介護士の声掛けとは?テクニックややってはいけないNG例を解説

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介護現場で重要な役割を持つ介護士の声掛け。声掛けをマスターすれば、利用者との信頼関係を構築し、介護をスムーズに行うことができます。しかし、なかには声掛けを苦手とする方や、間違った声掛けを行っている人もいるのではないでしょうか。本記事では、介護士が気を付けたい声掛けのポイントやNG例について解説します。

介護士にとって声掛けが大事な理由

声掛けは、介護の現場で欠かせないコミュニケーションのひとつです。
声掛けを上手く取り入れれば、認知症や障がいなど、さまざまな理由で意思疎通が難しい方とも信頼関係を築くことができるでしょう。

日常生活の介助をする前に「今から〇〇をしますよ」と伝えたり、「食事の準備ができましたよ、いかがですか?」と質問したりすることも声掛けにあたります。
これからすることを伝えれば、利用者は何が起こるかを理解でき、安心して介護を受けられるのです。

また、利用者の不安を取り除くことは、安全でスムーズな介護の提供にもつながります。

介護士の声掛けポイント5選!

声掛けには、守るべきマナーやポイントがあります。
なかでも特に意識すべきポイント5つを、以下で詳しく解説していきます。

言葉遣い

介護の現場にふさわしい言葉遣いは敬語です。敬語は年長者への敬意を表すだけでなく、親切でていねいな印象を与える効果も期待できます。

しかし、過剰にへりくだった敬語は堅苦しく、日常生活にはそぐわない場合も。です・ます調を基本に、やわらかい表現を心がけましょう。

クッション言葉

クッション言葉とは、本題を伝える前に添える「恐れ入りますが」「もしよろしければ」などの言葉を指します。

そのまま伝えるよりもやわらかい表現になるため、利用者に頼みごとをするときや、反対に要求を断らなければいけないときなどに取り入れましょう。

抑揚

声掛けをする際は、話すスピードや声の大きさ、イントネーションなども重要です。基本的にはゆっくり、はっきりと話すよう心がけましょう。

また、聞こえにくさや認知の度合いは人それぞれ異なるため、利用者一人ひとりに合わせて抑揚を変化させることも必要です。

表情

忙しいと、ついつい眉間にしわが寄ってしまう……なんてことはありませんか?
介護士が硬い表情や不機嫌な様子を見せていたら、利用者は不安を抱いてしまいます。

特に現代は感染症対策でマスクの着用が常態化しているため、口角はもちろん、目元の表情にも注意してみましょう。

ジェスチャー・スキンシップ

コミュニケーションを円滑に進めるため、ジェスチャーやスキンシップを取り入れることも有効です。
例えば、利用者の話を聞く時に相手の手を握ったり、大きくうなずいたりするのもよいでしょう。

しかし、近い距離での大きな身振り手振りは、相手を驚かせてしまうためNGです。

>>>あわせて読みたい「コミュニケーションが苦手でも介護職はできる?コツを紹介!」

トラブルに発展!?介護士がしてはいけない声掛け

介護士の声掛けには、避けるべき表現があります。
仕事に慣れてくるとついつい使ってしまいがちな表現も含まれるため、注意が必要です。

タメ口

利用者との関係性によっては、親しみを込めてタメ口を使っている場合もあるでしょう。

しかし、言葉遣いへの感じ方や捉え方は人それぞれ。
親しみを込めたつもりでも、馴れ馴れしいと不快に思われてしまう可能性もあります。信頼を得るためにも、敬語を心がけましょう。

赤ちゃん言葉

利用者を子どものように扱う言葉遣いは、見下している、馬鹿にしているなどと誤解される恐れがあります。
また、ご家族が聞いた時に悲しい気持ちになるかもしれません。

利用者は介護士よりも年配であることが多いため、敬意を持って接することが大切です。

若者言葉や流行りの言葉

利用者は年配の方が多いため、若者言葉や流行語は避けるのがベター。いくら積極的に声掛けを行っても、伝わらなければ意味がありません。

場合によっては利用者を混乱させ、不快感を与えてしまう可能性も。どんな年代の方にも通じる言葉選びを心がけましょう。

命令口調

利用者は、必ずしも介護士の思いどおりに動いてくれるとは限りません。

しかし、焦っていても「早くして」「〇〇をしなさい!」など、相手を怖がらせるような命令口調を使ってはいけません。
相手によってはトラブルに発展する可能性もあるため、注意が必要です。

