有料老人ホームでの介護職の仕事内容は?メリットや給料事情など

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有料老人ホームは、主に軽度者を対象とした入所施設です。今回は、有料老人ホームで働く介護職に関する情報について、仕事内容や働くメリット・デメリット、給与事情や有料老人ホームに向いている人を解説します。

有料老人ホームってどんな施設?

有料老人ホームとは、「バリアフリー構造の集合住宅 + 介護機能」というイメージの高齢者介護施設です。

内装やサービスに力を入れた億単位の費用がかかる高級なタイプや、比較的安価で特別養護老人ホームに空きが出るまでのつなぎとして利用できるタイプなど、施設ごとにさまざまな特徴があります。

有料老人ホームには以下の3種類のタイプがあります。

介護付有料老人ホーム

介護保険施設である「(介護予防)特定施設入居者生活介護」の指定を受けた有料老人ホーム。

指定を受けた有料老人ホームのみが「介護付」を名乗ることができます。

要支援1〜要介護5の人が対象の有料老人ホームで、住宅型や健康型と比較すると重度の方でも対応できるのが特徴です。

住宅型有料老人ホーム

バリアフリーの住宅に、相談員や食事提供設備などを備えた住宅型介護施設です。

対象となるのは自立~要介護5の認定を受けた高齢者ですが、重度の介護が必要になったときに退去が必要な施設から看取りまで対応可能な施設まで、事業所ごとにさまざまな特徴があります。

介護付と違い、直接介護保険サービスを提供することができません

要介護者の受け入れを想定しているホームの場合は同一敷地内や近隣に介護保険事業所が併設されている場合もあります。

健康型(自立型)有料老人ホーム

いわゆるアクティブシニアと言われるような、元気な高齢者を対象にした有料老人ホームです。

費用は高価ですがさまざまなアクティビティやサービスが充実しており、中にはコンシェルジュが常駐するような高所得者向けの施設もあります。

基本的には介護が必要になった場合や認知症を発症した場合は退去を求められ、支援が必要な人は入居できません

有料老人ホームでの仕事内容

有料老人ホームでの仕事内容は、介護付有料老人ホームと住宅型有料老人ホームで若干の違いがあります。

それぞれに分けてご紹介します。

介護付有料老人ホームの仕事内容

介護付有料老人ホームに在籍する介護職員の仕事は、入居者の直接介護に関する業務です。

介護付有料老人ホームは介護保険制度の指定を受けた事業所のため、特別養護老人ホームやグループホームなどの一般的な入所施設に近い業務内容になっています。

概要は以下の通りです。

  • 移動・移動に関する介助
  • 排泄介助
  • 入浴介助
  • 整容に関する介助
  • 食事に関する介助
  • 居室の掃除やベッドメイク
  • レクリエーションに関する支援
  • 夜勤業務 等

住宅型有料老人ホームの仕事内容

住宅型有料老人ホームは介護保険サービス事業所としての指定を受けていないため、介護サービスが必要な利用者は個別に介護保険事業所と契約をします。

そのため多くの場合は施設に併設された訪問介護や通所介護事業所のスタッフとして採用され、日中は入居者がその事業所を利用する形で介護を受けるシステムになっています。

具体的な仕事内容は介護付有料老人ホームでご紹介した内容と同じです。

事業所が稼働していない夜間帯は、有料老人ホームの職員として巡回や安否確認を行うことも。

 

このように、介護付と住宅型どちらも介護職が行う仕事内容は大きく変わらないものの、施設職員の介護職としてサービス提供するか・併設の介護保険事業所職員としてサービス提供するかの違いがあります。

 

