認知症介護実践者研修って何を学ぶの?メリットは?体験談も紹介

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認知症介護実践者研修をご存じですか?研修名だけ聞くと難しそうなイメージがありますが、介護の仕事を長く続けていると受講する機会がある研修です。この記事では、認知症介護実践者研修とは何か、研修の内容や受けるメリット、研修の体験談を紹介しています。

認知症介護実践者研修とは

認知症介護実践者研修とは、経験のある介護職員がより専門的な認知症介護を学ぶための国が定めている研修です。

認知症に関係する研修は以下の4つがあります。

1.認知症介護基礎研修
・新任の介護職員等が対象
・認知症介護に最低限必要な知識、技能を習得するための研修
2.認知症介護実践者研修
・原則身体介護に関する知識や技術を修得している概ね実務経験2年程度の介護職員が対象
・認知症介護の理念、知識及び技術を習得するための研修
3.認知症介護実践リーダー研修
・概ね5年以上の実務経験がありチー ムのリーダーになることが予定され、実践者研修を修了して1年以上経過した職員が対象
・事業所内のケアチームにおけるリーダーを養成するための研修
4.認知症指導者研修
・社会福祉士・介護福祉士等の資格を有する又はこれに準ずる職員かつ、認知症介護実践者研修を修了又はそれと同等の能力を有すると都道府県等が認めた職員・地域ケアを推進する役割を担うことが見込まれている等のいずれの要件も満たす職員が対象
・認知症介護実践研修の企画立案、介護の質の改善について指導できる者を養成するための研修

出典:厚生労働省|認知症施策推進大綱
※都道府県により受講資格が異なる場合があるため、ご自分が受講される都道府県の要綱を確認してください。

上記4つの研修の中で、認知症介護実践者研修は中堅職員向けの実践的な認知症介護を学ぶ研修だといえます。

加えてこの研修を修了しておくことで、施設が加算を取れる場合があるため積極的に利用されています。

資格ではなく研修のため試験はありませんが、介護施設に数年勤めていると受講する機会があると思われる、広く認知されている研修のひとつです。

認知症介護実践者研修の内容

今回は東京都の例で内容を紹介します。

都道府県によりカリキュラムが多少異なるため、詳細は各自でご確認ください。

【東京都の場合】

期間 6日間(2022年現在はWeb研修)+自施設での現場実習2週間
研修形態 ・講義、演習
・自施設の現場実習
内容 ・認知症の人の理解と対応
・認知症の人の家族への支援方法
・認知症ケアの基本的視点と倫理
・若年性認知症の人の理解
・認知症の人の意思決定支援と権利擁護
・認知症の人への非薬物療法とアクティビティの提供
・認知症ケアの基本的視点と理念
・認知症の人とのコミュニケーションの理解と方法
・認知症の人の生活環境づくり・地域資源の理解とケアへの活用
・アセスメントとケアの実践の基本
・認知症の人への介護の実践
・自施設における実習の課題設定
・自施設実習評価
・自分の言葉でとらえなおす認知症ケアの基本理念  など

東京都では約1ヵ月で修了する研修ですが、都道府県によっては自施設の現場実習期間を長くとり2~3ヵ月で修了するところもあります。

また研修修了者は多数いるため、勤めている施設の修了者にもアドバイスをもらいながら進めていけるでしょう。

試験はないため、講義を受けレポートや実習課題に丁寧に取り組めば研修を修了できます

認知症介護実践者研修を受けるメリット

この認知症介護実践者研修を受けるメリットは、3つあります。

根拠のある認知症ケアが提供できるようになる

認知症ケアは知識がなくても、仕事をしているうちに「この人にはこういう対応だとうまくいくな」など感覚的に分かる部分もあります。

しかし自分の経験や慣れだけで対応し続けていると、難しいケースのご利用者様に対する認知症ケアでつまづいてしまうでしょう。

認知症介護実践者研修では、認知症状に対しどういったアプローチをすれば良いか、そのための考え方なども詳しく学びます。

対応が難しいケースのご利用者様に対して行き当たりばったりではない、根拠のある認知症ケアを自身やチームで考えて提供できるようになるのです。

キャリアアップにつながる

長く介護の仕事に携わりたいのであれば、認知症介護実践者研修は受けるべき研修です。

この研修を受けておくと、認知症介護実践リーダー研修にも受講資格に該当すれば参加できます

将来的に所長や主任など管理職として働きたいと思うのであれば、認知症介護実践リーダー研修に向けてまずはこの研修を受けておきましょう。

転職の際にアピールできる

介護業界の転職の際にも、認知症介護実践者研修を修了していることは有利になります。

介護の仕事は未経験でも始められる仕事ですが、研修を受けておくことで認知症ケアの知識があることが証明できるのです。

また自分の経験をしっかり証明するものにもなるでしょう。

認知症介護実践者研修の体験談

最後に、筆者が認知症介護実践者研修を受けた際の体験談を紹介します。

研修形態や内容は都道府県により多少異なりますが、1人の体験談としてお読みください。

研修を受けるまでの経緯

筆者が認知症介護実践者研修を受講したのは2015年です。

介護の仕事に就いて3年経った際に、施設から認知症介護実践者研修の受講を勧められました

申し込みは施設から行い、受講費も施設負担です。

研修内容

講義は5~6人のグループに席が分けられており、座学とグループワークが概ね半々の割合で進められました。
講師とサポートの先生が複数いたため、グループワークの際にはアドバイスを受けたり積極的に質問や相談ができる環境になっています。

講義では毎回学んだことなどの感想をまとめるレポートを提出することになっていました。

また自施設での研修に関しては、まず講義中にご利用者様1人に焦点をあてその方の課題を設定しました。
そして自施設で情報収集やアセスメントを行い、改善するための仮説をたてて実行します。

最後に自身で評価するという流れです。

研修を受けて

専門的な研修は難易度が高いのではと構えてしまいますが、筆者の受けた研修ではグループワークが多く周囲と相談もできたこと、講師・サポートの先生方の配置が厚かったこともあり無理なく学べる印象でした。

認知症介護実践者研修を受けることによって、多角的な視点からご利用者様を分析できるようになり認知症ケアへの理解が深まります

認知症に関する知識は介護施設で働くのであれば必要になるため、受講機会があればぜひ受けていただきたい研修です。

まとめ

認知症介護実践者研修はその名の通り、実践的な認知症ケアを学べます。

自施設での実習を含め、介護現場ですぐ活かせる知識ばかりなため意欲的に参加できるでしょう。

また、専門的な知識を外部から取り入れることは自分や職場への良い刺激になりモチベーションアップにつながります。

興味のある方は各都道府県の研修要綱もしくはご自分が勤めている施設に確認してみてくださいね。
 

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