介護士の感情労働とは?知っておくべき危険性や対処法を紹介

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「感情労働」が必要な仕事として代表的な職業である介護士。喜怒哀楽のさまざまな感情をコントロールして精神的にも負担を感じている介護士は多いのではないでしょうか。今回は、介護士の感情労働についてよくある場面や危険性、気を付けるべきポイントについて解説します。

感情労働とは?

感情労働とは状況に応じて自分の感情を上手くコントロールする必要がある労働のことを指します。

「肉体労働」は身体を使う労働、「頭脳労働」は頭脳を使う労働であることを考えるとイメージがしやすいかもしれません。

一般的に接客業などの人と関わる職業は感情労働に当てはまることが多いでしょう。

特に怒りや悲しみなどのネガティブな感情の抑制を求められることが多いため、感情労働は精神的な負担が非常に大きい職業だといえます。

感情労働に分類される職業の例

感情労働だといわれている職業にはどのようなものがあるのでしょうか。

具体的な例をいくつかご紹介します。

・介護士 ・看護師
・コールセンター
・カスタマーサポート
・客室乗務員
・教師 ・保育士
・接客業 ・営業職
・カウンセラー

介護士が感情労働を必要とする場面

いかなる場合でも利用者様の気持ちに寄り添ったサービスを求められる介護士は、感情労働の例として代表的な職業だといえます。

ここでは、介護士が感情労働を必要とする場面をご紹介します。

利用者様との意思疎通が難しい

利用者様の中には、認知機能の低下により感情の起伏が激しい方や物事の判断を正常にできないという方が少なくありません。

そのため、いくら話をしても聞いてもらえないことやコミュニケーションが上手く取れないといったことはよくあることだといえます。

利用者様との意思疎通が困難な場合であったとしても、親切で丁寧な対応が求められる介護士にとってはストレスを感じる場面も多いでしょう。

ご家族からのクレーム対応

利用者様やご家族から受けるクレームの中には、理不尽な内容や無理な要求なども少なくありません。

クレームが発生してしまった場合には、たとえ理不尽な内容であったとしても相手の感情に寄り添った適切な対応を取る必要があります。

相手の怒りや苦情を真摯に受け止めなければならないクレーム対応は、介護士にとっては精神的な負担になってしまいがちです。

>>>あわせて読みたい「介護士を悩ませるモンスター家族とは?クレームの実例や対処方法」

想定外の出来事が起きる

介護の現場は常に想定外のことが起きうる環境です。

急な体調不良や利用者様同士のトラブルなど、介護士が注意を払っていても避けられない出来事も多いものです。

いつどのようなタイミングで何が起きるか分からない介護現場においても、介護士は慌てたりせず落ち着いた対応を求められます。

暴言・暴力行為・セクハラ

介護士に対して暴言を吐いたり、殴る・蹴るなどの暴力行為、セクハラ行為などの問題も介護現場では珍しくありません。

そのような問題が起きた際、介護士は不安や恐怖などの感情を抱えながらも利用者様にはこれまで通りの対応を取らなければなりません。

>>>あわせて読みたい「介護現場はセクハラが多い!?対処法や起こさないための方法は?」

利用者様の最期

利用者様の死に直面することに対して、介護士がショックを受けることは当然です。

別れを何度経験しても、死を受け入れて立ち直ることは簡単なことではありません。

喪失感を抱えながらも仕事を続けていくことで精神的なストレスを感じることも多いでしょう。

>>>あわせて読みたい「介護職もショックな利用者様の死…どのように乗り越える?」

職場の人間関係

利用者様とのコミュニケーション以外にも、職員同士のコミュニケーションに悩む介護士も多いでしょう。

しかし、介護の現場では職員間のコミュニケーションは欠かせません。

円滑に業務を行うためには、怖い先輩や苦手な職員とも上手く関係性を保つ必要があります。

 >>>あわせて読みたい「介護士の悩み「人間関係」…解決策や人間関係が良い施設の探し方」

 

