日本の介護士に英語力は必要?介護士の英語力の必要性について

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介護士と英語力というワードはなかなか結び付きませんが、介護士に英語力は必要なのでしょうか。近年の介護業界は深刻な人手不足問題を抱えており、海外からの人材派遣を推進しています。またグローバル化が進むことで外国人の利用者も増えることが予測されるため、今後介護士にも英語力が求められる可能性が十分にあるのです。今回は、介護士の英語力の現状や、英語力の必要性について解説します。

介護士に英語力は必要?

日本国内では近年少子高齢化が進んでおり、介護を必要とする高齢者が増加しています。

そのため要介護高齢者の介護を担う介護士の需要は年々高まっていますが、介護士が英語力を活かして活躍できる機会はあまり多くはありません。

介護の仕事は年齢・学歴・職歴・資格など不問で働ける求人が多く、介護士の英語力を重視している介護施設は少ないのが現状です。

しかし、外国人介護職員受け入れ拡大や外国人利用者の受け入れ開始などが予測される介護業界では、今後介護士にも英語力が求められる可能性はゼロではないといえるでしょう。

介護士に英語力が求められる理由

今日の介護業界では、介護士の英語力についてはあまり重要視しない傾向にあります。

では、なぜ今後日本の介護士に英語力が求められる可能性があるのでしょうか。

介護士に英語力が求められる理由について解説します。

外国人介護士の受け入れが増加傾向にある

要介護高齢者の人数に反比例し不足している介護人材を補うために、政府は平成20年より外国人介護士候補の受け入れを開始しています。

また平成29年には、養成校を卒業し介護福祉士の資格を取得した留学生に対して、在留資格「介護」が施行されるようになりました。
さらに同年には、外国人技能実習制度の対象職種に介護職種が追加されています。

これらの外国人介護士の受入れは拡大傾向にあり、今後も増えていく見込みです。

主にインドネシア・フィリピン・ベトナムなどの国からの受け入れが対象ですが、公用語として英語を活用することで、より介護士同士のコミュニケーションが円滑化するでしょう。 

参照:厚生労働省|外国人介護職員がいきいきと活躍できる職場づくりとは?

>>>あわせて読みたい「介護業界の救世主!?外国人介護士受入の仕組みや指導方法とは」

在留外国人高齢者が増加傾向にある

日本に在留している外国人の高齢化が進み、近年では介護を必要とする外国人高齢者が増えています。
1990年の入管法改正によりブラジルやペルーより来日した在留外国人が、ここ数年で高齢期を迎えたことも理由として挙げられるでしょう。

