お役立ち情報
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介護施設では、利用者様が健康に過ごすために衛生管理や感染症対策に力を入れて取り組んでいます。具体的には、どのような対策を行うことで利用者様が安全に過ごすことができるのでしょうか。本記事では、介護施設で実際に行われている「衛生管理」と「感染症対策」についてご紹介します。
■目次
介護施設では、利用者様や介護士が感染症にかかることなく安心して過ごせるよう「衛生管理」「感染症対策」を徹底して行う必要があります。
介護施設で行う安全衛生管理について、厚生労働省では以下のように発表しています。
●安全衛生管理を的確に進めるためには、事業所において適切な「衛生管理体制」を確立し、自主的な安全衛生管理を推進することが必要
●労働安全衛生法では、事業所の規模に応じた安全衛生管理体制の整備を求めている
●常時使用労働者数50人以上の事業所では「衛生管理者・産業医を選任すること」と、事業所の労働衛生に関して、労働使用者の代表が調査審議し、事業所に意見を述べるための「衛生委員会を設けること」が義務付けられている
●10人以上50人未満の事業所では、「衛生推進者」を選任することが義務付けられている
介護施設・介護事業所では、厚生労働省が定めている運営基準に沿って、衛生管理や感染症対策を行うことが義務付けられています。
そのため、行政職員が介護施設を訪問する実地指導や監査で基準に満たないと判断された場合、運営停止などの処罰を下される可能性があります。
介護施設の衛生管理・感染症対策は、公正な介護サービスの提供を行うために欠かせない遵守事項なのです。
>>>あわせて読みたい「【介護職員必見】介護施設でできる感染症対策は?主な感染症は?」
介護現場では具体的にどのような衛生管理・感染症対策を行っているのでしょうか。
ここからは、介護現場で行われている衛生管理・感染症対策の具体的な内容を3つご紹介します。
介護施設では、衛生管理・感染症対策として「1介助1手洗い」が推奨されています。
「1介助1手洗い」とは、1人の利用者様のおむつ交換を終えた後や、1人の利用者様の食事介助を終えた後など、1つの介助を終えたタイミングで都度手洗いを行うことです。
特に、使い捨て手袋を履いて行う排泄介助や入浴介助では、手袋を交換するのみで、手を洗わない介護士が意外と多くいます。
介助を1つするごとに石けんで手を洗い、消毒するようにしましょう。
介護士が介護業務に集中できるよう、施設内の清掃を外部業者に委託している介護施設が多くあります。
しかし、外部業者への委託では「数日に1回程度」や「1日1回、朝のみの数時間程度」など、汚れやすい部分を頻繁に清掃することができません。
手すりやドアノブなどの汚れや雑菌が付着しやすい部分を中心に、こまめに施設内の清掃を行うことが重要です。
インフルエンザや新型コロナウイルスなどの感染症対策として、一時的な面会制限を設けている介護施設が多くあります。
しかし、いくら面会制限をして外部からの感染症対策を徹底していても、介護士が体調不良の状態で働いていては本末転倒です。
面会制限を設ける前に、介護士の体調管理に力を入れることが非常に重要です。
>>>あわせて読みたい「介護士が風邪を引いたら無理せず休むべき理由|欠勤時の注意点」
実際の介護現場では、誤った衛生管理・感染症対策を「これが正しい方法だ」と思い込んで取り組んでいるケースもあります。
ここからは、介護施設で行われている誤った衛生管理・感染症対策の一例を3つご紹介します。
介護士が感染症対策として行う手洗いの方法を、「固形石けんを十分に泡立て、爪ブラシを使って手洗いすること」と決めている介護施設がありました。
しかし、複数の介護士が繰り返し手をこする固形石けんよりも、液体石けんの方が衛生的であることが事実です。
施設運営者の独断と偏見ではなく、客観的な事実を取り入れることが重要だといえるでしょう。
介護士が仕事を行ううえで欠かせない、手洗いと手指消毒。
利用者様のおむつ交換をして、手洗いと手指消毒をした後、汚れたおむつが入ったゴミ袋を素手で掴んで、次の利用者様のおむつ交換に入っている介護士がいました。
業務の効率化を優先するあまり、不衛生な状態で介助を行うことになってしまわないよう注意が必要です。
インフルエンザが流行する冬になると、各居室に1台ずつ、計40台を超える家庭用加湿器を並べる介護施設がありました。
施設の管理職いわく、空気が乾燥すると菌が繁殖しやすいため、湿度を上げるための対策であるとのこと。
しかし家庭用加湿器を大量に並べても、インフルエンザ以外の感染症には逆効果となってしまいます。
衛生管理・感染症対策には、各介護施設でマニュアルを作成する必要があります。
介護施設で作成するべき「衛生管理・感染症対策マニュアル」の一例は、以下の通りです。
優先順位 | 予防するべき内容 | 具体的な管理・予防方法 |
---|---|---|
1 | 自施設を感染源とする感染症・食中毒の発生 | ・外部指導者を招いた食事の衛生管理指導 ・職員による、施設内の清掃と消毒等の衛生管理 |
2 | 介護・医療的ケアによる感染症の発生・まん延 | ・職員の「1介助1手洗い」の実施 ・正しい手袋の着用方法と手洗い方法の指導 |
3 | 外部関係者の侵入による感染症・食中毒の発生 | ・感染症に罹患した利用者様の面会制限の実施 ・マスク、手洗い、うがいによる二次感染の防止 |
各介護施設では、正しい衛生管理や感染症対策の方法を職員全体に共有するために、衛生管理・感染症対策に関する職員研修を実施しています。
ここからは、介護現場で行われている衛生管理・感染症対策に関する職員研修の一例を3つご紹介します。
介護施設の衛生管理・感染症予防では、標準予防策(スタンダードプリコーション)の考えに沿って感染症を予防することが重要になります。
標準予防策(スタンダードプリコーション)とは、感染症の有無に関わらず、すべての人の血液・体液・汗を除く分泌物・排泄物などに感染の可能性があるとみなして対応する方法です。
ほかにも、感染症が生じたときの対応方法や、「病原体を持ち込まない・持ち出さない・広げない」という3つの基本を心得て介護業務を行うことが重要であることを学びます。
手の汚れは目に見えるものだけでなく、細菌や病原体などの目に見えない汚れもあります。
ただ適当に手を洗ったり、アルコール消毒液を散布したりするだけでは、目に見えない汚れを着実に落とすことができません。
介護業務を行ううえで日常的に実施する「手洗い」や「手指消毒」の正しい手順を理解することが大切です。
また、感染症を患っている利用者様の介助を行う際に、欠かすことができない防護服の着脱方法や適切な使用方法を学びます。
感染症は、利用者様と直接関わることで感染する「接触感染」と「飛沫感染」だけで広がるわけではありません。
利用者様と直接関わっていない場合でも、換気を怠ることで感染が広がる「空気感染」には、特に注意が必要です。
空気感染予防の一環として、細菌や汚れの広がりを最小限に抑えながらシーツ交換をしたり、施設内の清掃を行ったりする方法について学びます。
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介護士の衛生管理・感染症対策は、勤め先の介護施設・介護事業所が作成しているマニュアルに沿って行うことが一般的です。
しかし、介護施設が誤った衛生管理・感染症対策の方法を推奨している可能性もあります。
外部の研修にも積極的に参加し、正しい知識を身につけることを心がけましょう。
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