介護現場はセクハラが多い!?対処法や起こさないための方法は?

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介護現場でのセクハラは、介護業界でも問題視されているトピック。介護労働者のおよそ1割がセクハラ被害に遭ったことがあるという報告があるほど、被害は身近にも及んでいます。介護施設でセクハラを防ぐ・無くすためには、どのような方法があるのでしょうか。今回は、介護現場のセクハラの実情やセクハラが起こる理由、対処方法や防ぐための方法について解説します。

介護現場ではセクハラが多い!?

介護が必要な高齢者のケアを行う介護施設では、利用者様やご家族から介護者に対するセクハラが問題視されています。

公益財団法人 介護労働安定センターによる調査によると、「利用者やその家族からセクハラを受けたことがある」と答えた介護労働者は、全体の9.1%とおよそ1割の介護者がセクハラを経験してるという結果に。

介護の仕事をしているおよそ10人に1人が、仕事中セクハラに遭ったことがあるということになります

セクハラはハラスメント行為であり、どんな状況であっても許されるべきことではありません。

事業所は利用者様やご家族によるセクハラの対策をしっかりと行う必要があるでしょう。

参照:公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度介護労働実態調査

介護におけるセクハラとは?

セクハラは「セクシュアル・ハラスメント」の略であり、性的な嫌がらせ行為のこと。

介護者に好意的な態度を求めたり、意に添わない性的な誘いかけを行うなど、相手が不快に感じる性的な言動は「セクハラ」とみなされます。

介護現場においては、例えば「介護者に卑猥な写真などを見せつける」「介助の際に不必要に体を触られる」などの行為が多く挙げられており、それぞれにおいてしっかりと対応する必要があります。

