お役立ち情報
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高齢になると筋肉量や運動量の低下とともに、食事量が減少する傾向にあります。そのため、在宅介護や介護施設では「食事を食べてくれない」「食事を拒否されることが増えた」と悩む介護者の方が多いのではないでしょうか。本記事では、高齢者の食事量の目安と、食事量が減ってきたときの対処法をご紹介します。
■目次
高齢者の食事量の目安は、1日の活動量によって異なります。
高齢者の年齢・性別・活動量に応じた、1日の摂取カロリーの目安は以下の通りです。
活動レベル | 1日の摂取カロリーの目安 |
---|---|
立ち仕事や家事、買い物などの動作を行う | 65~75歳・男性:2,400kcal 75歳~・男性:1,850kcal 65~75歳・女性:2,100kcal 75歳~・女性:1,650kcal |
1日中座ったまま・寝たきり状態 | 65~75歳・男性:2,050kcal 75歳~・男性:1,800kcal 65~75歳・女性:1,550kcal 75歳~・女性:1,400kcal |
上記の摂取カロリーの目安に合わせた献立例は、以下の通りです。
【立ち仕事や家事、買い物などの動作を行う高齢者】
朝食 | 食パン2枚・ハムエッグ・サラダ・オレンジ・牛乳 |
---|---|
昼食 | 野菜あんかけの肉うどん・果物入りヨーグルト |
間食 | カステラ・ミルクコーヒー |
夕食 | お粥1杯・肉じゃが・焼き鮭・ほうれん草のおひたし・味噌汁 |
【1日中座ったまま・寝たきり状態の高齢者】
朝食 | 食パン1枚・目玉焼き・野菜サラダ・牛乳・りんご入りヨーグルト |
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昼食 | お粥(少量)・焼き魚・筑前煮 |
夕食 | お粥(少量)・冷奴・ほうれん草のおひたし・きのこ炒め・みかん |
高齢者の方は、筋力や体力の低下防止のため、カロリーよりもタンパク質を多めに摂取することが望ましいとされています。
高齢者の方の1日の食事に必要なタンパク質量の目安は、体重1kgあたり1.25gです。
また、1日のほとんどを座って過ごす方や、寝たきり状態の方でも、1日に必要なたんぱく質量は、活動量の多い高齢者の方と同じです。
肉や魚、卵、乳製品を積極的に摂ることで、体力や健康を維持しやすくなります。
>>>あわせて読みたい「【新人介護士必見】食事介助のポイントとは?行う理由や事前準備」
高齢になると食欲が低下したり、食事を拒否したりすることが多くなります。
しかし、食欲の低下や食事量の減少には、同じ年齢の高齢者でも個人差があります。
高齢者の食事量が減ってしまう理由・原因は主に以下の3つです。
●加齢により、口腔機能や消化吸収機能が低下している
●日中の活動量が減ることで、空腹を感じにくい
●老化に伴う不安や悩みにより、食欲が減退する
高齢者の方の生活環境や健康状態によって、さまざまな理由・原因が考えられます。
なぜ食事を摂りたくないのか、高齢者の方にしっかりと確認することが重要です。
>>>あわせて読みたい「【介護士必見】誤嚥はなぜ起こる?リスクと食事介助時の注意点」
高齢者の方は、加齢による咀嚼力(噛む力)・嚥下力(飲み込む力)の低下や、活動量の低下などにより、若い人に比べて食事量が減少します。
そのため、栄養素を多く含んだ食事を提供することが大切です。
ここからは、高齢者の食事に必要な栄養素を5つご紹介します。
ビタミンとは、炭水化物やタンパク質、脂質の機能を補う栄養素です。ビタミンには、以下の13種類があります。
・ビタミンA
・ビタミンD
・ビタミンE
・ビタミンK
・ビタミンB1
・ビタミンB2
・ビタミンB6
・ビタミンB12
・ナイアシン
・葉酸
・パントテン酸
・ビオチン
・ビタミンC
ビタミンは種類ごとにそれぞれの働きがあるため、バランスよく摂取することが大切です。もし食事では足りない場合は、サプリメントでの栄養補給もおすすめです。
