お役立ち情報
お役立ち情報
介護職員が処遇改善加算を取得するためには、どのような要件が必要になるのでしょうか。基本給に上乗せされる処遇改善加算とは、介護職員の賃金を向上させ、人手不足の解消を目指す制度です。しかし、介護職員が処遇改善加算を取得するには、勤め先の施設や事業所が特定の要件を満たしている必要があります。本記事では、処遇改善加算の金額や、取得に必要な要件について解説します。
■目次
介護職員が取得できる介護職員処遇改善加算には、介護職員当特定処遇改善加算と介護職等ベースアップ等支援加算の2種類があります。
それぞれ、どのような制度なのかについてご紹介します。
処遇改善加算の対象者は介護職員のみです。
国から介護職員処遇改善加算を受け取るためには、介護施設・介護事業所が以下のキャリアパス要件・職場環境等要件を満たす必要があります。
【キャリアパス要件】
❶職位・職責・職務内容などに応じた任用要件と賃金体系を整備すること
❷資質向上のための計画を策定して研修の実施または研修の機会を確保すること
❸介護職の経験もしくは資格に応じて昇給する仕組または一定の基準に基づき定期的に昇給を判断する仕組みを設けること
【職場環境等要件】
賃金改善を除く、職場環境などの改善
また、勤め先の施設・事業所がどの要件を満たしているかによって、介護職員に支給される処遇改善加算が異なります。
加算(Ⅰ) | 加算(Ⅱ) | 加算(Ⅲ) |
---|---|---|
キャリアパス要件のうち①・②・③すべてと職場環境等要件を満たす 介護職員1人当たりの手当額 |
キャリアパス要件のうち①・②と職場環境等要件を満たす 介護職員1人当たりの手当額 |
キャリアパス要件のうち①または②と職場環境等要件を満たす 介護職員1人当たりの手当額 |
参照:処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)|厚生労働省
介護職員等特定処遇改善加算の対象者は、以下の通りです。
介護職員等特定職改善加算を受け取るためには、施設・事業所が以下の要件をすべて満たす必要があります。
参照:厚生労働省処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)|厚生労働省
介護職員等ベースアップ等支援加算の対象者は介護職員です。
しかし、施設・事業所の判断によって、介護職員以外にこの処遇改善を支給することも認められています。
介護職員等ベースアップ等支援加算を受け取るためには、施設・事業所が以下の要件をすべて満たす必要があります。
❶処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
❷賃上げ効果の継続に資するよう、加算額の3/2は介護職員等の基本給に加えて介護職員等ベースアップ等支援加算を使用すること
参照:厚生労働省処遇改善に係る加算全体のイメージ(令和4年度改定後)|厚生労働省
先ほどご紹介した介護職員処遇改善加算に必要な職場環境等要件として、「賃金改善を除く、職場環境などの改善」と記載しました。
しかし実際には、区分と具体的な内容が細かく定められています。
ここからは、職場環境等要件の区分と具体的な内容についてご紹介します。
介護職員等特定処遇改善加算は、優れた経験や技能をもつ介護職員に対して、重点的に実施されている制度です。
別業界と並ぶ賃金水準を目指して、介護職員の基本給に賃金を加算することを目的としています。
介護職員等特定処遇改善加算の概要は、以下の通りです。
以前まで、介護保険サービスを利用する方の自己負担額を軽減するために、国が2000億円の公費を介護サービス費にあてていました。
このたび、さらなる処遇改善を行うことを目的として、国の公費を1000億円程度追加することが決定されました。
これらの公費は主に、国民の介護保険料の支払いや、国の予算案見直しにより準備されています。
介護職員の処遇改善については、「コロナ克服・新時代開拓のための経済対策」を踏まえ、令和4年10月以降から収入を月額平均9000円程度引き上げる措置を講じています。
介護職員等ベースアップ等支援加算の詳細は、以下の通りです。
【加算額】
介護職(常勤)1人あたり月額平均9000円の賃金引き上げ
【取得要件】
❶処遇改善加算(Ⅰ)~(Ⅲ)のいずれかを取得していること
❷賃上げ効果の継続に資するよう、加算額の3分の2は介護職員の基本給に加えて介護職員等ベースアップ等支援加算を使用すること
【対象職種】
●介護職員
●事業所の判断により、ほかの職員に使用することも可能
【申請方法・報告方法】
各事業所において、都道府県などに介護職員・そのほかの職員の月額賃金改善額を記載した計画書を提出し、賃金改善期間経過後、計画の実施報告書を提出する
2024(令和6)年時点で報告されている、処遇改善加算の実施状況は以下の通りです。
支給年度/月 | 令和2年4月 | 令和2年10月 | 令和3年4月 | 令和3年後10月 | 令和4年4月 | 令和4年10月 | 令和5年4月 | 令和5年10月 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|
介護職員処遇改善加算 | 92.4% | 92.9% | 93.2% | 93.3% | 93.4% | 93.8% | 93.8% | 94.3% |
介護職員等特定処遇改善加算 | 69.6% | 71.2% | 73.5% | 73.9% | 75.1% | 75.9% | 77.0% | 77.7% |
介護職員等ベースアップ等支援加算 | ー | ー | ー | ー | ー | 85.4% | 92.1% | 93.4% |
参照:「介護職員の処遇改善に関する加算等の取得状況|厚生労働省
介護職員が取得できる処遇改善の支給率は、月ごとに多少の差はあるものの、年々増加傾向にあります。
処遇改善手当の支給率や支給額が上がることで、「介護職は給料が安いもの」というイメージも払拭できるでしょう。
処遇改善加算は、介護人材を募るためにも欠かせない重要な手当といえます。
また、介護職員として働く方の中には「家庭の事情をわかってもらえない」「有給休暇がきちんと取れない」とお悩みの方もいるのではないでしょうか。
そのような方は、転職を視野に入れてみてもいいかもしれません。
「介護求人ラボ」「介護求人ラボ+」では、さまざまな職種・施設形態の求人を取り扱っています。
ぜひお気軽にご相談くださいね。
専門のアドバイザーに
相談する