お役立ち情報
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介護業界で働いているとよく耳にする「介護過程」とは、いったいどのようなものなのでしょうか。介護職員初任者研修や介護福祉士実務者研修、介護福祉士試験などでも出題される介護過程。本記事では、介護過程についての説明や具体的な流れ、介護過程の必要性などについて分かりやすく解説します。
■目次
介護過程とは、職員が日々の介護に取り組むにあたっての1つの指標となるものです。
利用者様が抱えている課題を解決し、QOL(生活の質)を向上させることを目的として考案・実践されています。
ただ単に介護を業務としてこなすのではなく、果たすべき目的を明確にすることで、より質の高い介護サービスの提供が可能になるのです。
介護施設や事業所では、介護過程という一連のプロセスの中で「個別介護計画」を作成し、この計画に基づいて介護を実施します。
ケアプランとは、利用者様とご家族の方のニーズに応じて、適切な介護サービスの組み合わせなどをまとめた計画書のことを指します。
ケアプランの作成は、ケアマネージャーが行います。
一方で個別介護計画とは、ケアマネージャーが作成したケアプランを基盤として作成されます。
ケアプランと異なる点は、実際にどのようにケアを提供するのかなど、より具体的なケア内容や細かい目標などを記しているというところです。
個別介護計画を作成する際は、1つ1ひとつのケアを行う理由を、根拠に基づいて作成することが重要です。
>>>あわせて読みたい「ケアプラン作成のコツ7選|個性あるプランを作る簡単な方法とは」
介護過程は、大きく4つの段階に分けられます。
ここでは、介護過程の4つのプロセスについて段階ごとに解説していきます。
アセスメントとは、利用者様やご家族の方の状況をお伺いし、現在の課題を明確化させることです。
どのような悩みや不安を抱えているのかを聞き出すだけでなく、利用者様のこれまでの背景や性格なども丁寧にヒアリングします。
アセスメントの際は、先入観を持たずに多角的な観点から分析することが大切です。
計画立案とは、利用者様一人ひとりに合わせた個別介護計画を作成することです。
アセスメントで明確にした課題を書き出し、その課題解決に向けた目標を設定します。
そして、その目標を達成するためにはどのような支援が必要なのか、ケアの実施方法なども含めてなるべく具体的に計画を組み立てます。
このときに、根拠や理由を持たせたケア内容を考案することがポイントです。
立案した個別介護計画をもとに、日々の介護を実施していきます。
介護士はケアを実施する際に、個別介護計画の内容とその理由・根拠を常に意識しておくことが重要です。
また、実施したケアとその結果についてしっかりと記録を残しておくようにします。
これまでのプロセスを振り返りながら、目標に対してどのくらい達成できたかをチームで評価します。
目標が達成できなかったり、別の課題が見つかったりした場合は、再度アセスメントを行い、個別介護計画の内容を見直します。
このプロセスを繰り返していくことで、介護ケアの質の向上につながります。
介護現場において、介護過程はどのような役割を果たすのでしょうか。
介護過程に取り組むことには、以下のような効果や意義があります。
介護過程は、利用者様一人ひとりの状況に応じて考案されます。
利用者様によって抱えている悩みはさまざまで、その悩みへの解決策も異なります。
介護過程の展開を通して、利用者様の個別性を大切にしたケアの提供の実現につながります。
介護現場では、介護士だけでなくさまざまな職種が関わり合いながら業務を進めています。
そのため、職員間での認識のずれや考え方の違いが生じてしまうことがあるのです。
介護過程のプロセスをチームで共有することで、職員それぞれが連携しやすくなり、より効果的なケアを実施できるようになります。
介護過程は、利用者様にとってより質の高いケアを提供するための指標です。
介護士はこの指標をもとに介護を行うことで、利用者様のニーズに応えることができます。
また、指標が明確になることにより、ケアの対する結果を客観的に評価しやすくなるといった効果もあります。
介護現場では、常にさまざまな危険やリスクを伴います。
そのため、介護過程ではそれらのリスクを最小限に抑えるための計画を具体的に考案しています。
より安全な環境と安全性の高いケアを提供することで、利用者様にとって安心して過ごせる空間を整えることができます。
高齢者や障がい者へのケアは一時的なものではなく、長期的なサポートが必要であることが大半です。
介護過程では、段階ごとの目標を設定し、その過程で具体的に何をするべきなのかといった内容を明確にします。
そうすることで、利用者様のニーズに合わせた長期的なケアを提供し続けられます。
介護過程では複数のプロセスを行う中で、利用者様にとって何が最善策なのかを常に考えることができます。
一人ひとりに寄り添ったケアを実現させるためには、まずはその人が抱えている課題を明確にし、それに沿った目標設定や解決策を考案することが必要不可欠です。
介護過程に対する知識を正しく学び、職員間での情報共有をしっかりと行いながら、日々のケアに取り組んでいきましょう。
今回は、介護過程の4つのプロセスや必要性などについて解説しました。
介護過程とは、介護士の資格取得の際に必要になるだけでなく、実際の介護現場でも非常に役立つ介護実践法です。
利用者様のQOL(生活の質)向上のためにも、ぜひ本記事を参考に介護過程への取り組みを積極的に行ってみてください。
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