お役立ち情報
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「観察してっていわれるけど、どうやって、なにを見ればいいんだろう?」このような悩みをかかえる介護士は多いのではないでしょうか。この記事では、介護士が利用者様を観察する際のポイントを5つ解説。観察の知識をマスターすれば、利用者様の異変にすぐ気づけます。頼りになる介護士には必須のスキルですので、しっかりと身につけましょう。
介護の世界では、観察という言葉が日常的に使われます。
では介護士が行う観察とは、どのようなものを指すのでしょうか。
介護士が観察するものは大きくわけて次の2つ。
観察といわれると、体調ばかりに目が行きがちですが、人間関係も重要な観察項目です。
異変を感じた場合、体調不良はもちろんですが、利用者様同士の関係、あるいは職員との関係が原因ということもあるでしょう。
そのため、広い視点での観察が求められます。
観察とは、ものごとを客観的に見ることです。
介護士の観察も同じ。
起こった事実を、いかに客観的に捉えられるかが重要なポイントです。
【客観性のある観察】
●利用者A様は、食事を嫌がり食べなかった。
【客観性のない観察】
●利用者A様は、不機嫌なため、食事を食べなかった。
上記の場合、嫌がった・食べなかったということは、事実として見れます。
しかし、不機嫌という判断は、介護士の主観によるもの。
利用者様の感情や体調を、介護士の想像で決めることはできません。
誤った判断により、その後も不適切な対応をする可能性があるため、観察には主観をもち込まないという意識が必要です。
特に利用者様とのお付き合いが長いと、過去の事例から思い込みが生まれやすく、感情や体調を勝手に決めつけてしまう恐れがあるため、注意しましょう。
観察によって得られた情報は、今後の介助に活かせます。
【事例:利用者A様は食事を嫌がり食べなかった】
上記のような状況であれば、利用者様本人や周辺環境などを観察します。
【観察の例】
●体調は普段と変わりないか
●食事前にトラブルがなかったか
●周辺にいる利用者様の様子はどうか
●排泄の様子や排泄物の形状・色はどうか
観察によって得られた情報から原因についての仮説を立て、その仮説に対して対応できます。
また、仮説検証のループを回すことで、利用者様の本来のニーズに気づけることも。
思いを汲み取ってもらえることで、利用者様は安心して生活できるでしょう。
観察するには、身体の基礎知識を身につけましょう。
医学的な視点から、より客観性のある観察ができます。
特に、高齢者の身体的老化や認知症の症状などの知識があれば、現場で素早い判断をしたり、仮説検証する際に役立つでしょう。
また、利用者様一人ひとりの情報も、観察には欠かせません。
例えば、同じ年齢でも、血圧の平均は人によって異なります。
利用者様ごとの普段の体調を知ることで、バイタルの異変や顔色の変化を敏感に察知できるでしょう。
現場で利用者様を観察するには、どのようなことをチェックする必要があるのでしょうか。
押さえるべきポイントを、5つ解説します。
状況によって使い分けたり、合わせて確認するようにしましょう。
利用者様が体調不良と思われる場合は、バイタルチェックしましょう。
バイタルサインの測定により、身体の異常をより早く見つけられます。
【チェックするバイタルサイン】
●体温
●血圧
●脈拍
●呼吸
●意識レベル
この際、平常時の数値がわからなければ、異常値かどうかがわかりません。
普段の血圧、平熱などのデータが、すぐにわかるようにしておきましょう。
また、測定の際には、利用者様がリラックスした状態で行うのが望ましいです。
利用者様の姿勢や室温などに気を配りながら、バイタルチェックしましょう。
血圧計やパルスオキシメーターなど、測定機器の取り扱いにも慣れておく必要があります。
>>>あわせて読みたい「介護士がバイタルサインを測定するときの方法・注目点とは?」
食事中の様子や食事摂取量も、観察すべきポイントです。
●食べるスピードはどうか
●食事を残していないか
●むせていないか
例えばむせることが多い場合は、食事形態の見直しやリハビリを検討する必要も出てくるでしょう。
より早く気づくことで、利用者様の機能維持・向上に貢献できます。
また、食事摂取量を観察する際は、摂取量を数字にして記録しましょう。
食べた量が、客観的にわかるように記録をつけることで、正確な情報共有が可能です。
利用者様が極端に食事を残している場合は、その後の様子もよく観察してみましょう。
排泄の様子や間隔、排泄物から異変を早期発見しましょう。
排泄物の色・形状は普段と変わりないかをチェック。
気になる様子があれば、顔色の確認やバイタルチェックを行い、職員に情報共有します。
また、明らかな異変があれば、ただちに看護師に知らせましょう。
異変に気づいたあとの対応も重要です。
例えば、下痢が続いている場合は、一時的に食事形態を変更するケースもあります。
迅速な対応で、体調の早期回復につなげましょう。
利用者様の顔色や表情、声色が普段と違う場合も、体調不良を疑う材料となります。
●顔色が青白い
●表情が暗い
●声がかすれている
上記のような場合、体調不良や精神的な不調のサインかもしれません。
普段と比べて違和感があると感じたら、利用者様本人に体調を聞いたり、バイタルチェックしてみましょう。
サインを見逃すと体調悪化が進んでしまうため、気になることがあれば注意深く観察を行ってください。
利用者様ごとに生活パターン・リズムがあるものです。
普段と異なる様子がないか、観察しましょう。
心身に不調がある場合、次のようなケースが考えられます。
●普段よりも起床時間が遅い
●いつも参加しているレクに出たがらない
●入浴したがらない
おかしいと感じたら、顔色・表情を確認し、必要と判断すればバイタルチェックも行います。
また、精神的な問題の可能性もあります。
他の利用者様と関わる様子も、観察してみましょう。
「よく見ているつもりでも、異変があるのかどうかイマイチわからない。」このように、判断が難しいケースもあるでしょう。
困ったときや、利用者様の様子がちょっと気になるという場合は、まわりの職員に相談してみるのがおすすめです。
複数人で多角的に観察ができるため、異変を早期発見できるでしょう。
また、利用者様の情報シートも貴重な情報源です。
過去の既往歴やトラブルをチェックすることで、かかりやすい疾病や気をつけるべき人間関係などがわかります。
観察後の仮説検証にも欠かせないデータですので、必ず目を通しておきましょう。
介護士の観察は、体調だけでなく、人間関係なども注意深く見る必要があります。
観察する項目は、バイタルや食事排泄、顔色などがありますが、状況に応じて使い分けることで素早い初期対応や体調管理ができます。
観察の要点を押さえて、利用者にとって頼りになる介護士を目指しましょう。
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