お役立ち情報
お役立ち情報
高温多湿になる梅雨の時期は、高齢者介護施設においてさまざまなリスクが発生します。例えば濡れた床での転倒や、蒸れによる肌トラブルなど。他にも梅雨の時期ならではのリスクが多数あるのです。そこで今回は、梅雨の時期に高齢者介護施設で気を付けたいことについてまとめました。
年間を通して雨量が増える梅雨。
地域によりますが、6月中旬から7月初旬にかけて雨の降る日が続きます。
実は梅雨には2種類あり、その年によってタイプが変わります。
どちらにせよじめじめと湿度の高い日が多く、雨が降っているときと晴れているときの寒暖差も大きくなりがち。
そのため蒸し暑く不快さを感じるだけでなく、体調を崩してしまう方も少なくありません。
高齢の利用者様が集まる介護施設では、このような特徴的な気候が続く梅雨シーズンに気を付けたいことがたくさんあります。
本記事を参考に、健康的に梅雨シーズンを乗り越えましょう。
梅雨シーズンに高齢者介護施設で気を付けたいことについて、8つ解説します。
雨で濡れた床は滑りやすく、転倒事故のリスクが高くなります。
手すりを掴んでいても足元が滑ることがあるため、利用者様が通行する場合はいつも以上に厳重な介助が必要でしょう。
特に玄関付近や廊下など、多くの人が濡れた靴のまま出入りする場所には要注意です。
>>>あわせて読みたい「介護施設で多い転倒事故…起こる原因や介護士ができる対策は?」
梅雨の時期は湿度が高く、皮膚が蒸れてトラブルを起こしやすくなります。
オムツかぶれなど汗によるかぶれ、肌がじめじめし摩擦係数が上がることによる床ずれなどに注意しましょう。
また蒸れによりカビ菌が繁殖しやすくなるため、水虫やカンジダなどの感染症にも要注意です。
>>>あわせて読みたい「介護士が気を付けたい高齢者の皮膚トラブル…スキンケア方法は?」
湿度と気温が高くなる梅雨シーズンは食材が傷みやすいため、食中毒のリスクも高くなります。
また食中毒を引き起こす細菌は高温多湿の環境を好むことから、食品や調理器具に細菌が繁殖してしまうことも。
食品は冷蔵庫などで適切に保管し、加熱調理時はしっかりと中まで加熱しましょう。
調理器具はこまめに消毒することが大切です。
ダニは湿度70%以上、カビは湿度65%以上でいずれも20〜25度の環境を好むといわれており、梅雨の時期に活動が活発になります。
こういったダニやカビのフン・死骸は、アレルギー症状を引き起こす原因に。
ダニが繁殖しやすい布団やシーツなどはこまめに洗い、カビが発生しやすい水回りは換気を徹底しましょう。
参照:DAIKINストリーマ研究所|カビとダニによるアレルギー。その原因が空気中に漂っている!?
