【介護職必見】食事拒否されてしまったら?適切な対応方法を紹介

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介護職が困りがちな、利用者様の食事拒否。必要な栄養価を摂らないといけないのに、「食べたくない」「もういらいない」と食事拒否をされてしまったとき、介護職はどのように対応すべきでしょうか。本記事では、利用者様が食事拒否をする理由と介護職の適切な対応方法について解説します。

高齢者介護でよくある食事拒否とは?

食事拒否とは、字の通り利用者様が食事を摂ることを拒否してしまうことを指します。

高齢になって身体機能や筋力が衰えると、食事が喉を通りにくくなります。
また、高齢になることで運動量や肺活量が低下し、若い世代の人に比べて1日に摂取するエネルギー量も少なくなります。

そのため、「食べたくない」「もういらない」と食事拒否をする高齢者が多く、介護職や家族介護者が対応に悩むこともしばしば。

特に認知症がある方の場合、食べ物を正確に認識できなかったり、食べ方を忘れてしまっていたりするため、食事拒否をすることが多いです。

食事を1食分抜くだけでは生命維持に支障ありませんが、食事拒否が連続かつ何日も続くことで、身体に不調をきたす恐れがあります。
何日も食事を摂らないことで過剰に痩せてしまったり、低血糖や脱水状態、低栄養になってしまったりするリスクがも。

