【介護士必見】介護をする上で大切な高齢者の水分補給の工夫6つ

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介護施設に勤めていると、水分補給をあまりされないご利用者様の対応に悩むことはありませんか?声をかけて勧めてもなかなか飲んで頂けませんし、あまりしつこく言うのも気が引けますよね。この記事では、高齢者に水分補給が必要な理由や高齢者が水分補給をしたくない理由、水分補給のためにできる工夫6つ、高齢者の脱水症状に気付くポイントを解説します。

高齢者に水分補給が必要な理由

人が1日に摂りたい水分量は1.2リットルと言われていますが、この必要量を摂れていない高齢者は要注意です。

というのも、高齢になると以下の身体変化が起こります。

体内の水分量が若年者より少なくなる

加齢で暑さ・喉の渇きに対する感覚が鈍くなる

体の調節機能が低下する

高齢者が夏の暑い日にもかかわらず厚着していたり、エアコンをつけていなかったりというのも、感覚が鈍くなっていることに一因があります。

その状況で更に水分補給もできていないとなると、体調を崩すリスクは大きく上がってしまうのです。

また、高齢者は冬も脱水症状を起こす場合も。

以上のことから、高齢者は若年者よりも熱中症や脱水症状に陥るリスクが高まるため、水分補給には日頃から気をつけておく必要があるのです。

高齢者が水分補給をしたくない理由

介護現場でもよく遭遇する、高齢者が水分補給をしたくない理由を4つ紹介します。

トイレに頻繁に行きたくなるから

よく「こんなに飲んだらすぐトイレに行きたくなるから飲まない」と水分補給を控える方がいます。

この理由を更に分けると、

  • 足腰が弱り移動がしにくいから
  • 動くことが億劫だから
  • 頻尿で水分を摂りたくないから

など、ひとりひとり色々な事情があります。

水分補給を促すのも良いですが、なぜトイレに行くのが嫌なのかもお聞きして改善方法を探ることから始めるのも1つの方法です。

喉の渇きを感じにくくなるから

高齢になると喉の渇きを感じにくくなり、水分補給を必要と考えないことがあります。

喉が渇いていないのに水分補給ばかり促されても、積極的に飲もうという気持ちにはなりませんよね。

次項で紹介しますが、高齢者が「それなら飲みたい」と思えるような工夫が必要になります。

飲み込みがしづらくなるから

高齢になると嚥下機能が低下し食事だけでなく水分の飲み込みが辛かったり、むせやすくなってしまうことで水分補給が進まない方もいます。

毎日様子を見ていると変化を感じにくいですが食事のスピードが落ちたり、前よりむせることが増えているように感じたら要観察です。

好みの飲み物ではないから

利用者様の好みでない飲み物ばかり勧めていませんか?

私達にも好みがあるように、利用者様にもそれぞれ飲み物の好みがあります。

一度飲み物の好みをお聞きしてみると、水分補給のヒントが得られるかもしれません。

水分補給のためにできる工夫6つ

水分補給をしたくない理由をふまえて、そのためにできる工夫を紹介します。

取り入れられるものはぜひ一度、職員間で相談した上で試してみて下さい。

どのくらい水分補給しているか把握する

まずは、今の時点で1日にどのくらい水分補給しているのか把握しましょう。

表にして、飲み物を出した時間や実際どのくらい飲んだのか量を記録することがポイント。

漠然と考えるのではなく、現時点でどれくらい飲んでいて、あとどのくらい摂取できると良いか客観的に数字でみることは大切です。

数字で表すことで職員間でも意識しやすくなるでしょう。

水分補給のタイミングを工夫する

普段部屋で過ごしているときはあまりお茶を飲まれないのに、お風呂上がりはしっかり飲む方、食事の前にお茶を提供すると飲む方、食後の熱いお茶は好きな方など、それぞれ飲みやすいタイミングがあります。

このタイミングで飲み物を提供するとしっかり飲んでもらえる、など職員間で情報共有して少しずつ摂取量を増やしましょう

好みの飲み物を提供する

同じお茶でも季節によっては熱いお茶が好きな方、冷たいお茶が好きな方と分かれます。

また、お茶はあまり好まれない一方でコーヒーやジュース、スポーツドリンクなどはよく飲まれる方もおられます。

食事制限がない方であれば、過度にならない程度に好きな飲み物で摂れる水分量を増やすのもいいでしょう。

喉があまり乾いていなくても、「これはおいしいから飲みたいな」と思えるものを提供してみてください。

飲み物以外の形で提供する

飲み物自体に抵抗がある方にはゼリーや果物、お味噌汁など飲み物以外の形で水分補給を促しましょう

飲み物にはあまり手をつけない方も、ゼリーなどは好んで召し上がられる方は多いです。

また不思議と味噌汁など汁物はしっかり飲まれることもあります。

飲み物以外の嗜好品もお聞きして取り入れてみるといいでしょう。

とろみをつける

飲み込みづらい・むせやすいなど、嚥下機能が低下傾向にあり水分補給が進まない方には、飲み物に少しとろみをつけて提供すると飲みやすくなります

ご自宅での様子はどうかなどご家族様や職員間でも話し合って、必要であれば試してみてください。

トイレに行きやすい環境を作る

歩くのが億劫でトイレに行くのが面倒だったり大変だから飲みたくないという方には、トイレに行きやすい環境を一緒に作ることが大切です。

普段の座席位置からトイレが遠いなら近い場所に配置したり、トイレまでの導線を歩きやすいように工夫することで多少負担が軽減されるでしょう。

本人が「これならいつでもトイレに行ける」と思ってもらえるように工夫してみてください。

高齢者の脱水症状に気付くポイント

以下のような症状がでていたら脱水に陥っているかもしれません。

知識として頭に入れておきましょう。

軽度
・皮膚の乾燥(口内、腋下、唇など)
・ぼんやりしている
・めまい
・ふらつき
・手足の冷え など
中度
・トイレの回数、尿量の減少
・尿の色が濃い
・血圧が低い 頭痛 など
重度
・反応がない、意識消失
・痙攣 など

上記の症状が必ずしも脱水症状に繋がるわけではありませんが、あまり水分補給されていない方はこのような症状が出る可能性があります。

変化にすぐ気付くためには普段の様子をよく観察し、いつもと少し違うなと感じたら職員間で連携してください。

>>>あわせて読みたい「高齢者が気を付けたい脱水症とは?症状や介護現場でやるべき対策」

まとめ

高齢者は暑さを感じにくいこともあり、夏場も厚着してしまったりエアコンの適切な調整ができないことがあるため、水分補給は必須です。

高齢者全員に同じ方法で水分補給の促しをするのではなく、必要であればその方に合った水分補給の工夫をすることで体調を整えて頂けるように介護職がサポートしましょう。

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