>>>あわせて読みたい「ダニから感染する疥癬ってどんな病気?介護施設での予防方法は?」
人間は体温が上がると汗をかき体温調整を行いますが、梅雨のような湿度が高い環境では、体温が上がっても汗をかきにくくなります。
その結果体温の調整ができず普段より多くの水分が奪われ、脱水状態に陥りやすいのです。
高齢者の脱水症は危険な状態で、命にかかわることもあります。
湿度が高くてもこまめに水分補給を促す、水分量の多いおやつを提供するなど、脱水症にならないための工夫を行いましょう。
>>>あわせて読みたい「高齢者が気を付けたい脱水症とは?症状や介護現場でやるべき対策」
梅雨の時期は大気が低気圧配置になり、気圧の低い日々が続きます。
気圧が低いと体が調整するために副交感神経が優位になり、その結果自律神経が乱れ体調不良を引き起こしてしまうのです。
低気圧による体調不良には、主に以下のような特徴がみられます。
低気圧による体の不調は、高齢の利用者様のADL(日常生活動作)低下につながるおそれも。
梅雨の時期は睡眠や休息をしっかり取るようにしましょう。
>>>あわせて読みたい「IADLとADLの違いとは?具体的な評価方法やポイントを解説」
湿度も気温も高くなる梅雨の時期は、部屋が蒸し暑くなることからエアコンを使用する場合もあります。
エアコンで急激に体を冷やすと、血行不良が起き体調不良の原因になりやすいため、温度設定や使用する時間には気を付けるようにしましょう。
冷房でなくてもドライや送風にすることで涼しくなることもあります。
利用者様の様子を見ながら、適切にエアコンを使用するようにしましょう。
雨の日が続くと外出が億劫になり、だんだん通所型介護施設の利用から遠のいてしまう方もいます。
施設利用の頻度はご家族や本人の意向が優先ですが、万が一「雨が降っているから」と施設離れしてしまっている場合は、来ていただくように積極的に声かけしてみましょう。
雨の日に外出せず家にばかりいると運動不足の原因になり、フレイルが進行し要介護度が上がってしまう原因にも。
利用者様の健康のためにも、梅雨の時期こそ施設の利用を促してみましょう。
>>>あわせて読みたい「フレイルとは?基準やチェックリスト、原因、予防法について解説」
梅雨シーズンも利用者様に安全に過ごしていただくためには、職員による安全管理が必要です。
以下のような取り組みで、梅雨シーズンの介護施設を安全に保ちましょう。
蒸れによる皮膚トラブルやダニ・カビの発生、食中毒などは、湿度を下げることでリスクを押さえることができます。
湿度はだいたい50%以下になるように、除湿器などを用いて管理しましょう。
また除湿器や換気扇はこまめに掃除し、ダニやカビの繁殖を防ぐことも大切です。
転倒やかぶれなどを防ぐには、施設内を乾燥させることもポイント。
床は濡れるたびにモップで拭き取り、濡れた靴のまま施設内に入らないよう入口に吸水マットを敷きます。
布団・シーツ・枕カバーはこまめに取り替えることが理想ですが、悪天候で干せない、寝たきりでこまめな取り換えが難しいこともあるでしょう。
そういった場合は布団乾燥機がおすすめです。
梅雨の時期は細菌性の食中毒が起こりやすいため、食品の取り扱いには十分に気を付けましょう。
高温多湿の場所に保管せず、冷凍庫や冷蔵庫、涼しい場所に管理することを徹底します。
また料理はすぐ傷んでしまうためなるべく作り置きを避け、余った場合は冷凍保存するようにしましょう。
雨の日が続くと外出の機会が減り、運動不足になってしまいがち。
運動不足になると心身の健康の低下やフレイルの進行につながるおそれがあるため、レクやイベントで適度な運動を取り入れるようにしましょう。
適度な運動を行いストレスを発散することで、気分が沈みがちな梅雨シーズンも楽しく乗り越えることができるでしょう。
>>>あわせて読みたい「【6月のレク】介護施設におすすめ!高齢者向け6月のレクを紹介」
梅雨は高温多湿な気候がゆえに、介護施設においてさまざまなリスクが懸念されます。
まずは施設内の湿度を下げ、蒸れやダニ・カビの発生を防ぎましょう。
他にも濡れた床の掃除や食品の取り扱いなど、普段よりも慎重に行う必要があります。
本記事を参考に、梅雨シーズンの介護施設も安全に保ちましょう。
【介護求人ラボ】では専門のアドバイザーがあなたの希望に合った求人をご提案いたします。職場選びに迷った際はぜひ【介護求人ラボ】へご相談ください!入職までしっかりとサポートさせていただきます。
介護求人ラボ+(介護求人ラボ プラス)は、介護系管理職(管理者・施設長)限定のハイキャリア向け転職サービス。ハイキャリア専門のアドバイザーが、次のステージに挑戦するサポートを提供いたします。「自分の市場価値が知りたい」「現状のキャリアで管理職は可能か?」などの相談からでもOK!まずはお気軽にお問い合せください。
専門のアドバイザーに
相談する