ミネラルとは、ビタミンと同様に、ほかの栄養素の機能を補う栄養素です。ミネラルもビタミンと同様に、以下の13種類に分けられています。
・ナトリウム
・カリウム
・カルシウム
・マグネシウム
・リン
・鉄
・亜鉛
・銅
・マンガン
・ヨウ素
・セレン
・クロム
・モリブデン
ミネラルはきのこや海藻類に多く含まれています。副菜にきのこや海藻類を取り入れた食事を提供することがおすすめです。
>>>あわせて読みたい「介護士が知っておきたい「低栄養」とは?リスクや防ぐための工夫」
高齢者の食事量が減少する理由の1つに、噛む・飲み込むといった、口腔機能の低下があります。
食べ物を噛んで飲み込むという機能が衰えた高齢者には、介護食の提供がおすすめです。
介護食とは、口腔機能が低下した高齢者でも食べやすい形状や柔らかさにするために、料理を工夫した食事のことをいいます。
ここからは、介護食の種類を5つご紹介します。
一口大とは、肉や魚などの食事を一口サイズにカットした食事のことです。
例えば、「ハンバーグを6等分」「焼き鮭を8等分」など、一口サイズにカットします。
また、圧力鍋で柔らかく煮込んだ食事を提供するなどし、高齢者の方が食べやすい柔らかさになるよう、工夫して調理されています。
キザミ食とは、1cm程度に細かく刻んだ食事のことです。
噛む力が低下した高齢者の方でも、食べやすいように細かく刻んでいます。
しかし、口の中でばらけてむせ込んでしまう可能性があるため、食事時にはしっかりと見守る必要があります。
みじん食とは、キザミ食よりもさらに細かく刻んだ食事のことです。
数mm程度に食事を刻んでいるため、噛む力がかなり低下している高齢者の方でも、食べやすいサイズ感と柔らかさであることが特徴です。
ソフト食とは、ミキサーにかけた食事を、トロミ剤を使って肉や魚などの形に形成した食事のことです。
歯茎や舌で潰して食べられるため、噛む力がほとんどない方に最適です。
見た目にもこだわっているため、食欲が低下している方でも食事が楽しめます。
ミキサー食とは、食事をミキサーにかけてペースト状にした食事のことです。
ソフト食でもうまく飲み込めない方に適した食事形態です。
ペースト状のため、「見た目だけではメニューが分からない」「食欲がわかない」といったデメリットもあります。
高齢者の食事量を今以上に減らさないためには、工夫や配慮が必要です。
ここからは、高齢者の食事量を増やすために、介護者が行うべき3つのポイントをご紹介します。
食事を残すことが増えた方や、食事を拒否する方には、どのような食事なら食べやすいか、好みや意向を確認しましょう。
好みに合わせたメニューや味付けの食事を提供することで、食が進みやすくなります。
また、高齢者の方の噛む力や飲み込む力を注意深く観察し、最適な介護食の提供を検討することも大切です。
高齢者の食事量が減少する原因の1つに、活動量の低下があります。
空腹を感じられるよう、軽いウォーキングや体操などを勧めることが重要です。
運動は食欲増進だけでなく、筋力や体力の低下を防ぐ効果があるため、積極的に取り入れるようにしましょう。
食事を拒否する高齢者の方に、無理やり食事を勧めるのは良くありません。
無理に食事を勧めず、間食の回数を増やして食事量を増やすこともおすすめです。
食事を拒否する方でも、お菓子なら食が進むというケースが多いです。
お菓子を食べることで、カロリーやタンパク質の摂取量を増やすようにしましょう。
>>>あわせて読みたい「【介護職必見】食事拒否されてしまったら?適切な対応方法を紹介」
高齢者の食事量は、活動量や健康状態などによって異なります。
また、高齢者の方が食事を拒否する理由も、人によってさまざまです。
できる限り高齢者の意向を確認し、希望に沿った食事を提供するようにしましょう。
介護者の工夫や配慮により、高齢者の方が食事を拒否しなくなることも多くあります。
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