タメ口はNG?介護士は敬語とタメ口どちらを使うべきかを解説

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介護士は介護現場において、敬語とタメ口のどちらを使うのが適切なのでしょうか。介護の基本は、人生の大先輩である利用者様に敬意を払い、敬語を使って接することです。しかし、実際の介護現場ではタメ口を使っている介護士もいるため、敬語とタメ口のどちらを使うべきか迷う介護士も少なくありません。本記事では、介護士が気をつけるべき正しい言葉遣いについて解説します。



介護士は敬語とタメ口のどちらで話すべき?

結論からいうと、介護士は「敬語」を使うことが望ましいです。

介護士の研修会や資格取得に必要な勉強では、介護士は人生の大先輩である利用者様に敬意を払って、敬語で接するべきであるといわれています。

しかし、施設の雰囲気や運営方針などによっては、必要に応じてタメ口を使う場面もあります

状況や場面に応じて利用者様にタメ口を使う場合でも、利用者様が自分より目上の存在であることや、利用者様への敬意を忘れてはいけません。

>>>あわせて読みたい「利用者様と介護職員の距離が近すぎると問題?適切な距離感とは?」

 

【一覧表あり】敬語の3つの種類の違いと使い方

介護士が利用者様やそのご家族の方に敬語を使う際は、正しい敬語の使い方をすることが重要です。

ここからは、それぞれの敬語の表現や使い方を解説します。

尊敬語

尊敬語とは、目上の方や第三者の行動、状態に対して、敬う気持ちを表す言葉です。

「いらっしゃる」「おっしゃる」「召し上がる」などの言葉が尊敬語にあたります。

目上の方や第三者を立てて述べたり、相手への敬意を表すときに使います。

謙譲語

謙譲語とは、自分の動作をへりくだって表現する言葉です。

謙譲語と似た表現で「丁重語」もあり、それぞれの違いは以下の通りです。

謙譲語:相手との会話で、自分のことをへりくだって表現する際に使用する
(例)「伺う」「申し上げる」「差し上げる」 など

丁重語:メールや手紙などの文章で、自分のことをへりくだって表現する際に使用する
(例)「参る」「申す」「いたす」「存じる」 など

丁寧語

丁寧語とは、相手の立場や話の内容を問わず、丁寧に言葉を述べるときに使用する表現です。

丁寧語と似た表現で「美化語」もあり、それぞれの違いは以下の通りです。

丁寧語:会話や文章で、丁寧に言葉を述べる際に使用する
(例)「です」「ます」「(で)ございます」 など

美化語:会話や文章で、上品で美しい言葉遣いをする際に使用する
(例)「お料理」「ご挨拶」「ご利用」 など

敬語の一覧表

介護士が介護現場でよく使う敬語を一覧表にまとめています。

言葉遣いに自信がない方や、丁寧な言葉遣いを心掛けたい方は参考にしてみてください。

基本的な言葉遣い尊敬語謙譲語(丁重語)丁寧語(美化語
する なれる、される いたす します
見る ご覧になる 拝見する、見させていただく 見ます
行く 行かれる、いらっしゃる 参る、伺う 行きます
来る お見えになる、いらっしゃる 参る、伺う 来ます
言う おっしゃる、言われる 申す、申し上げる 言います
聞く お聞きになる、聞かれる 伺う、拝聴する 聞きます、聞いています
食べる 召し上がる、お食べになる いただく、頂戴する 食べます
座る おかけになる お座りする、座らせていただく 座ります

 

