介護士を悩ませるモンスター家族とは?クレームの実例や対処方法

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介護施設で職員を困らせてしまうモンスター家族。理不尽なクレームや無理な要求、苦言を呈することで施設の運営が円滑に進まないことも。クレームにはさまざまなパターンがありますが、すぐに謝罪せず冷静に対応することが大切です。今回は、モンスター家族のクレーム例や対処方法、利用者家族をモンスター化させないための方法についてまとめました。

モンスター家族とは?

介護施設におけるモンスター家族とは、職員や施設に対して理不尽な要求を繰り返す利用者家族のこと。

介護熱心な家族とは異なり、職員が困ってしまうような苦言を呈すなど、さまざまなトラブルにつながることがあります。

モンスター家族によるクレーム対応を放置していると、要求がエスカレートしたり施設の運営に支障が出るだけでなく、職員のストレスやメンタルに悪影響を及ぼすことも。

そのため施設は、モンスター家族から職員を守る必要があるのです。

またモンスター家族には主に3つの種類があり、以下のような特徴が見られます。

職員を信じない・自分の考えが一番タイプ:これまで一緒に過ごしてきた自分のほうが利用者様の介護について詳しいと考え、介護士の専門的な知識・技術を拒む

たまに文句を言いに来るタイプ:面会などにはめったに訪れないものの、たまに訪れるたびに文句を言う

お客様は神様タイプ:お金を払っているのは自分なのだからと、無理なことまで要求してくる

モンスター家族のクレーム例

モンスター家族による介護施設のクレーム例について紹介します。

実際にどのようなクレームが寄せられているのでしょうか。

食事に対する文句を繰り返す

利用者様に提供される食事は、栄養士が中心となり栄養や食べやすさを配慮して提供されています。

例えば咀嚼力・嚥下力が低下している利用者様に対しては、誤嚥・窒息の危険性を避けるため料理をペースト状にした流動食が提供されます。

しかしモンスター家族からは、流動食を見て「人間の食事じゃない」「動物の餌を提供しているのか」「肉が好きだから肉をもっと与えろ」など、さまざまなクレームを受けることがあるでしょう。

他にも、「自分の家族だけ朝はご飯でなくパンにしろ」など、食事に関する特別扱いを要求されることも。

すぐに職員の暴力を疑う

何かあればすぐに職員の暴力を疑うという点も、モンスター家族の特徴のひとつ。

例えば久しぶりに施設に訪れたときに、歩けていた利用者様が車椅子に座っているなど利用者様に何か変化があると、それまでの状況を知らないことからすぐに職員の暴力を疑って声を荒げるという場面も。

この場合は、普段からあまり施設に足を運ばないモンスター家族に多い傾向です。

無理な要求をしてくる

介護の仕事の範疇以外のことを要求するなど、職員が困ってしまうような無理な要求をしてくることもモンスター家族の特徴といえます。

例えば一日に何度もバイタルチェックをしその都度報告の連絡するよう要求したり、介護の仕事とは関係ない、ご家族の生活サポートを要求するなどの事例が挙げられます。

些細なことからはじまり徐々にエスカレートしてくることもあるため、できないことは丁重にお断りするなど、冷静に忽然と対応する必要があります。

職員の言うことを信じない

職員が何度説明しても言うことを信じず、決めつけでクレームを寄せることも多くあるでしょう。

利用者様と長い時間を過ごしてきたモンスター家族は、利用者様の介護については自分たちが一番よく知っていると考えます。

そのため、介護士による専門的な技術や知識を否定し、職員の言うことを信じないということもあるのです。

モンスター家族の対処方法

モンスター家族に対しては、職員が冷静に適切に対応することが大切です。

敵対することでより関係が悪化してしまうこともあるため、職員全体で対応方法を考えていきましょう。

以下では、モンスター家族の対処方法について解説します。

まずは傾聴する

クレームに対しては、まずは傾聴し「話したいだけ話してもらう」ことが大切です。

途中で口を挟んだり話の腰を折ると、相手の不満がより募ってしまうことがあります。

また全て話しきることで、冷静になってもらえることも。相手が言いたいことを全て聞ききった上で、こちらから話を持ちかけることがポイントです。

複数人で冷静に対応する

モンスター家族からの理不尽なクレームには、複数人で対応することがおすすめです。

職員一人に対してだと威圧的になるという方も、複数人で対応することで対等に会話していただけることがあります

介護士の精神的な負担を避けるためにも、一人で理不尽なクレーム対応を受ける状況を避けるように工夫しましょう。

話し合いの内容を記録する

クレームやモンスター家族と話し合いした内容は記録し、いつでも確認できるようにしましょう

今後のクレーム防止につながるだけでなく、相手との「言った・言ってない」論争が起こることもありません。

また、万が一警察や弁護士に相談する際の資料にもなります。

記録した内容は職員と情報共有し、今後の対応方法について職員間で話し合いをすることも大切です。

何でも謝罪しない

モンスター家族からのクレームに対して、何でもすぐに謝罪の言葉を出すことは避けましょう。

理不尽な内容に対して謝罪をしてしまうと、その内容をおおむね認めてしまうことになります。

相手を不快な気持ちにさせてしまったことは謝罪しつつも、クレーム内容に関しては事実確認が取れるまで謝罪をしないようにしましょう。

誰か一人が謝罪すると「あの人は認めたのに」とさらなるトラブルに発展してしまうため、謝罪する範囲を限定するように職員間で共有しましょう。

モンスター化を防ぐために

利用者家族のモンスター化を防ぐために、日頃からできることについて解説します。

契約時にしっかり説明する

入居に関する契約時に、ご家族には介助内容と介護士の業務内容についてしっかり説明しておきましょう。

ご家族が期待していても施設ではできないことは、「できない」と断言し、ご家族に無駄な期待をさせないことも大切なことです。

契約後のトラブルを防ぐためにも、契約時には真実をそのまま伝えるようにしましょう。

信頼関係の構築

利用者家族とは、日々コミュニケーションを取り信頼関係を構築することも大切です。

普段からコミュニケーションが取れていることで、理不尽なクレームが減るだけでなく、双方の考えを理解することもできます

職員を信頼できているからこそ、心地よく介護を任せていただけるでしょう。

まとめ

介護施設でのモンスター家族とは、理不尽なクレームや無理な要求、苦言を呈して職員を困らせてしまう利用者家族のこと。

モンスター家族からのクレームにはさまざまなパターンがありますが、冷静に対応することで解決させることもできます。

また普段からしっかりコミュニケーションを取ることで、利用者家族のモンスター化を防ぐこともできるでしょう。
 

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