お役立ち情報
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認知症介護基礎研修とは、認知症の専門知識がない介護職員を対象とした研修です。認知症高齢者の介護に欠かすことができない基礎知識が習得できます。2024年からは介護職員に対し、認知症介護基礎研修の受講が義務化する方針です。本記事では、認知症介護基礎研修の内容や研修の義務化について詳しく解説します。
■目次
認知症介護基礎研修とは、認知症の知識がない介護職を対象とした、認知症の基礎知識を身につけるための研修です。
介護職は無資格・未経験でも仕事を始めることができるため、認知症の知識を持たずに認知症の利用者の介護をしている方も少なくありません。
認知症介護基礎研修は、認知症に関する知識がない介護職が認知症の基礎知識を学び、適切な認知症ケアを実践できるようになることを目的としています。
認知症に関する研修は、この認知症介護基礎研修が新設される前の2001年からありました。
「認知症介護実践者研修→実践リーダー研修→指導者養成研修」という順で、認知症介護に関する知識を段階的に習得するという形式です。
しかし、1番初めに受講する「認知症介護実践者研修」の受講要件は、2年以上の認知症介護の経験が必須でした。
認知症の知識を有していない介護職でも、気軽に認知症の基礎知識を学ぶことができる研修として、2014年に認知症介護基礎研修が創設されたのです。
認知症介護基礎研修では、具体的にどのような流れ・カリキュラム内容で認知症の基礎研修を身につけるのでしょうか。
また、研修の受講対象者には、どのような要件があるのでしょうか。
ここでは、認知症介護基礎研修の受講対象者やカリキュラム内容についてご紹介します。
認知症介護基礎研修の受講対象者は、認知症介護に携わる介護職であることです。
それ以外の要件は特に定められておらず、保有資格や勤務年数、所属する介護事業所の種別など問わず、介護職であれば誰でも受講できます。
認知症介護基礎研修には、講義と演習があり、1日(約6時間)で全科目が修了できます。
研修の具体的なカリキュラム内容は、以下の通りです。
カリキュラム | 詳細内容 |
---|---|
オリエンテーション | 認知症の人を取り巻く現状について |
講義 | 「認知症の人の理解と対応の基本」について ①認知症の定義と原因疾患 ②認知症の中核症状と行動・心理症状の理解 ③認知症ケアにおいて基礎となる理念や考え方 ④認知症ケアの基礎技術 |
演習 | 「認知症ケアの実践上の留意点」について ①認知症の人とのコミュニケーション集合研修 ②行動の背景を理解したケアの工夫 |
振り返り | 各自介護施設の状況や自身のこれまでのケアの振り返り |
無資格者・認知症介護未経験者向けのため、基礎的かつ分かりやすい講義内容です。
全科目受講後、受講証明書が交付されます。
研修修了に際し、修了試験に合格する必要はありません。
参照:社会福祉法人東北福祉会 認知症介護研究・研修仙台センター|認知症介護基礎研修eラーニングの学習内容
認知症介護基礎研修の開催場所は、都道府県知事または市区町村長が指定する法人です。
開催場所や日時はお住まいの地域によって異なるため、受講希望者はお住まいの自治体の公式サイトで研修の開催場所と日時を確認する必要があります。
また、自治体によっては、研修の一部または全てをe-ラーニング方式にしている場合もあります。
e-ラーニングとは、自宅のパソコンまたはスマートフォンで講義動画を視聴できるシステム。
e-ラーニングで受講する場合、24時間いつでも受講することが可能です。
しかしe-ラーニングの場合、受講者の自宅にパソコンやスマートフォン、ネット環境が整っていることが前提条件となるため、事前に確認しておきましょう。
2021年4月の介護報酬改正に伴い、介護事業に従事する介護職は認知症介護基礎研修の受講が義務化されることとなりました。
しかし、2021年4月~2024年3月までの3年間は経過措置期間です。
経過措置期間中は、研修の受講が努力義務のため、受講していない介護職に対し、処罰が下されるということはありません。
2024年4月以降、介護事業に従事する介護職に対し、認知症介護基礎研修の受講が完全に義務化されます。
認知症介護基礎研修を受講していない介護職を雇用している介護施設・介護事業所は、行政処分の対象となります。
行政が認知症介護基礎研修の受講を義務化した理由・目的は、以下の通りです。
義務化の理由 | ■高齢化の進行に伴い、認知症高齢者の急増が予想されており、認知症介護の専門知識を持った介護職が必要となるため ■認知症高齢者には特別な配慮やケアが必要になり、不適切な対応・ケアを行うことで症状が悪化するリスクがあるため |
---|---|
義務化の目的 | ■研修の受講により、介護職の専門性を高めるため ■認知症介護の専門知識を有した介護職の増員により、介護サービス全体の質を向上させるため |
2024年4月以降、介護職の認知症介護基礎研修の受講が完全に義務化されます。
ただし、保有資格や要件によっては、研修の受講が免除されるケースも。
では、具体的にどのような要件を満たしている方が、免除されるのでしょうか。
ここでは、認知症介護基礎研修の受講が免除となるケースを2つご紹介します。
医療・介護に関する資格を保有している方は、認知症介護基礎研修の受講が免除されます。
受講免除の対象となる資格は、以下の通りです。
医療・介護関連の資格を保有していない方でも、一定の要件を満たしていれば認知症介護基礎研修の受講が免除されます。
受講免除の対象となる要件は以下の通りです。
● 「認知症介護実践者研修」「認知症介護実践リーダー研修」「認知症介護指導者研修」のいずれかを修了している者
● 福祉系高等学校で認知症に関わる科目を受講した者(資格証明書・卒業証明書・受講証明書などの証明書の提示が必要)
● 介護福祉士等養成施設で認知症に関わる科目を受講した者(資格証明書・卒業証明書・受講証明書などの証明書の提示が必要)
● 清掃員、環境整備員など、介護業務に直接携わる可能性がない者
以下の場合は受講免除の対象とならないため、認知症介護基礎研修の受講が必要です。
■ 認知症サポーター等養成講座を受講した者
■ 医療・介護関連の資格を持っていない外国人介護職
これから無資格・未経験で介護の仕事を始める方や、別業種から介護職に転職する方は、就職前に介護の資格をとるべきかと悩みがちです。
2024年4月以降、介護職の認知症介護基礎研修の受講が完全に義務化されるため、「認知症介護基礎研修さえ受ければいいか」と考える方も多いでしょう。
しかし、介護の仕事を長期的に続けていきたいと考えている方には、認知症介護基礎研修の受講以外にも、介護の資格を取得することをおすすめします。
介護業界では、「介護職員初任者研修」「介護福祉士実務者研修」「介護福祉士」など、段階的に仕事に必要な知識が身につく資格が用意されています。
無資格・未経験で介護の仕事に就いた方は、認知症介護基礎研修の受講はもちろん、働きながら段階的に資格の取得を目指していきましょう。
今後、日本では高齢化の進行に伴い、認知症高齢者の急増が見込まれています。
特に、認知症高齢者の介護を担う介護職は、認知症に関する専門的知識が必要です。
2024年4月以降、介護職の認知症介護基礎研修の受講が義務化されます。
まだ研修を受講していない方は、早めに参加することをおすすめします。
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