お役立ち情報
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同性介助とは、男性介護職が男性の介助を行い、女性介護職が女性の介助を行ういわゆる「同性同士の介助」のことです。同性介助は介護の基本ではありますが、人手不足の介護現場では満足に同性介助ができていないことが現状。本記事では、介護の基本である同性介助とはどういうものなのか、また同性介助と異性介助の違いについて解説します。
■目次
まず、「同性介助」「異性介助」とはそれぞれどういう意味で、どのような違いがあるのかについて解説します。
女性介護職員が女性の介助を行い、男性介護職員が男性の介助を行うことです。
入浴や排泄など、利用者様が異性の介護職員に身体を見られたくないと思う介助を、同性の介護職員がプライバシーに配慮しながら行います。
女性介護職員が男性の介助を行い、男性介護職員が女性の介助を行うことです。
入浴や排泄など、利用者様が異性の介護職員に身体を見られたくないと思う介助でも、やむを得ず異性の介護職員が行うことがあります。
異性介助では利用者様が強い羞恥心や屈辱感を感じ、トラブルに発展するケースも見られています。
同性介助は高齢者・障害者の介護の基本です。
しかしながら、実際の介護現場では人手不足が原因で配置できる職員数が限られており、同性介助が満足に行えていません。
同性介助を行うために人員配置や職員のシフト調整を行っている介護施設は多くありますが、まだまだ異性介助が多いのが現状です。
同性介助には多くのメリットがありますが、異性介助にはデメリットが多くあります。
なぜ、同性介助と異性介助のメリット・デメリットの差が大きいのでしょうか。
以下では、同性介助のメリットと異性介助のデメリットについて解説します。
入浴介助や排泄介助では、デリケートな部分まで他者にケアしてもらうことになります。
いくら仕事として対応する介護士相手であっても、異性介助ではそういったケアの際に気を遣ったり、羞恥心や恐怖心、屈辱感を感じたりと強いストレスを感じがちです。
同性介助ではそういったストレスが比較的少なく、利用者様が気を遣わずにケアを受けることができます。
介護現場では、排泄や失禁で汚れた陰部を清潔にしてもらう場面が多くあります。
また、入浴介助はデリケートな部分を含めた全身を他者に洗ってもらいます。
そういった場面での異性介助は、尊厳やプライバシーなどの観点から推奨されません。
同性介助であれば、こういった場面でもトラブルになりにくくスムーズに介助できるでしょう。
異性介助では、デリケートな部分を異性に見られる羞恥心や屈辱感を感じます。
そういったストレスが重なると、介護拒否や不穏症状を起こす可能性が高まります。
同性介助では介護拒否や不穏が起こりにくく、円満に介助できる点が大きなメリットです。
デリケートな部分を異性に見られる羞恥心や屈辱感、ストレス、我慢が積み重なると、利用者様の不穏症状が悪化してしまいます。
不穏症状の悪化は、精神疾患の発症や認知症の進行につながってしまうことも。
暴力や暴言、徘徊などの不穏症状が出現し、思わぬ介護事故やトラブルに発展するリスクもあるでしょう。
女性介護士が体重の重い男性利用者様の入浴介助・排泄介助を1人で担当するとなると、どうしても双方に身体的負担がかかってしまいます。
介護士の場合はこのような肉体労働による身体的負担により、腰痛を起こしやすくなることも。
>>>あわせて読みたい「介護職が悩む「腰痛」原因は?対策法や改善できるストレッチ方法」
過去に、男性介護士が1人で女性利用者様の入浴介助・排泄介助を行った際、魔がさして利用者様に性的な嫌がらせをしてしまった事例が発生しました。
また反対に、女性介護士が1人で男性利用者様の介助を行った際、男性利用者様から不快に感じるセクハラ発言をされたり、身体を触られるというトラブルも実際に起こっています。
異性介助はこのようなセクハラ問題が起こりやすいということが、最大のデメリットです。
高齢化により要介護高齢者が急増したことで、近年では全国的に介護人材が不足しています。