そのため食事拒否された場合、介護職や家族介護者が適切な声かけや工夫を行い、少しでも食事の摂取を促すことが大切なのです。

高齢者が食事拒否する原因と理由

在宅介護を受けている要介護高齢者や、介護施設に入所している利用者様など…

食事拒否をする高齢者が多いのはなぜなのでしょうか。

ここでは、高齢者が食事拒否をする原因と理由を3つご紹介します。

身体機能や筋力の低下

人は高齢になると、身体機能や全身の筋力が低下します。

食事時に正しい姿勢を維持するための背筋や腹筋、噛む・飲み込むという動作をするための口腔機能、日中の活動に欠かせない肺活量や運動量など。

これらの身体機能や筋力が低下することにより、食欲不振や食事拒否につながるのです。

認知機能の低下や精神状態の悪化

高齢者は、新しい人との出会いや長年連れ添ってきた人との別れ、引っ越しや退職、転職による環境の変化など、さまざまな人生経験があります。

それに伴い、悩みや不安、戸惑いを感じてうつ状態になることも。

また、高齢になることで認知機能が低下したり、突然の入院によりせん妄状態になったりと、認知機能にも衰えが見られます。

認知機能の低下や精神状態の悪化により、「食べ物が喉を通らない」「食べ物を正常に認識できない」といった状態になります。

一時的な精神不調やせん妄状態により、認知症の診断を受けていなくても高齢者が食事拒否をすることは珍しいことではありません。

食事の内容に不満がある

高齢になると、咀嚼(噛む)・嚥下(飲み込む)といった口腔機能が低下し、食事の際にむせ込んだり窒息したりするリスクが高まります。

そのため、きざみ食やみじん食、ミキサー食やムース食など、高齢者でも噛んだり飲み込んだりしやすい食事形態に変更する場合があります。

ミキサー食やムース食は、フードプロセッサーに食品とダシ、トロミ剤を加えて調理するのが一般的です。

ダシを加えて調理するため、味が薄くなってしまったり、見た目がドロドロとしていて美味しそうに見えなかったりすることから、食事拒否につながりやすくなります。

認知症と食事拒否の関連性

食事拒否をする高齢者に多いのが、認知症の診断を受けているケースです。

認知症があると、なぜ食事拒否をすることが多くなるのでしょうか。

ここでは、認知症と食事拒否の関連について3つご紹介します。

認知機能の低下・失認

認知機能が低下することで、目の前の食べ物を正常に認識できなくなります。

  • ムース食を粘土として認識してしまい、食べ物で遊んでしまう
  • 食べ物が目の前にあるにも関わらず、食べようとしない

こういった行動が、認知症による「認知機能の低下」や「失認」に該当します。

認知機能の低下や失認が原因で食事拒否をしている場合、介護職がいくら食事を促す声かけをしても、理解してもらえない可能性も高いです。

かといって、介護職が食事の声かけを省略してしまうと、さらに認知症が進行してしまうリスクも考えられます。

失行

認知症の症状の1つである「失行」があることで、箸やスプーン、フォークなどの使い方や、ご飯の食べ方が分からなくなってしまいます。

  • 食事に全く手をつけようとしない
  • 食事を摂ろうとするが、すぐに手が止まってしまう

こういった様子が見られる場合、認知症の失行により、食事の食べ方や食器の使い方が分からなくなっている可能性が高いです。

介護職が介助をしようとしても、今自分が介護職に何をされているのか理解できず、食事拒否につながってしまうことが考えられます。

個人因子・環境因子

利用者様自身の姿勢の悪さや嚥下障害などの個人因子と、食事を摂る場所の環境が整っていないといった環境因子が食事拒否につながっている可能性もあります。

  • 現在使用している義歯が口に合っていない様子がある
  • 食べ始めても、すぐ周りが気になって集中力を欠いてしまう

このような様子が見られた場合、個人因子や環境因子の改善が必要です。

特に、認知症がある方は個人因子や環境因子による不快感を感じても、介護職に自分の思いが伝えられないというケースが少なくありません。

>>>あわせて読みたい「【介護士必見】認知症への正しい対応方法|よくある悩みと解決法」

食事拒否されたときに介護職ができる対応方法

食事拒否が続くと、低栄養状態になってしまうリスクが高まります。

食事拒否をする利用者様には、介護職が適切な対応を行うことが大切です。

ここでは、利用者様が食事拒否をした時、介護職にできる対処方法を3つご紹介します。

食事拒否をする理由・原因を探る

「いらない!」「もう食べたくない!」と食事拒否をする利用者様に対して、「あと一口だけでいいので」と強引に勧める介護職がいます。

しかし、これは不適切な対応といえるでしょう。

「なぜ食べたくないのか」ということを利用者様に直接確認したり、介護職が思い当たる原因を考えたりすることが重要です。

利用者様が好きな食べ物と苦手な食べ物を把握しておき、苦手な食べ物が出たときは食事の代わりにお菓子を勧める

 利用者様の食欲が増進するような食事形態に変更する

必要に応じて、こういった臨機応変な対応をするようにしましょう。

必要に応じて声かけや食事介助を行う

利用者様が食事拒否をする場合、介護職がそばについて適宜声かけを行ったり、必要に応じて食事介助を行ったりするようにしましょう。

特に、認知症がある利用者様の場合は、食べ物を正確に認識するのが困難な場合があるため、必要に応じて見守りや半介助、全介助といった対応を行う必要があります。

もし拒否が強くて食事が摂れない場合でも、その様子を観察することで、食事拒否をする理由や原因が見つかる可能性があります。

>>>あわせて読みたい「【新人介護士必見】食事介助のポイントとは?行う理由や事前準備」

食事内容や食器、食事環境を工夫する

利用者様が食事拒否をする理由・原因はさまざまです。

「ご飯がムース食で、あまり食べたいと思えない」
「テレビが気になって、ついつい食事よりもテレビを見てしまう」
「食器とご飯の色が似ていて、食事を認識しづらい」

こういった理由・原因を解決するため、食事内容や食器、食事をする環境を見直し、食事を楽しめるように工夫しましょう。

 美味しそうと思える調理方法や盛りつけに変更する

 食事が映えるような色や素材の食器に変更する

 食事に集中できるよう、テレビを消したり、周辺の物を片付けたりする

利用者様が食事を楽しめるよう、こういった工夫をすることが大切です。

まとめ

食事は人の生命維持に欠かせない、非常に大切な日常生活動作です。

そのため、食事拒否が続くことで、利用者様が低栄養状態になってしまうことを心配し、強引に食事を勧めたり、対応に戸惑ったりする介護職が多いのも事実。

食事を楽しむためにも、まずは食事拒否をする高齢者の心理を理解することが大切です。

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