介護士の面接で質問される時事問題とは?正しい回答例を紹介

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少子高齢化が進行する日本では、介護難民や老老介護、認認介護などの介護に関する時事問題が増加傾向にあります。高齢者介護に携わる介護士は、これらの時事問題を理解しているか、採用面接で確認されることが多いです。本記事では、介護士の面接で質問される時事問題の一例や正しい回答例についてご紹介します。

時事問題とは?

時事問題とは、近年に起きた政治や経済、国際情勢、社会一般における出来事から取り上げた問題のことです。

世界中で有名な時事問題の例
・イスラエル・パレスチナの対立問題
・ロシアによるウクライナへの軍事侵攻 など

介護分野における時事問題の例
・介護難民
・老老介護
・認認介護
・介護士の人手不足 など

介護保険サービスの担い手として、介護を必要とする高齢者を支える介護士は、介護分野における時事問題を理解していることが大前提です。

そのため、介護士の採用面接では、近年のニュースや新聞などでよく見かける介護分野の時事問題を理解しているかについて確認されます。

 

介護分野における時事問題の一例

少子高齢化が進行している日本では、介護にまつわる時事問題が、ニュースや新聞などで多く取り上げられています。

これらの時事問題は、介護士の採用面接で問われることが多いです。

そのため、これから介護の仕事を始める方は、介護分野の時事問題を事前に調べておくことが大切です。

ここからは、介護分野における時事問題の一例を5つご紹介します。

 

介護における2025年問題

日本では終戦直後の1947年〜1949年に、第一次ベビーブームと呼ばれる、戦争によって失われた人口を取り戻すために一時的に出生率が急上昇するという現象が起こりました。

第一次ベビーブームによって生まれた現在の後期高齢者(75歳以上)を団塊世代と呼び、その人数は現在の年少人口や生産年齢人口を上回っています。

総務省統計局が2022年9月に推計した高齢者の人口は、総人口が減少する中で、団塊世代を含む高齢者人口が3627万人と、過去最多の記録が報告されています。

同時に、高齢者人口が総人口に占める割合も、29.1%と過去最多を記録しました。
参照:総務省統計局|高齢者の人口(2022年9月15日推計)

日本では、現在も75歳以上の後期高齢者が増え続けており、介護従事者や医療従事者の負担が増えることが懸念されています。

 

介護難民

1992年、内閣府が公表した国民生活白書で、少子化という言葉が初めて使われました。

新生児の出生率が低下している一方で、日本の医療技術の向上により、高齢者の平均寿命は伸び続けています

現在の日本は、総人口に占める高齢者人口の割合が29.1%と、過去最多を記録しています。

超高齢化社会といわれている日本は、少子高齢化の世界ランキングで現在1位です。

そのため日本では、介護を必要とする高齢者を支える介護士や家族介護者の数が不足し、適切な介護を受けられない介護難民が増加しています。

 

老老介護・認認介護

少子高齢化が進む日本では、介護が必要になったものの、キーパーソン(主な介護者)となる子どもや孫がいない、高齢夫婦のみの世帯が増えています。

そのため、高齢者の配偶者などが高齢者を介護する老老介護や、認知症の配偶者などが認知症の高齢者を介護する認認介護が問題となっています。

老老介護や認認介護は、早期に介護サービスに切り替えることが大切です。

しかし、介護サービスの利用方法が分からないまま、在宅介護を続けている世帯が多いことが現状です。

 

介護人材の不足問題

日本は高齢化とともに、少子化の進行が問題となっています。

少子化が進行すると、社会全体の労働人口が減少するだけではなく、介護を必要とする高齢者を支える介護人材も不足します。

また、介護の仕事は大変そう、きつそうといったイメージがあるため、人材確保が難しいことが現状です。
>>>あわせて読みたい「介護職が人手不足といわれるのは何故?現状や理由、解消方法」

 

ヤングケアラー問題

ヤングケアラーとは、介護を必要とする親や祖父母などの介護を負担している、18歳未満の児童のことを指します。

ヤングケアラー問題では、介護により、児童が学校教育を受ける機会を制限されるケースが多いです。

そのため、社会全体で改善に向けて取り組むべき問題だと考えられています。

介護士の面接で質問される時事問題への回答例

採用面接では「自己紹介をお願いします」や「介護の仕事を志望した理由を教えてください」などの、基本的な質問をされるイメージが強くあります。

特に介護業界での面接対策では、介護の仕事への強い熱意をアピールするために、志望動機や自己PRに力を入れる方が多いのではないでしょうか。

しかし、予想していなかった時事問題に関する質問を受けて、面接当日に焦ってしまうケースも多くあります。

ここからは、介護士の採用面接で質問される時事問題への回答例を2つご紹介します。

 

指定がある時事問題の質問

指定がある時事問題の質問とは、近年起きた介護分野に関するニュースや、新聞記事を題材にした質問です。

「昨年、介護殺人のニュースが話題になりましたが、虐待についてどう思いますか?」というように、近年に起きたニュースから、応募者の介護観が問われます。

特に、虐待や介護殺人に関する質問では、「ひどい」「被害者がかわいそう」などの主観のみの回答は好ましくありません。

客観的な視点で、自分自身の介護に対する考えを伝えることが大切です。

【回答例】
「虐待や介護殺人は絶対にしてはいけないことだと思います。仕事での疲れが溜まった時は、利用者様に怒りの矛先を向けるのではなく、休日にしっかりとストレス発散やリフレッシュをするべきだと思いました」

指定がない時事問題の質問

指定がない時事問題の質問とは、「最近の介護系ニュースで気になったものはありますか?」という、自由回答の質問です。

応募者が日頃から、介護分野のニュースに関心を持っているかを確認するために行われます。臨機応変に、自分自身の考えを伝えることが大切です。 

【回答例】
「先月起きた震災で、被災地の介護施設に大きな影響が及んだことが印象に残っています。御社に採用していただけましたら、その時には、日頃から災害時のマニュアルを熟読し、もしもの時にスムーズな対応を行えるようにしたいと思いました」

時事問題への回答で注意すべきポイント

採用面接で時事問題の質問をすることには、応募者の介護分野に関する興味・関心の強さを確認するという目的があります。

そのため、不適切な回答は応募者の印象を悪くする可能性があり、注意が必要です。時事問題への回答では、以下の3つのポイントに注意しましょう。

・長々と話さない
・第三者目線で客観的に回答する
・ネガティブな内容(虐待や介護殺人など)は、解決に向けた考えも併せて伝える

虐待や介護殺人などのネガティブな内容の時事問題には、その問題を起こさないためにはどうすれば良いか、解決に向けた考えも伝えることが重要です。

また、時事問題について長々と語ってしまうことがないよう、結論から伝え、短く端的にまとめるようにしましょう。
>>>あわせて読みたい「介護士の面接対策!押さえておきたい6つのよくある質問と回答例」

 

まとめ

少子高齢化や介護人災の不足など、さまざまな問題をかかえている現代の介護業界。

介護士の採用面接では、介護分野の時事問題に対する応募者の考えが問われます。

日頃からニュースや新聞を見ることで、急な問題にも臨機応変に対応できます。

これから介護の仕事を始める方は、時事問題の面接対策も忘れずに行いましょう。

筆者プロフィール
りんか
保有資格:介護職員初任者研修/介護福祉士
経歴:福祉系高等学校にて介護福祉士の資格を取得後、特別養護老人ホームと訪問介護事業所に各2年勤務。高齢者グループホーム・デイサービス・障がい者支援センターでの実習・ボランティアの経験と介護事務の経験もあり。現在は介護福祉士Webライターとして活動中。
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