介護施設でできる!高齢者と子どもの交流におすすめの遊びを紹介

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介護施設では、施設の利用者様と地域の保育園や幼稚園の子どもたちとの交流を図るためのレクリエーションや遊びなどを実施することがあります。高齢者と子どもたちが交流する際、どのような遊びを取り入れると良いのでしょうか。本記事では、介護施設でできる、高齢者と子どもの交流におすすめの遊びをご紹介します。



介護施設で行われる「高齢者と子どもの交流」とは?

介護施設では主に「こどもの日(5月5日)」や「敬老の日(9月の第3月曜日)」に、地域の保育園や幼稚園から児童を招いて、高齢者と子どもの交流を図ります。

介護施設で過ごす高齢者の方々の社会性を促すことや、地域の子どもたちにお年寄りを敬うことの大切さを伝えることが主な目的です。

核家族化が進み、高齢者とのかかわりが減っている現代の日本。

子どもたちにとっても、介護施設は高齢者の方々と触れ合える貴重な「異世代交流」の場なのです。

 

高齢者と子どもの交流を行う目的

介護施設で高齢者と子どもの交流を図ることには、どのような目的やねらいがあるのでしょうか。

ここからは、高齢者と子どもの「異世代交流」を行う3つの目的をご紹介します。

子どもたちの情緒を育むため

現代の日本では、両親と子どものみの核家族世帯が増加しています。

一昔前に比べると、おじいちゃんやおばあちゃんと離れて暮らす子どもたちが増えているのです。

両親の実家に帰省するタイミングでないと、高齢者と触れ合う機会がないという子どもたちも少なくありません。

介護施設を訪ねることで、高齢者を敬うことの大切さを学ぶことができます。

また、世代の異なる高齢者との交流を通じて、友達同士での遊びや保育士とのかかわりでは気付けなかった新たな発見を得られることにもつながります。

高齢者の方々の社会性を回復させるため

介護施設に入居する方の多くは、認知症や脳血管障害の後遺症である片麻痺、言語障害などのさまざまな病気・障がいをもっています。

そのせいで塞ぎがちになってしまったり、他者との交流を拒否したりする方も少なくありません。

そのような利用者様でも、小さな子どもたちが来てくれると聞くと普段より積極的に交流してくれることも珍しくありません。

子どもたちとの交流により、一時失われていた利用者様の社会性を回復させることにつながります。

古くから伝わる伝統文化を子どもたちに伝えるため

いつの時代も子どもたちの遊びは、ゲームやキャラクター遊びなどの流行りものをテーマにしたものばかりです。

しかし、流行や新しさばかりを追及していても、子どもたちの成長に必要な知恵や考える力が育ちません。

お手玉やけん玉、めんこなど、伝統的な遊びを体験することによって、子どもたちの知恵や考える力や思考力が豊かになっていきます

 

保育園児との交流におすすめの遊び3選

保育園の利用対象となる子どもの年齢は、0歳〜小学校入学前(5歳)とさまざまです。

子どもたちの年齢によっても遊びの内容が変わってくるため、事前に何歳くらいの子どもが来るのか確認しておくようにしましょう。

ここからは、保育園児との交流におすすめの遊びを3つご紹介します。

手遊び

手遊びは、0歳〜2歳くらいの保育園児が対象です。

「おちゃらかほい」や「いっぽんばしこちょこちょ」などの歌を歌いながら、高齢者と子どもの触れ合いを促します。

わらべ歌を聞く機会が少ない現代だからこそ、伝統的な歌を楽しむことが大切です。

音楽に合わせてマラカスを振ったり、タンバリンを叩いたりと、リズム遊びを楽しむこともおすすめです。

福笑い

福笑いは、3〜4歳くらいの保育園児が対象です。

お正月の伝統的な遊びですが、最近福笑いで遊ぶ家庭が減ってきています。

子どもたちの好きなキャラクターや、利用者様がお好きなおたふく、ひょっとこなど、さまざまな顔を用意することで、飽きることなく楽しめます。

最後にパーツをのりで貼って、子どもたちや利用者様の作品として持ち帰ってもらうこともおすすめです。

とんとん相撲

トントン相撲は、4歳〜5歳くらいの保育園児が対象です。

土俵や人形を手作りし、子どもたちと利用者様が競い合うことで、楽しみながら交流を図ります。

準備品として、以下のものを準備しましょう。

<準備するもの>

・土俵を作るための方眼用紙または厚紙
・土俵を装飾するための黄色または茶色の色画用紙
・土俵に円を描くためのコンパス
・人形を作るための折り紙または色画用紙
・色鉛筆やペン
・はさみ
・テープ
・のり