介護士の感情労働によるリスク

感情労働が必要とされる介護士ですが、感情労働を続けることによってどのようなリスクがあるのでしょうか。

可能性のあるリスクの例を3つご紹介します。

燃え尽き症候群(バーンアウト)

過度なストレスを抱えた状態で無理に業務を続けていると、ある日突然仕事に対するやる気を喪失してしまうことがあります。

この状態を燃え尽き症候群(バーンアウト)といい、抱えるストレスが大きければ大きいほど、その反動は大きくなる可能性が高いといわれています。

症状によっては仕事を休みがちになったり、仕事を続けられないといったケースもあるため注意が必要です。

>>>あわせて読みたい「介護職に多い燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?原因と対策」

うつ病などの精神的な病気

強いストレスを抱えた状態で仕事をしたり、感情を無理にコントロールしようとすることで、うつ病などの精神の病気を患う介護士は少なくありません。

自分では大丈夫だと思っていても、気付かないうちに精神的に大きな負荷がかかってしまっている可能性もあります。

うつ病などの病気は誰にでも起こりうるため、違和感を感じたら無理をせず医療機関に相談をしてみることをおすすめします。

>>>あわせて読みたい「介護士はうつ病になりやすい?原因やどうしても辛いときの対処法」

仕事を辞めたいと感じる

介護現場では、介護士になるまで想像していなかった精神面でのダメージが非常に大きいといえます。

特に無理に感情をコントロールしようとすることで、利用者様にしっかりと向き合う介護ができずに悩む介護士も少なくありません。

理想と現実のギャップを感じ、「思っていたよりもつらい…」「この先も耐えられるか不安…」といった気持ちから仕事を辞めたいと考えるようになることも少なくないでしょう。

>>>あわせて読みたい「【介護士は要注意!】共感疲労とは?ならないための方法は?」

 感情労働に悩む介護士が気を付けるべきポイント

感情労働に悩む介護士が、介護の仕事を長く続けるために気を付けるべきポイントや対処法についてご紹介します。

ストレスを溜めない

感情を抑えることでストレスが溜まりがちな介護士は、そのストレスを上手く発散して溜めさせないことが大切です。

休日には趣味に没頭したり適度な運動、しっかりとした休息を取ることで気分転換をすることがおすすめです。

仕事は仕事と割り切る

仕事で受けるストレスをすべて受け止めていると精神的な負担が大きくなりすぎてしまいます。

仕事は仕事だから仕方がない、と割り切ってしまうことも大切です。

休日にはなるべく仕事のことを忘れて過ごすこともリフレッシュになるため効果的だといえます。

信頼できる先輩に相談する

仕事上での悩みを信頼できる先輩や上司に相談することで解決へのヒントが見つかる可能性があります。

先輩たちはどのようにして怒り・悲しみ・不安・イライラなどの感情を整理しているのかを聞いてみるのも良いでしょう。

参考になるアドバイスであれば自分の中にも取り入れてみることも効果的だと考えられます。

家族や友達に聞いてもらう

自分のことをよく知る家族や友人に話を聞いてもらうことで、自分の気持ちが軽くなりストレスを軽減することができます。

根本的な解決が難しい問題だからこそ、自分の気持ちに共感してもらえるだけでも大きな安心感を得られるでしょう。

感情を吐き出せる場所を作る

自分の感情を我慢することでストレスが溜まってしまうため、感情を素直に吐き出せる環境を作ることがおすすめです。

素直な感情を出すことで気持ちが整理され、気分をリフレッシュできます。

人に話すのが難しい場合は、紙に書き出してみるのもいいでしょう。 

 

まとめ

今回は介護士の感情労働について解説してきました。

介護士の仕事は利用者様との関わりの中で大きなやりがいを感じられる一方で、感情をコントロールすることによる精神的なダメージも大きい職業です。

自分の感情と上手く向き合いながら介護士として長く働き続けたいと考える方は、ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。

 

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