有料老人ホームで働くメリット

介護付や住宅型の有料老人ホームで働く場合のメリットは、以下の2つです。

介護保険制度の理解や介護技術が高まる

特に通所や訪問が併設された住宅型有料老人ホームの場合、在宅の高齢者に対する支援と同様の取扱いとなるため、さまざまな介護保険制度の規則に触れることが多くなります

そのため、自然に介護保険制度への理解が深まります。

介護付有料老人ホームの場合は介護を必要とする入居者の割合が多く、要介護3以上の重度の方も利用しているケースがあります。

そのため、仕事の中で自然と介護技術が磨かれます。

接遇の技術が向上する

有料老人ホームは利用料金が他の介護施設と比べると比較的高額になることから、生活レベルが高い方が集まる傾向にあります。

都市部に行けば行くほど、富裕層向けの高級ホームの数も増える傾向です。

このことから、介護技術だけではなく高いレベルの接遇マナーからホスピタリティを学ぶことができます

勤務することで高レベルの接遇技術が身に付くでしょう。

有料老人ホームで働くデメリット

介護付や住宅型の有料老人ホームで働く場合のデメリットは、以下の2つです。

介護技術が身につかない場合がある

特に住宅型有料老人ホームの場合は、介護を必要としない方若しくは軽度の方のみの受け入れとなっているケースがあります。

軽度の方の場合は身体介護の機会が少なく、掃除やベッドメイク・コミュニケーションが中心となるため、身体介護や認知症対応に関する経験を積めない場合があります

身体介護や認知症対応は、実践の中で回数をこなすことで身につくもの。

実施する機会が少ないがために、技術向上につながらない可能性があるのです。

介護福祉士の「実務経験」としてカウントされない場合がある

特に通所介護や訪問介護が併設されていないタイプの住宅型有料老人ホームに就職した場合、介護福祉士の受験に必要な「実務経験」にカウントされない場合があります

介護福祉士の実務経験の対象とならない場合の条件として「主たる業務が介護等の業務でないことが明確な職種」と明確に記載されているためです。

例えば所属する有料老人ホームに介助を必要とする利用者が少なく、勤務内容の大半が身体介護以外の御用聞きや雑用・食事の準備やアクティビティに関する業務である場合は、実務経験として認められていません。

最終的に介護福祉を目指しているのであれば、就職の際に業務内容が介護福祉士の実務経験として認められているか、必ず確認しましょう。

有料老人ホームの給与事情

有料老人ホームの給与事情について、ここでは介護付有料老人ホームである「特定施設入居者生活介護」のデータをご紹介します。

厚生労働省が毎年公表している最新の統計である「令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果」によれば、有料老人ホームの正社員の平均月収は319,760円となっています。

またその他のデータは以下の通りです。

施設種別平均月収
全体平均 316,610円
特定施設入居者生活介護 319,760円
介護老人福祉施設 345,590円
介護老人保健施設 338,390円
訪問介護事業所 314,590円
通所介護事業所 278,180円
小規模多機能型居宅介護事業所 289,520円
認知症対応型共同生活介護事業所 291,460円

参照:厚生労働省|令和3年度 介護従事者処遇状況等調査結果

このように、介護付有料老人ホームの給与は平均値よりも高いことが分かります。

有料老人ホームの運営母体は社会福祉法人・株式会社・地方公共団体とさまざまです。

特に民間企業が運営しているホームの場合は高級な老人ホームがあり高年収も期待できます。

面接の際は、しっかり待遇を確認するようにしましょう。

有料老人ホームに向いている人

有料老人ホームで働くことが向いている人は、下記のいずれかに当てはまる人です。

入居者1人1人の個別ケアに力を入れたい人

接客や接遇が得意な人

キャリアアップを目指している人

有料老人ホームは、特別養護老人ホームよりも個別ケアに時間を割くことができる施設です。
一人ひとりの生活場面に応じたきめ細かいケアを行いたいと考えているのであれば、有料老人ホームが向いています。

また、入居に必要な費用が高いことから、生活レベルが高く接遇やマナーを気にする入居者が多いのも特徴です。

過去に接客の経験があったり、接遇マナーに自信がある方であれば十分に活躍することが期待できます。

さらに、有料老人ホームは複数の施設を運営している団体が多く、通所や訪問の事業所を併設されているなどでポストの数が多いことも特徴です。

まとめ

ここまでは、有料老人ホームについて以下の通りご紹介してきました。

有料老人ホームには、「介護付」「住宅型」「健康型(自立型)」の3種類がある

介護付有料老人ホームは特別養護老人ホームの働き方に近く、住宅型の仕事内容はは通所・訪問に夜勤が組み合わさるイメージ

有料老人ホームで働くメリットは「介護保険制度の理解が深まること」「接遇技術が向上すること」

有料老人ホームで働くデメリットは「介護技術が身につかない場合があること」「介護福祉士の実務経験にカウントされない場合があること」

有料老人ホームの給与は、令和3年度の調査で平均月額319,760円

有料老人ホームに向いている人は「個別ケアに力を入れたい人」「接客や接遇が得意な人」「キャリアアップを目指している人」

これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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