いきなり勝負をするのではなく、子どもたちや利用者様に土俵と人形を作ってもらうことで、より交流が深まります。

相撲にあまり馴染みのない子どもたちにとっては「はっけよい、のこった」の声かけ1つも新鮮です。

トーナメント方式の相撲大会を開いてチャンピオンを決めることで、より盛り上がるでしょう。

>>>あわせて読みたい「絶対盛り上がる!介護士が敬老会でできるおすすめの出し物12選」

 



幼稚園児との交流におすすめの遊び3選

幼稚園は、3歳(年少)〜5歳(年長)までの子どもが入園できます。

保育園に比べて園児の年齢が高いことが特徴ですが、その分動きも活発なため、しっかりと見守りを行うことが大切です。

ここからは、幼稚園児との交流におすすめの遊びを3つご紹介します。

けん玉作り

バランス感覚を養える遊びとして、古くから有名なけん玉。

しかし、けん玉のボールは硬く、子どもたちと利用者様がぶつからないよう、十分なスペースを確保する必要があります。

そこで、安全性に配慮したけん玉を手作りすることをおすすめします。作り方は以下の通りです。

まずは新聞を丸め、テープでとめて形を整える

新聞を花束を包む包装紙のような形に整え、テープでとめる

①と②をタコ糸でつなぎ、新聞の出っ張りをテープで整えて完成

一般的なけん玉よりも口が広いため、けん玉が苦手な子どもたちや利用者様でも、気軽に楽しめます

また、ボール部分も新聞紙で作るため、一般的なけん玉よりも、もしぶつかってしまっときの衝撃が少ないです。

めんこ遊び

投げつけてひっくり返すのが楽しいめんこ遊び。

めんこを知らない子どもたちが増えてきているため、伝承遊びとして教えてあげましょう。

遊び方は以下の通りです。

テーブルの上や床などを「場」とし、そこに何枚かのめんこを並べる

じゃんけんでめんこを投げる順番を決める

順番にめんこを場のめんこに向かって投げつける

場のめんこが裏返ったり、場(テーブル)から落ちたりしたら、そのめんこをもらう

最後に1番多くのめんこを持っている人が勝ち

「場」については、ビニールテープを貼って区切ったり、ゴザや古い畳を敷いたりすることをおすすめします。

思いっきり投げるため、周囲の安全に気を配ることが重要です。

かるた遊び

幼稚園でも、子どもたちに伝承遊びを伝える一環として、お正月にかるた遊びを実施するところが多いようです。

もともとルールを知っている子どもが多いため説明時間を省いて交流の時間を長くとることができます。

ひらがなを覚えていない子どもや物忘れが目立つ利用者様のために、絵カードを使用したかるたを用意するのもおすすめです。

ケガを防ぐために、子どもたちや利用者様の爪が伸びていないかを確認しましょう。

>>>あわせて読みたい「介護施設の運動会でおすすめの種目8選!運動会の注意点も解説」

 

高齢者と子どもが日常的に交流できる介護施設がある?

近年、高齢者と子どもの日常的な交流を促す「幼老複合施設」が増加傾向にあります。

幼老複合施設とは、介護施設の建物内または敷地内に保育園や託児所を設置し、子どもと高齢者の日常的な交流を促進する複合施設です。

介護施設に勤務するスタッフが子どもを預けて働くことも可能です。

幼老複合施設には以下のようなメリットがあります。

「子どもが熱を出したと連絡を受けても、職場内だからすぐに駆けつけられる」
「子どもが利用者の方と楽しそうに遊んでいる様子を見ると、ホッとする」
「両親が遠方に住んでいるため、子どもを可愛がってくれる高齢者が身近にいて安心」

幼老複合施設では、高齢者と子どもの交流を通じて、「子どもの情操教育に役立てること」や「高齢者の認知機能低下を予防する」という効果を狙っています。

また、幼老複合施設は、介護士から保育士への転職・保育士から介護士への転職などに最適な施設です。

>>>あわせて読みたい「保育士から介護士に転職ってできる?メリットや活かせるスキル」

 

まとめ

高齢者と子どもの「異世代交流」の機会が減っている現代の日本。

子どもたちの情操教育や、高齢者の方々の社会性回復を目的として、高齢者と子どもの交流を促進している介護施設が多くあります。

ぜひこどもの日や敬老の日には、地域の子どもたちを招いて交流の場を設けてみてはいかがでしょうか。

 

筆者プロフィール
りんか
保有資格:介護職員初任者研修/介護福祉士
経歴:福祉系高等学校にて介護福祉士の資格を取得後、特別養護老人ホームと訪問介護事業所に各2年勤務。高齢者グループホーム・デイサービス・障がい者支援センターでの実習・ボランティアの経験と介護事務の経験もあり。現在は介護福祉士Webライターとして活動中。
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