>>>あわせて読みたい「介護職が気をつけたいNGワードとは?使ってはいけない理由は?」

シチュエーション別介護士の声掛け例

介護現場にふさわしい声掛けは、シチュエーションによってもさまざまです。
場面に応じて対応できるよう、声掛け例を確認しておきましょう。

あいさつの声掛け

あいさつはコミュニケーションの基本です。一日を気持ちよくスタートさせるためにも、自分から積極的にあいさつしましょう。

また、あいさつから他の話題へつなげるのもおすすめです。些細な会話を重ねるだけでも、信頼関係の構築に一歩近づくでしょう。

会話例)
「おはようございます!」
「昨日はよく眠れましたか?」
「〇〇さん、今日のご気分はいかがですか」
「今日はとてもよいお天気ですよ」
「おやすみなさい、ゆっくり休んでくださいね」

レクリエーション中の声掛け

まずは、利用者がレクリエーションに興味を持てるような声掛けを意識しましょう。

利用者のなかにはレクリエーションを嫌がる方もいるため、「〇〇さんと一緒に楽しみたい」という誘い方も効果的です。また、参加者には感謝の言葉を忘れずに伝えましょう。

会話例)
「一緒に楽しみませんか?」
「〇〇さんのためにレクリエーションを考えてきましたよ!」
「ご参加いただきありがとうございます」
「〇〇さん、とっても歌がお上手ですね」
「〇〇さん、すごいですね!」

>>>あわせて読みたい「介護のレクリエーションって何のため?目的や盛り上げ方を解説」

食事中の声掛け

食事介助をする際、いきなり食事を開始するのはNG。まずは一声かけ、同意を得ることが大切です。

また、食事を口へ運ぶ際も、お魚・サラダ・漬物など具体的な内容を伝えるとより親切です。
思うように食が進まない場合は、会話から原因を探るとよいでしょう。

会話例)
「〇〇さん、お食事の用意ができましたよ」
「今日のメニューは煮物ですよ、おいしそうですね」
「今からサラダを食べてみますか?」
「今日のお食事は少し食べづらかったですか?」

>>>あわせて読みたい「【新人介護士必見】食事介助のポイントとは?行う理由や事前準備」

着脱介助の声掛け

着脱介助を行う際は、動作ごとに声掛けを行います。コミュニケーションをとりながら介助することで、利用者の不安を取り除いてあげましょう。

また、無理に体を動かすと利用者に負担をかけてしまいます。安全を確認したうえで、本人ができることはお任せしましょう。

会話例)
「今から着替えをしましょう」
「ボタンを外していきますね」
「寝返りしましょう」
「少し手を上に上げてください」
「お部屋は寒くないですか?」

>>>あわせて読みたい「【新人介護士必見】介護士が知っておくべき更衣介助のポイント」

入浴・排泄介助の声掛け

入浴や排泄介助はデリケートな部分を扱うため、羞恥心を感じる利用者もいます。
介護士の意図に反して利用者を傷つけてしまう可能性もあるため、言葉選びには注意が必要です。
できるだけポジティブな言い回しを心がけ、お手伝いする範囲の確認を行いましょう。

会話例)
「お手洗いを済ませてから、お散歩しませんか?」
「下着を交換しますね」
「お手洗いorお風呂に入ればすっきりしますよ」
「シャンプーしてもよろしいですか?」
「ご自分でしますか? お手伝いしましょうか?」

>>>あわせて読みたい「入浴介助の注意点とは?安全・快適なケアのためのポイントを解説」
>>>あわせて読みたい「【介護士必見】排泄介助の注意点とケース別の対応方法を紹介」

まとめ

仕事に慣れてくると、ついつい忘れてしまいがちな介護士の声掛け。
しかし、言葉遣いや表情、マナーなどは、あらゆる場面で通用するコミュニケーションの基本です。難しく考えすぎず、どんな言葉をかければ利用者が安心できるのかを考えましょう。

今回紹介した声掛けのポイントをマスターして、ぜひ介護現場で活躍してくださいね。

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