お役立ち情報
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認知症の方が不穏状態になったとき、どのような対処法があるのでしょうか。不穏の症状は多岐にわたり、その対処法に悩んでいる介護士は少なくありません。利用者様が少しでも安心して過ごせるよう、正しい対処法を学んでおくことが必要不可欠です。今回は、不穏の原因や症状の例、対処法などについて解説します。
■目次
不穏とは認知症の方に見られる症状の一つで、行動に落ち着きがなくなったり、言動が荒くなったりしている状態のことを指します。
不穏は、認知症が進行して脳の機能が低下し、上手く感情をコントロールできなくなることによって引き起こされるといわれています。
普段は大人しく穏やかな方でも、不穏状態になると急に攻撃的になることもあるため、周囲の方はその都度適切な対応を取ることが求められます。
>>>あわせて読みたい「認知症のBPSD(行動・心理症状)とは?症状や対応方法を解説」
不穏には、人によってさまざまな症状があります。
不穏の方によく見られる主な症状の例をご紹介します。
●落ち着きがなく動き回る
●暴力を振るう
●暴言を吐く
●徘徊する・脱走する
●幻覚や妄想が起こる
●支離滅裂な言動
「不穏」という言葉は非常にあいまいな表現です。
そのため、「不穏」という言葉だけでは利用者様の状態を正確に把握することができません。
「不穏」という言葉で片づけず、具体的にどのような言動が見られるのか、利用者様一人ひとりの様子をしっかりと観察し、言語化するように意識しましょう。
不穏状態は、どのような要因で引き起こされるのでしょうか。
不穏のきっかけとなる原因をご紹介します。
認知症になると脳の機能が低下し、記憶が混乱したり物事を把握したりすることが難しくなる場合が多いです。
そのような症状に対する漠然とした不安や苛立ちが、ストレスとして蓄積され、不穏の症状として現れるのです。
利用者様がどのような不安を抱えているのか、本人の気持ちに寄り添いながら共感・肯定の態度を示すようにしましょう。
認知症の症状として、夜になると活動的になり、なかなか寝付けないということがよくあります。
しかし、生活習慣や睡眠サイクルが乱れることにより、夜間の不穏の状態がより悪化してしまうというリスクがあるのです。
なるべく日中は散歩やレクリエーションなどの活動を行い、夜にしっかりと睡眠を取れるようなサイクルを作ることが大切です。
精神的・身体的な疾患により、不穏を引き起こしている場合もあります。
認知症やうつ病などの精神的疾患を持つ方は、慢性的な不安を抱えているため、不穏状態になりやすいです。
また、身体的な疾患による痛みや苦痛によるストレスが不穏の原因となることも多いです。
ステロイド系などの強い薬を服用している場合、薬の副作用の影響で不穏を引き起こしている場合もあります。
また、薬物やアルコールなどを辞めた際の離脱症状も、けいれんや意識障害、不穏などのさまざまな症状を引き起こすことがあります。
>>>あわせて読みたい「【介護士必見】認知症への正しい対応方法|よくある悩みと解決法」
利用者様が不穏状態のとき、介護士が取るべき対応を4つご紹介します。
不穏状態の方に接するときに、高圧的な態度や大きな声で話しかけると、かえって不安や恐怖心を招いてしまうためNGです。
利用者様に刺激を与えないよう、穏やかで落ち着いた態度で接するようにしましょう。
じっくりと対応することで、少しずつ気持ちが落ち着いてくることも多いです。
不穏状態のときは、理解できない発言や行動に対しても否定しないようにしましょう。
利用者様の話にしっかりと耳を傾け、どのような内容に対してもまずは共感することが大切です。
否定せず話を聞くことで、利用者様は「受け入れてもらえた」という安心感を得られます。
不穏を引き起こす原因から気を紛らわすために、違うことをしてもらうという方法もあります。
例えば、簡単な作業を手伝ってもらったり、施設内を少し一緒に歩いてみたりすると良いでしょう。
そうすることで気分転換になり、リラックスしていただきやすくなります。
介護士はどのようなときも利用者様の立場に立って物事を考えることが非常に重要です。
利用者様がどのようなことで不安を感じているのかを理解し、自分だったらどのように対応してほしいかを考えて行動するようにします。
利用者様の気持ちを汲み取ることで、次に取るべき行動やかけるべき言葉が見つかりやすくなるでしょう。
>>>あわせて読みたい「介護現場で必要な「傾聴」とは?3つの段階やポイントを解説」
不穏の原因を見つけ、その原因となる要素を改善することで、不穏そのものを落ち着かせることができます。
利用者様の不穏を少しでも軽減するために、以下の方法を試してみてください。
不穏になるということは、今の環境に不安やストレスを感じている場合が多いです。
今自分がいる場所や時間が分かりやすいよう示したり、常に誰かが近くにいるような環境を整えたりすると良いでしょう。
また、そのように整えた環境をなるべく変化させないようにすることも大切です。
周囲の環境が利用者様にとって不快な場合、それが大きなストレスになり、不穏状態になることもあります。
認知症の方は、何に対して不快感やストレスに感じているのかをうまく伝えられないことも少なくありません。
利用者様が快適に過ごせるよう、以下のような点に注意しましょう。
●部屋の温度や湿度は適切か
●照明が明るすぎたり暗すぎたりしないか
●適度にカーテンを開けて日光を入れているか
●テレビの音が大きすぎないか
体調不良により、不穏を引き起こす場合もあります。
季節の変わり目など、体調を崩しやすい時期には特に注意するようにしましょう。
また、日頃から安定した生活リズムを維持できるよう、睡眠時間や睡眠の質を管理していくことも大切です。
>>>あわせて読みたい「認知症介助士とはどんな資格?得られる知識や活躍できる職場とは」
今回は、認知症の方が不穏になる原因や不穏時の対応などについて解説しました。
利用者様に少しでも安心して過ごしていただけるよう、介護士は利用者様の様子をよく観察し、臨機応変な対応を取ることが求められます。
慣れないうちはうまく対応できないこともあるかと思いますが、正しい知識や対処法を身につけ、利用者様一人ひとりに合わせた対応ができるようにしましょう。
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