利用者様がセクハラしてしまう理由

利用者様が介護者に対してセクハラをしてしまう理由には、どういった点が考えられるのでしょうか。

認知症など脳の障害のため

認知症などといった脳の障害により、判断力が欠如することでセクハラをしてしまうことがあります。

介護現場においてセクハラをする利用者様の多くは認知症ともいわれており、理性的な判断ができないことからの行動であることも。

見当識障害により介護者を配偶者と間違えてしまうなどの要因も挙げられるでしょう。

麻痺など身体の問題のため

麻痺が原因で身体が自由に動かせないことから、意図せず陰部を露出してしまったり、介護者に触れてしまうということも挙げられます。

この場合は本人に悪気はないものの、介護者が無意識にセクハラであると感じてしまうことがほとんど

利用者様に濡れ衣を着せてしまうことのないよう、まずは利用者様の状況を理解することが大切です。

セクハラの概念がない

利用者様に「セクハラ」という概念がないということも、理由のひとつとして挙げられます。

セクハラという言葉が法に初めて規定されたのは、平成9年の男女雇用機会均等法改正。

比較的新しい言葉であるため、高齢の利用者様は「セクハラ」という概念や言葉すら知らないという方も中にはいらっしゃいます

セクハラが悪いことであるということをしっかり理解していないことによる言動であるため、まずは「してはいけない」ということをしっかり説明する必要があるでしょう。

介護現場でのセクハラ事例

介護現場でのセクハラには、以下のような事例が挙げられます。

卑猥な話を無理やり聞かされた

卑猥な写真やアダルトビデオを無理やり見せつけられた

身体を不必要に触られた

陰部への接触を強要させられた

ベッドに引きずり込もうとさせられた

介護者が少しでも不快に思えば、その行為はセクハラにあたります。

施設内でのセクハラ根絶のために、受けてしまった場合は我慢せずに報告・相談しましょう。

介護現場でのセクハラ対処法

介護現場でセクハラが発生してしまった場合は、我慢せずしっかり対処していくことが大切です。

介護施設でのセクハラ対応法について解説します。

不快であることをきっぱり伝える

先述の通り、利用者様の中にはセクハラの概念をしっかり理解しておらず、面白がってしてしまってる方もいらっしゃいます。

介護者がはっきり拒否しない限り「やってもいいんだ」という認識を持たせ続けてしまうことも。

そのためセクハラに対しては、「不快です」ときっぱり伝えることが大事です。

セクハラ行為はいけないことだと伝えるだけでも、ある程度の抑止力を期待できるでしょう。

同僚や施設に相談する

セクハラを受けたら我慢せず、同僚や施設に相談するようにしましょう。

セクハラは個人ではなく、施設全体で対応する問題です。

相談することではじめて、該当の利用者様に対する対応方法を講じることができます。

またセクハラは常に個人に対して行われるわけではなく、次は他の職員が被害に遭うことも。

被害を広げないためにも報告や相談をし、施設内で共有することが大切です。

ご家族に説明する

セクハラ行為が続いたりエスカレートしてしまう場合は、ご家族にきっちりと事実を説明することもひとつの方法です。

施設内でセクハラ発生時の対応方法について決まっている場合は、そのことについて再度お伝えしましょう。

ご家族から本人に直接指摘してもらうほうが、介護者から伝えるよりも抑止効果があることもあります。

異性の介護士に担当を変更する

セクハラは多くの場合、男性利用者様から女性介護者に行われることがほとんど。

こういった場合に担当を男性介護者に変更するなど、担当を異性に変えることも有効な対処法です。

別の同性の介護者に変更したところで、「女性/男性であれば誰にでも」セクハラをしてしまう方は多く、表面的な解決にすらつながりません。

介護者が異性に変わった途端、セクハラ行為がピタッと止まったという報告は多く挙げられています。

第三者機関に相談する

セクハラに対して施設が対処してくれない場合や、職員では対処しきれない場合は、第三者機関に相談しましょう。

泣き寝入りせずに第三者機関に相談することで、改善に対する本気の姿勢を施設に見せることもできます。

決して我慢せず、頼る場所を探すことが大切です。

介護現場でセクハラを起こさないために

介護現場でセクハラを未然に防ぐためには、どのような取り組みができるでしょうか。

日頃からできる取り組みについて、4つ紹介します。

利用者様の情報を共有する

職員が利用者様一人ひとりの情報を共有・閲覧できる環境を作ることが大切です。

特にセクハラをしたことがある利用者様についての情報は、職員がしっかり把握しておくことで未然に防ぐことができます。

あらかじめ男性の介護士を担当につけておく、特定の介助は誰が行うなどの対策を講じることもできるでしょう。

日頃のコミュニケーション方法を見直す

毎日のコミュニケーションが疎かになっていないか、利用者様の不満を溜めていないか、今一度見直してみましょう。

セクハラ行為は、利用者様の日頃のフラストレーションが原因になっていることもあります。

日頃からしっかりとコミュニケーションを取っておくことで、セクハラ行為を防ぐことにもつながるでしょう。

あらかじめ本人やご家族に周知する

利用者様によるセクハラ行為が発覚した際の対応方法などについて、あらかじめ本人やご家族に周知を徹底しましょう。

行為がエスカレートした際は退所や施設の利用を停止する可能性もあることなど、事前に示すことで抑止につながります。

また万が一セクハラ行為が起こってしまった際に、ご家族への説明がスムーズになるでしょう。

相談しやすい環境づくり

セクハラの被害を受けてしまった際に、職員が施設に相談しやすい環境を整備しておくことも大切です。

セクハラを無くすためには、発生から迅速に対応することが何より大切。

職員がすぐに誰かに相談できるよう、相談窓口の設置や相談者の明確化などの対策を行いましょう。

まとめ

介護施設で仕事中にセクハラに遭ったことがある人はおよそ1割と決して少なくなく、発生した際に施設全体で対処していくことが必要です。

利用者様がセクハラをしてしまう原因を知り、発生した際は迅速に報告・相談しましょう。

解決しない場合は我慢せず、第三者機関に相談することも方法です。

本記事を参考に、施設全体で対策方法を考えていきましょう。

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