます。
身体整容を行うことで、利用者様の身体を清潔に保つことができます。
身体整容では、入浴介助や清拭介助では行わない細かなケアができたり、普段ご自身でケアしにくい部分を清潔にすることができるという特徴があります。
普段ケアをしないと汚れが溜まってしまう爪や耳などの掃除を行うことで、利用者様の身体の清潔維持を行うという目的があるのです。
身体を清潔にすることで、さまざまな感染症を予防することができます。
例えば爪や耳垢など、雑菌の溜まりやすい場所は掃除をしていないとそこから炎症を起こしてしまうことも。
こういった感染症から利用者様を守るためにも、身体整容が行われるのです。
メイクやひげそり、整髪を行うことで自分自身に自信を付けていただくことも身体整容の目的です。
家族との面会の前に身だしなみを整えたいなど、利用者様の要望にお答えすることもあります。
身だしなみを整えることで人とコミュニケーションを取ることに意欲的になり、QOLの向上にもつながるのです。
以下では、身体整容の具体的な方法やポイントについて解説します。
まずは顔を水で濡らします。
蛇口の水がうまくすくえない場合は、洗面器に水を溜める方法が良いでしょう。
洗顔料を使用し顔を優しく洗い、泡が残らないようにしっかりすすぎましょう。
タオルで顔を拭く際は優しく拭き取り、必要であれば蒸しタオルで残った汚れ(目ヤニや耳の裏など)を拭き取りましょう。
利用者様の残存能力を活かすため、できるところは自力で行ってもらいましょう。
難しい部分があれば介護士が手伝ってフォローします。
洗面所で立って行う場合は、利用者様が転倒しないように姿勢に気を付けましょう。
蒸しタオルを顔に当て、皮膚を柔らかくします。
電動カミソリが滑りやすいようにローションなどを塗布し、傷つけないよう気を付けながら髭を剃ります。
剃り終わったら蒸しタオルで優しく拭き取り、再度ローションなどで保湿します。
介護士が介助する場合は、カミソリではなく必ず電動カミソリを使用しましょう。
基本的に利用者様自身で行ってもらい、剃り残しがある場合などに介護士がサポートします。
女性の顔のうぶ毛処理も同じように行いましょう。
女性の利用者様の場合、洗顔などを終えた後にメイクを施す場合もあります。
メイクは利用者様ご自身で全て行う場合もあれば、介護士が全て行う場合も。
介護士が行う場合は、利用者様のご希望に添えるようにコミュニケーションを取りながら行いましょう。
メイク道具は、利用者様の私物があればそちらを利用します。
手鏡を用意し、できるだけ利用者様ご本人にやっていただきましょう。
メイクをすることで自信が付くだけでなく、人とのコミュニケーションの積極性も向上させることができます。
「きれいな口紅ですね」などと、利用者様がこだわっている点について褒めることもポイントです。
利用者様の髪型に応じて、くしとヘアブラシを使い分けます。
絡まった髪は無理に引っ張らず、寝ぐせ直しスプレーなどを使用して丁寧にほぐしましょう。
鏡の前で利用者様の希望を聞きながら整えていきます。
高齢になると髪の毛がよく抜け落ちることがあり、そのことを気にしている利用者様もいらっしゃいます。
そのため、たくさん抜けてしまうような強引なとかし方や、抜けた髪を利用者様の見えるところで処分することは避けましょう。
抜けた髪は、利用者様の背後など見えない場所でサッと取って処分することがポイントです。
また利用者様自身で整髪される場合、腕力が弱くブラシを持てないときは柄の部分が太めの介護用ブラシを準備しましょう。
基本的な口腔ケアと同じような手順で行います。
最初にうがいを行い、口の中の汚れをすすぎ落とします。
ブラシは利用者様の口腔環境に合わせて選ぶようにしましょう。
ブラシでのケアが難しい利用者様には、口腔用ウェットティッシュで清拭を行います。
>>>あわせて読みたい「【新人介護士必見】介護における口腔ケアとは?手順やポイント」
口腔ケアは利用者様の健康を維持するために必要なケアです。
できれば毎日行い、きれいな口腔環境を維持させましょう。
耳かきは視認できる範囲で、利用者様の耳を傷つけないように気を付けながら行います。
耳かきは耳の手前にある耳垢を取るときに使用し、綿棒は耳の奥を掃除するときに使用しましょう。
粘着性のある綿棒を使用すると便利です。
耳垢を掃除しないまま溜めていると、感染症や耳鳴り、難聴の原因になります。
定期的に行うようにしましょう。
なおお風呂上りは耳垢が柔らかくなっているため、掃除がしやすくなりおすすめです。
鼻は綿棒を使って優しく拭き取るように掃除しましょう。
鼻孔から1cmほど綿棒を入れ、鼻孔内をなぞるようにくるっと綿棒を回して汚れを拭き取ります。
最後に鼻全体をウェットティッシュなどで優しく拭いて清潔にします。
鼻の粘膜は非常にデリケートなため、傷つけないように注意しましょう。
綿棒が奥まで入りすぎると痛みを感じるため、無理に入れないことも大切なポイント。
また耳掃除と同じく、お風呂上りの鼻の中が湿っている状態で行うことがおすすめです。
まずは蒸しタオルで爪を柔らかくしましょう。
深爪にならないよう注意しながら、爪切りで少しずつ切っていきます。
最後に爪のとがっている部分を無くすイメージで、爪やすりで丸く形を整えましょう。
介護士による爪切りは、爪や爪周辺の皮膚に異常がなく、医師による管理が必要でない場合にのみ行いましょう。
足の爪は巻き爪になりやすいため、爪の両角をまっすぐに切り、爪の形が四角形になるようにします。
高齢になると爪が硬くなりやすいため、爪切りで難しい場合は無理をせず爪やすりから使うこともポイントです。
介護施設における身体整容には、利用者様の体を清潔に保ち感染症を防いだり、自己肯定感を高めるなどの目的があります。
それぞれのケア方法にはさまざまなポイントがありますが、何よりも利用者様が不快に感じないようにサポートすることが大切です。
本記事を参考に、身体整容の介助方法について改めて振り返ってみましょう。
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