介護士が敬語を使うメリット・デメリット

介護士が利用者様やご家族の方に対して敬語を使うことには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

介護現場で敬語を使うメリット・デメリットをよく理解し、場面ごとに適切に使い分けるようにしましょう。

介護士が敬語を使うメリット

介護士が利用者様やご家族の方に対して、敬語を使うメリットは以下の通りです。

利用者様やそのご家族の方に好印象を与えることができる

介護施設・介護従事者全体の印象が良くなる

利用者様やそのご家族の方と、介護士との距離感が近づきすぎない

介護士が敬語を使うことのメリットは、介護士や介護施設・介護事業所の印象が良くなるだけではありません。

利用者様やご家族の方と距離が近くなりすぎてしまい、理不尽なクレームや無茶なお願いをされることを防げるのも、敬語を使う大きなメリットです。

介護士が敬語を使うデメリット

介護士が利用者様やご家族の方に対して、敬語を使うデメリットは以下の通りです。

利用者様やご家族の方から堅苦しい印象を持たれてしまう

ケアを行う際に利用者様が気を遣ってしまう

介護士が敬語を使い続けることで、利用者様やご家族の方に「声を掛けにくい」と思われてしまうことが多々あります。

また、敬語は堅苦しい印象を与えてしまうため、利用者様が気を遣ったり、緊張したりしてしまうということも。

時と場合に応じて、敬語とタメ口の使い分けをすることが重要です。

>>>あわせて読みたい「利用者様に好かれる介護士の特徴7選|嫌われるNG行動も紹介」

 

介護士がタメ口を使うメリット・デメリット

介護士が利用者様やご家族の方に対してタメ口を使うことには、どのようなメリットやデメリットがあるのでしょうか。

介護現場でタメ口を使うメリット・デメリットをよく理解し、場面ごとに使い分けるようにしましょう。

介護士が「タメ口」を使うメリット

介護士が利用者様やご家族の方に対して、タメ口を使うメリットは以下の通りです。

利用者様と打ち解けたり、心の距離を縮めたりすることができる

家族と一緒にいるような安心感や、アットホームな雰囲気を与えることができる

介護の基本は利用者様やご家族の方と敬語で話すことですが、場面に応じてタメ口を使うことで、利用者様との心の距離を縮めることができます

また、アットホームな雰囲気を大事にしている介護施設では、利用者様とタメ口で接する方が多い場合もあります。

介護士がタメ口を使うデメリット

介護士が利用者様やご家族の方に対して、タメ口を使うデメリットは以下の通りです。

利用者様との距離感が近づきすぎてしまい、無茶なお願いをされる可能性がある

利用者様やご家族の方に失礼な人と思われてしまう

「大事な親の介護を任せて大丈夫なのか?」と、ご家族の方が不安に感じる

タメ口を使うことで、その様子を見ていたご家族の方が不安に感じたり、信頼感を損ねてしまったりする可能性があります。

基本的には利用者様の希望に合わせてタメ口を使い、ご家族の方の前では敬語で話すようにしましょう。

>>>あわせて読みたい「介護士を悩ませるモンスター家族とは?クレームの実例や対処方法」


 

利用者様との適切なコミュニケーションの図り方

敬語であっても、タメ口であっても、以下の基本マナーを守って利用者様とコミュニケーションを図ることが大切です。

信頼関係を築けていない段階では必ず敬語を使う

利用者様の希望に合わせて敬語またはタメ口を使い分ける

タメ口を使って話す場合、利用者様またはご家族の方の同意を得る

タメ口を使う場合でも、利用者様をちゃん付けやニックネームで呼ばない

いかなる場合でも、幼児言葉や乱暴な言葉遣いはせず、丁寧に接することを心掛ける

一般的に、人と人が信頼関係を築くのに最短でも3ヶ月以上かかるといわれています。

認知症や言語障害などの病気・障がいがある方の場合だと、信頼関係を築くまでに半年~数年ほど期間を要することも少なくありません。

利用者様やご家族の方に不信感を持たれないためにも、丁寧な言動や適切な言葉遣いを心掛けることが重要です。

>>>あわせて読みたい「コミュニケーションが苦手でも介護職はできる?コツを紹介!」

 

まとめ

介護士は利用者様やご家族の方に対して、敬語を使って話すことが基本です。

利用者様から「タメ口でいいよ」と希望があった場合や、利用者様の同意を得た場合のみ、タメ口を使って話すようにしましょう。

タメ口を使う場合でも、利用者様への敬意を忘れず、丁寧に接することが大切です。

 

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