介護現場での同性介助が難しい大きな理由には、この介護現場の人手不足が挙げられるでしょう。
しかし近年では人手不足以外にも、同性介助が難しい理由が増えています。
介護現場での同性介助が難しい理由は、以下の通りです。
● 私生活の家事や育児により、夜勤に入れない女性職員が多い
● 既婚の介護職は私生活の家事や育児を優先するため、夜勤に入る介護職は「未婚の男性職員」に集中しやすい
● 新型コロナウイルスの影響で1日に勤務する人員数に制限がかかっている感染症対策での換気で窓を開けながらエアコンを使用するため、光熱費が跳ね上がってしまい、新しい人材を雇うほどの余裕がない
● 新型コロナウイルスの影響で介護用おむつやマスク、使い捨て手袋などの衛生用品全般の物価が上がり、新しい人材を雇うほどの余裕がない
異性介助では、利用者様が強いストレスを感じてしまったり、ストレスを我慢して認知症や精神疾患の悪化につながってしまうリスクがあります。
では、利用者様は異性介助によりどのようなストレス・不安を感じているのでしょうか。
ここでは、利用者様とご家族が異性介助に対して感じている不安について紹介します。
異性介助で感じた怖さやストレス・不安など、「どうせ言っても分かってもらえない」と心に閉じ込めてしまう女性利用者様は少なくありません。
また、脳血管障害の後遺症である失語症や構音障害により、辛いと思っていてもその場で思いを口にできない女性利用者様もいます。
ご家族には、利用者様の過去の様子を知っているからこその不安・心配があります。
特に、昔から男性への苦手意識が強かったという女性利用者様の場合、異性介助へのストレスが大きいのではとご家族の心配が絶えません。
人手不足の介護現場でも同性介助が行えるよう、多くの介護施設では課題を見い出し、解決策を講じています。
解決策を講じたとしても、実行に移した際に「現実的に無理がある」と判断され、同性介助の継続的な実行ができていない介護施設が多いことも現状です。
以下では、介護現場で今後行うべき同性介助の課題を3つ解説します。
介護現場では介護職の性別を問わず、人員配置基準ギリギリの人数で介護業務を行います。
そのような人手不足の介護現場で同性介助を行うには、介護職の業務分担を細分化することがポイント。
例えば入浴介助では、女性職員が女性利用者様の脱衣・洗身・着衣の介助を行い、男性職員が髪を乾かす・居室誘導・水分補給の介助を行うというように業務を分担します。
また、トイレ介助では男性職員が女性利用者様を抱え上げ、女性職員が陰部洗浄や清拭を行うという方法で、利用者様のプライバシーを配慮することが可能です。
「女性職員が男性利用者様から、不快に感じる性的発言を受けた」
「男性職員が女性利用者様に性的な嫌がらせをした」
こういったセクハラ問題を撲滅するには、施設側の対応を徹底することが重要です。
● セクハラが起きてしまった場合の対応をマニュアル化しておき、上司が職員や利用者様からの相談に真摯に対応する。
● 日頃からセクハラ防止に関する呼びかけを行い、職員全体に注意勧告しておく
こういった取り組みで、異性介助でのセクハラ問題を減らすことができます。
同性介助を継続的に行うには、介護現場の人員数を増やすことに限ります。
求人情報を掲載し、性別や年齢問わず、介護職の募集を行う必要があるでしょう。
また介護職の募集を行うには、施設側が大勢の人材に人件費を支払えるほど、経営を安定させることも重要です。
>>>あわせて読みたい「【採用担当者向け】介護職員の採用が難しい理由と採用のコツとは」
同性介助は介護の基本ですが、多くの介護現場では異性介助が多いのが現状です。
しかし異性介助では、利用者様に羞恥心や屈辱感などのストレスを与えてしまい、利用者様が抱える認知症や精神疾患の症状が悪化するリスクがあります。
人手不足の介護現場でも同性介助が行えるよう、本記事を参考に職員間で改善点について話し合ってみましょう。
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