【介護職必見】虐待グレーゾーン…不適切ケアとは?実態や原因

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利用者様に正しくないケアが行われる「不適切ケア」。虐待のグレーゾーンともいわれており、放っておくと意図的な虐待につながる恐れもあります。不適切ケアは、虐待同様に介護現場から排除しなければいけません。今回は、不適切ケアの実態や原因、対策方法についてまとめてみました。

不適切ケアとは?

不適切ケアとは、介護職員の自覚の有無にかかわらず、利用者様に行われる正しくないケアのことです。

明確に虐待とはいえないものの、グレーゾーンになるため問題視されています。

不適切ケアは介護職員が無意識のうちに発生してしまっていることが多いですが、無意識のうちの不適切ケアが常態化してしまうと、いずれ虐待につながってしまう恐れも。

不適切ケアが発生してしまっている場合、施設全体で不適切ケアを根絶させることが何よりも重要です。

不適切ケアの実態とは

介護現場における不適切ケアには、具体的にどのような事例が挙げられるのでしょうか。

放置、無視

利用者様をほったらかしにしたり、無視するような行為も不適切ケアとして挙げられます。

利用者様の呼びかけに応じない

ケアコールにすぐ対応しない

おむつの交換を後回しにする

入浴介助で服を脱がせたまま脱衣所で待たせる

指示を聞かないからと食事の順番を最後にする

便座に座らせドアを開けたまま放置する

「ちょっと待って」といい長時間待たせる

無理強い、指図

利用者様に無理強いをさせたり、指図することも不適切ケアとして挙げられます。

無理やり食事を食べさせる

注射器のようなもので口に食事を流し込む

服薬を拒否するからと、勝手に砕いた薬を食事に混ぜて与える

何も言わず急に車いすを動かす

寝ているところを起こして入浴させる

嫌がっている理由を聞かない

夜何重もおむつを履かせる

「○○しなさい」と命令口調になる

横暴な態度

職員である立場を乱用して利用者様に横暴な態度を取ることも、不適切ケアとして挙げられます。

タメ口や「○○ちゃん」付けなど、子ども扱いで話す

他の利用者様の前で利用者様の恥ずかしい話をする

利用者様のプライバシーにかかわる話を話題にする

利用者様の食器にはさみを突っ込んで勝手に切る

利用者様のものを勝手に捨てる

利用者様からの要望に否定的な態度を取る

「リハビリしないと寝たきりになる」などとネガティブなことを言う

拘束

利用者様への身体的拘束や行動の制限も、不適切ケアとして挙げられます。

自分で歩行できる利用者様に無理やり車いすに乗せる

車いすの通り道を家具などで塞ぐ

利用者様の行動を制限する

「さっき行ったから」とトイレに行かせない

ベッドから降りれないようにする

断りなしにベッドの周りをサイドレールで囲う

落ち着かせるために鎮痛剤を飲ませる

不適切ケアが発生してしまう原因

不適切ケアが介護現場で発生してしまう要因には、どのような点があるのでしょうか。

介護職員のストレス

介護職員自身にストレスが溜まっている状態だと、利用者様や周囲の人々を思いやる余裕を持てず、不適切ケアにつながる言動をしてしまうのです。

ストレス発散のために八つ当たりをしてしまっていたり、介護業務自体に不満を抱えていることが態度に出てしまっているなどの要因が挙げられるでしょう。

倫理観の欠如

介護職員や施設全体の倫理観が欠如していることから、不適切ケアが発生してしまっていることも考えられるでしょう。

「他の職員がやっているからいい」「上に何も言われないからいい」と他の職員にまで不適切ケアが容認されてしまうと、いずれ虐待につながってしまいます。

施設全体での取り組みが最優先されるでしょう。

ケアの質が悪い

介護職員のケアの質が悪いことから、意図せずに不適切ケアを行ってしまっていることもあります。

まだ介護業務に不慣れであることから、配慮に手が回らず利用者様を不愉快な気持ちにさせてしまっていることも。

十分な介護技術や、介護職員としての役割や立ち位置の再確認を行うことが必要です。

マネジメントの質が悪い

施設のマネジメントの質が悪く、職員に対し業務のフィードバックができていないことも原因のひとつとして挙げられます。

不適切ケアに対して「それはいけないことだ」という指摘がなければ、なかなか根絶することはできません。

しっかり指摘してくれる人がいないと、どんどんとケアの質は下がってしまいます。

不適切ケアを予防するために

不適切ケアを予防するためには、どのような取り組みを行うべきでしょうか。

介護職員の意識を変える

まずは介護職員の意識を変えることが大切です。

不適切ケアとは何か、どういった行為が不適切ケアにあたるのか、自分自身が不適切ケアをしてしまっていないかなどの振り返りをすることで、不適切ケア防止のための意識づけを行うことができます。

施設内での研修や勉強会などで、不適切ケアについて話し合ってみましょう。

ホスピタリティの向上

介護施設全体のホスピタリティ向上も、不適切ケア防止につながります。

ホスピタリティとは、人に対して思いやりを持っておもてなしをすること

不適切ケアはこのようなホスピタリティに欠けていることから発生してしまうため、利用者様に思いやりや配慮の気持ちを持ってケアを行うことで、不適切ケアは自然となくなっていくでしょう。

マネジメントの向上

施設のマネジメントを向上させることも大切です。

職員が不適切ケアを行っていないか、不適切ケアを行っているところを目撃しなかったか、徹底的なマネジメントの実施が不適切ケアの根絶につながります

また職員に対するフィードバックや改善策を提示したり、教育の場を設けることでより良いケアの提供にもつながるでしょう。

まとめ

介護現場での不適切ケアは、常態化する虐待につながりかねません。

見つけ次第すぐに対策を打ち、再発しないように施設全体で取り組むことが重要です。

本記事を参考に、自分が不適切ケアをしてしまっていないか、どのように防止するか改めて考えてみましょう。

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