介護職が人手不足といわれるのは何故?現状や理由、解消方法

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介護職は慢性的に人手不足であるといわれています。しかし人手不足だといわれることには、どのような現状と理由があるのでしょうか。今回は、介護業界が人手不足である理由と人手不足を解消するために取り組むべきことについて解説します。

介護業界はなぜ人手不足?

介護業界がなぜ人手不足だといわれているのか、現状と理由について解説します。

非正規職員への依存

現在の介護施設や訪問介護では、非正規の職員に大きく依存しているパターンが多いです。

厚生労働省の報告によると、施設で勤務する介護職員のうち57%が正規職員であるのに対し、およそ半数にのぼる41.5%は非正規職員であるということが報告されています。

また訪問介護に関しては、正規職員がわずか16.8%であり非正規職員は80.3%という結果に。

非正規職員は所定労働時間が正規職員よりも短く、離職率も正規職員より高くなるため、非正規職員へ依存している状況では職員のリソースが不安定になってしまいます。

出典:厚生労働省|介護人材の確保について

離職率が高い

介護業界は、離職率の高さも問題視されています。

公益財団法人 介護労働安定センターの調査によると、介護職を離職した人の中で勤続年数が3年以上だった割合はわずか35.8%と報告されています。

つまり64.2%の介護士が入職から3年以内に離職しているということになるのです。

出典:公益財団法人 介護労働安定センター|令和2年度「介護労働実態調査」結果の概要について

「3K」のイメージ

介護職は「3K」と呼ばれ、「きつい・危険・汚い」というネガティブなイメージで考えられることが多いことは否めません。

体力仕事であることや命を預かる危険な仕事であること、利用者様の排泄物・嘔吐物を処理するなどの業務のイメージがどうしても強く、介護職を敬遠されてしまうのです。

体力を使う

介護職は利用者様の体を持ち上げたり体重を支えるなど、体力を必要とする業務を多く行います。

他にも入浴介助や送迎業務、夜通し施設で対応にあたる夜勤など、体力がないと難しい業務が多いことも事実。

年齢を重ねるごとに体力に自信がなくなり、介護職を退職してしまう人も少なくありません

給与や待遇の低さ

厚生労働省の調査によると、介護職の平均給与は25万2,300円であり平均年収は約360万円になる計算です。

一方で国税庁の調査では、資本金2,000万円未満の株式会社における平均年収は425万円であることから、介護職の給料水準は低いということが分かります。

このように業務内容が激務であることに比べ、給与や待遇が好条件ではないという点も課題点として挙げられています。

出典:厚生労働省|令和2年賃金構造基本統計調査
   国税庁|企業規模別の平均給与

介護を必要とする人の増加

高齢者の人口増加や介護サービスの需要の増加に対し、介護職員の確保が間に合っていないということも人手不足の原因のひとつに挙げられます。

介護人材は2025年には253万人必要と推計されていますが、供給見込みは215.2万人と、およそ37.7万人のギャップがあるともいわれています。

出典:厚生労働省|介護人材の確保について

介護業界の人手不足を解消するには

介護業界の人手不足を解消するには、どのような取り組みが必要なのでしょうか。

職場環境の改善

介護労働安定センターの報告によると、介護士が退職する理由で最も多かった事項が「結婚、出産・育児」であり、次いで「法人・事業所の理念や運営のあり方に不満があった」、3つめに「職場の人間関係に問題があった」という結果になりました。

このことから、施設内での産休育休制度の設置・取得の推進や、職員に対する職場関係のケアが必要であることが分かります。

職場関係を改善することで、優秀な職員の流出を防ぐことにつながるでしょう。

出典:介護労働安定センター|令和元年度 介護労働実態調査

介護職のイメージアップ

「介護職はきつい・危険・汚い」といったイメージを払拭することも、業界全体の課題として挙げられています。

内閣府による介護職に対するイメージ調査では、「夜勤などがあり、きつい仕事」「給与水準が低い仕事」「将来に不安がある」といった意見が多くみられました。

一方で「社会的に意義のある仕事」「やりがいのある仕事」という意見も多数あり、介護職のイメージは必ずしも全て悪いというわけではないようです。

出典:内閣府|介護保険制度に関する世論調査

ICTや介護ロボの導入

介護の現場にICTや介護ロボのような最先端技術を取り入れることで、介護士への負担が軽減し、離職の防止や若い介護士の雇用につながります。

ただでさえ業務が多く体力も使用する介護士業務では、ICTや介護ロボの導入で業務効率の向上や介護事故の防止にもつながるでしょう。

>>>あわせて読みたい「介護現場のICT化でどうなる?導入のメリットやポイントを解説」

給与水準のアップ

介護業界では、給与の水準をアップする必要性も訴求されています。

2022年2月より介護士や保育士などの特定の職種を対象とした処遇改善手当が支給されるなど、賃上げに向けた取り組みが行われていますが、今後の動向にも要注目です。

外国人人材の採用

国内での介護士の人手不足をカバーするために、外国人介護士の受け入れが広く行われています。

特定技能生などがその対象であり、一定の条件のもとで介護施設で働くことができます。

今後の国内での介護人材の不足が懸念されているなかで、外国人人材の採用は大きなキーを握るでしょう。

>>>あわせて読みたい「介護業界の救世主!?外国人介護士受入の仕組みや指導方法とは」

まとめ

介護業界の人手不足には、さまざまな現状と理由があります。

人手不足を解消するためには、新たな政策などを待つ前に、まず施設内でできることも。

介護士が心地よく働けるような社会をつくるために、一人ひとりが工夫してみましょう。
 

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