外国籍であっても必要な手続きに則って医療保険料・介護保険料を支払い、介護保険の被保険者となれば、日本人と同様に介護サービスを受けることができます。

そのため今後、日本の介護サービスを利用する外国人高齢者も増加していく見込みであるといわれています。

英語のできる介護士が複数名在籍していれば、こういった外国人高齢者の施設受け入れを行うこともできるでしょう。

参照:一般財団法人自治体国際化協会|在留外国人の高齢化に伴う居住問題

海外へ日本の介護を啓発するため

先述の通り、近年では日本の介護業界の人手不足解消のため、外国人介護士の派遣を推進しています。

近い将来、日本の高齢化や介護士の人材不足はさらに進行する可能性が非常に高いといわれている現状。

日本の介護現場で働く介護士が海外に出向き、日本の介護の啓発活動や介護士の養成講座の開校を海外で行うことで、外国人介護士の雇用率が高まることが期待できるのです。

そのため、英語ができる介護士のニーズが高まることが予想されています。

介護士が英語力を活かして活躍できる職場

日本の介護士が英語力を身につけることで、日本が抱える高齢化や介護士の人材不足問題の解決の一助となります。

また英語力があることで、介護士自身が就職・転職の幅を広げることも可能です。

以下では、介護士が英語力を活かして活躍できる職場についてまとめました。

国内の介護施設及び介護事業所

日本が抱えている高齢化や介護士の人材不足問題を解決するため、平成20年から経済連携協定(EPA)に基づき、外国人介護士の受け入れを行っています。

外国人介護士の人材派遣が進む上で、実は日本人介護士の英語力はスムーズな受け入れのポイント

日本人介護士が英語を理解していることで、外国人介護士の採用面接や教育にスムーズに対応できるようになります。

また、介護士のコミュニケーションが円滑化するため、質の高い教育体制が整うでしょう。

国内の医療現場

介護士が活躍する場は介護施設や介護事業所だけではありません。
医療現場でも、看護助手や看護補助員として活躍している介護士が存在します。

医療現場で活躍する介護士に英語力があることで、医療現場に派遣された外国人介護士の採用面接・教育の対応がスムーズになります。

また近年日本では海外からの移住者・旅行者が増えているため、外国人が日本の医療機関を利用することは珍しくありません

このように介護士の英語力は、医療現場でも活かすことが可能です。

海外の介護施設及び介護事業所

英語力がある介護士は海外の介護施設や介護事業所で活躍することも可能です。

日本人介護士が海外の介護施設で働く場合、海外への引っ越し手続きや移住先の国の介護資格を取得する必要があり、英語力が必要不可欠。

また日本人や日系人が利用する介護施設や現地人向けの介護施設、現地の介護士に日本の介護を伝える講師など、海外にはさまざまな働き方があります。

移住に伴う手続きは大変ですが、その分働き方の選択肢が豊富です。

介護士が英語力以外に必要とする介護スキル

日本では今後、高齢化や介護士の人材不足により、外国人介護士の増加が見込まれます。

しかし介護士には、英語力以前に必要となる介護スキルが多数あります。

まずはそれらの介護スキルをある程度習得したのち、英語力を磨くことがおすすめです。

以下では、介護士に必要な介護知識が学べる介護資格をご紹介します。

介護職員初任者研修

介護職員初任者研修は、初心者介護士の入門資格です。

130時間の講習受講後、修了試験の合格で介護職員初任者研修が取得できます。

受講内容も試験内容もハードルが低く、無資格・未経験の介護士が初めて取得する資格に最適です。

>>>あわせて読みたい「介護職員初任者研修とは?受けるメリットや取得する方法について」

介護福祉士実務者研修

介護福祉士実務者研修では介護職員初任者研修よりも、さらに専門性の高い知識が習得できます。

実務者研修を取得するためには、450時間のカリキュラム受講が必要です。

また、介護福祉士養成施設や福祉系高等学校を卒業していない介護士が介護福祉士を受験する際、実務者研修の資格が必須となっています。

>>>あわせて読みたい「介護福祉士実務者研修とは?資格の特徴と取得方法を徹底解説!」

介護福祉士

介護福祉士は介護系の資格の中で唯一の国家資格です。

介護福祉士の資格取得ルートは、大きく分けて以下の3つがあります。

養成施設:厚生労働大臣が指定する養成施設(大学や短期大学、専門学校)を卒業する

 福祉系高等学校:福祉系高等学校もしくは福祉系特例高等学校を卒業する

 実務経験:介護士として3年の実務経験を積み、実務者研修を修了する

いずれも、財団法人社会福祉振興・試験センターが実地する介護福祉士試験の筆記試験と実技試験への合格で資格取得となります。

取得ルートや受験者の条件によっては、実技試験が免除される場合もあるため、カリキュラムを受講した学校や養成施設などに確認してください。

>>>あわせて読みたい「介護福祉士とは?資格の特徴や魅力をわかりやすく解説!」

介護支援専門員(ケアマネジャー)

介護支援専門員(ケアマネジャー)は、利用者のケアプラン作成に携わる専門職です。

介護支援専門員(ケアマネジャー)の受験要件は、以下の通りです。

 看護師・介護福祉士・社会福祉士・精神保健福祉士などのいずれかの国家資格を保持しており、いずれかの国家資格に基づく実務経験が5年以上の者

 生活相談員・支援相談員・相談支援専門員・主任相談支援員としての実務経験が5年以上ある者

>>>あわせて読みたい「ケアマネージャーとは?仕事の魅力や働き方を具体的に解説!」

社会福祉士

社会福祉士は、利用者やご家族の相談対応を担う専門職です。

介護士は主に利用者の生活に必要な介護業務を担いますが、社会福祉士はソーシャルワーカーとして介護施設の窓口役を担います。

そのため、キャリアアップとして、社会福祉士の資格取得を目指す介護福祉士が多いです。

>>>あわせて読みたい「社会福祉士とは?仕事内容や活躍できる場、給与について解説」

英語力がある介護士は転職に有利?

現状、介護士の英語力を重要視している介護現場は多くありません。

しかし外国人介護士や外国籍利用者を多く受け入れている介護施設であれば、介護士の英語力を重視する傾向が強いです。
そのため、外国人介護士や外国籍利用者の多い介護施設への転職では有利になるといえるでしょう。

介護士は英語力も大切ですが、それ以前に介護士に求められる専門的知識・スキルは他にも多くあります。

介護職員初任者研修・実務者研修・介護福祉士・社会福祉士など、介護の仕事に必要な資格を保持している方が、一般的な介護職転職に有利です。

ただ介護系の資格を保持している上で、英語力があれば「介護知識と英語力を活かして外国人介護士や外国人の利用者とコミュニケ―ションが図れる」という強みになるでしょう。

まとめ

介護士の英語力について重要視されていなかった今日では、英語力のある介護士はあまり多くない現状です。

しかし今後の外国人介護士の受け入れ拡大や在留外国人高齢者の増加に伴い、介護現場で英語を使用する機会が増えることが見込まれます。

外国人介護士や外国籍利用者にスムーズに対応するため、日本の介護士が英語を学習しておくことは非常に重要といえるでしょう。

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