年上の後輩新人介護士への接し方|上手な仕事の教え方は?

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介護現場の人間関係でよくある悩みのタネのひとつに、「年上だけど後輩の新人介護士に教えづらい」ということがあります。「介護の経験がない新人職員だけど、年下の自分が教えるのはやりづらい」「こちらの話を聞いてくれないので、どう接したらいいか分からない」など、悩んでいる人も多いでしょう。今回は、年上の後輩新人介護士とうまく一緒に仕事するためのポイントについて紹介していきます。

年上の後輩新人介護士が増えている理由

年上の後輩新人介護士が近年増えている理由は、他業種から転職しやすい環境が整備されてきていることにあります。

介護労働安定センターが実施した調査によると、40歳以上の介護職員は全体の64%に上ります。
このことから、介護現場には中年世代以降が多数を占めていることが分かります。

また同調査で、転職してきた人を対象に前職の仕事内容を調査したところ、介護・福祉・医療関係の職業だった人が62.1%となっていました。

この結果は、他業種で社会人経験を積んだ人が介護業界に転職してくることが多いということを示しています。

介護業界は慢性的な人手不足であり、無資格でも転職することが可能です。
また都道府県や地方自治体でも、就労しながら介護資格を取得させる人材確保事業や介護士に復帰する人を対象にした助成金制度等を実施し、積極的に人材を呼び込む取り組みを行っています。

このように、一度社会人経験を積んだ人が介護業界に転職する環境が整ってきていることが、年上の後輩新人介護士が増えている理由です。

参照:公益財団法人 介護労働安定センター|令和2年度 介護労働実態調査

困った年上の後輩新人介護士によくある特徴

上手く相手との関係性を築きたいと考えたときは、まず相手のことを良く知ることが大切です。

以下では、年上の後輩新人介護士の困った特徴について紹介していきます。

プライドが高い

介護士としては未経験だとしても、他の仕事で社会に出た経験が長い年上の後輩新人介護士。

前の職場で得た人脈や経験があるのはもちろん、部下が付いていた方であれば尚更「社会人としての先輩」としてのプライドがあります。

このため、年下の先輩や上司から指導や助言を受けたときに、プライドが邪魔をして素直に話を受け入れてくれないことも。

報連相が少ない

介護の仕事はチームケアであり、報連相(報告・連絡・相談)が非常に重要です。

しかし新人介護士は介護経験の少なさから、起こった出来事のうち何を報告しないといけないのか、なぜこの出来事を報告しないといけないのか、ということが分かりません

また今までの人生経験から、「こうすれば何とかなる」とマニュアルを無視した独自の方法で何とかしようとしてしまい、無用なトラブルに発展してしまう場合も。

恥ずかしい思いをしたくないという自衛心から、結果的に報告・連絡・相談といった業務上必要なことを怠ってしまうことがあるのです。

仕事を覚えるのに時間がかかる

特に40歳以上の新人介護士の方は、アクティブに動ける若い社員と比較して、仕事を覚えるのに時間がかかる傾向があります。

聞いたことをメモに取っているのになかなか頭に入らない、マニュアルを見ながら仕事できない、慣れない介護業務に頭が真っ白になってどうしたらいいか分からなくなる…など、仕事を覚えることに時間がかかる要因はさまざまです。

介護職という特殊な仕事内容上、少しイレギュラーなことがあるとすぐに思考停止して動けなくなってしまう人も少なくありません。

前の職場と比較する

「前の職場はここと違って〇〇な所が良かった」「ここの施設の管理者も以前働いていた△△の社長のようにするべき」など、前の職場と比較してしまうこともあります。

年上の後輩介護士は前職で立派な社会人経験を持っていることが多いことから、現職で気になることを見つけるとつい口に出してしまうことが多いようです。

比較した上で改善できる部分は取り入れることができても、文句ばかりになってしまうとなかなか仕事に身が入らなくなってしまいます。

年上の後輩新人介護士と話すときのポイント

日頃のコミュニケーションは、信頼関係を築くためにとても重要なことです。

年上の後輩新人介護士と話すときは、4つのポイントに気を配りましょう。

敬語・尊敬語は基本

いくら後輩新人介護士といっても、相手は自分よりも年上です。

明らかに自分より年下の人から突然タメ口で話しかけられたら、誰だっていい気分はしないもの。

ちょっとしたやり取りで相手に嫌な印象を与えないよう、年上の後輩新人介護士には敬語・尊敬語で話すことを忘れずにいましょう

社会人の先輩として敬う

介護は日常生活の延長線上にある仕事。

例え介護技術が未熟で介護の経験値がない後輩新人介護士でも、豊富な人生経験をケアに活かすことができるという点では、自分よりずっと優れているところもあるでしょう。

社会人の先輩・人生の先輩として相手を敬い、素直な態度で接することを意識しましょう。

積極的に話しかける

他の職員と年が離れているとどうしても孤立しがちになるため、後輩新人介護士には積極的に話しかけることを意識しましょう。

仲間の輪に入れないと、どうしても心を開くのが難しくなりコミュニケーションを取りづらくなってしまいます。

積極的に話しかけて、早く新しい職場に馴染んでもらえるように配慮するようにしましょう。

職場の先輩としてのプライドも守る

年上に対して仕事内容の指導や指示をすることにやりづらさを感じるのも事実ですが、必要なときにはハッキリした口調で説明や指導を行うことが必要です。

時には職場の先輩として、毅然とした態度で仕事内容を指導・説明するようにしましょう。

明確な姿勢を示すことで信頼を得られるだけでなく、あなたの先輩としてのプライドを保つことにも繋がります。

年上の後輩新人介護士に仕事を教えるときのポイント

年上の後輩新人介護士に仕事を教える際、気を遣ってしまってどのように教えたらいいか悩んでしまったことはありませんか?

次の4つのポイントを意識するだけで、相手に上手く伝えることができます。

なぜ?を伝える

年上の後輩新人介護士に仕事を教えるときの1つめのポイントは、業務内容の目的や根拠をしっかり説明することです。

無資格の人や資格は持っているけど未経験だという人の場合、指示された業務の理由を理解できずにモチベーションにつながらないことがあるためです。

介護の仕事には、必ず「なぜそれをしなければいけないのか」という理由や目的があります。

客観的な理由や根拠を明確に説明することで、相手も納得して仕事内容を覚えようとしてくれるようになります

仕事内容の理由や目的を理論立てて丁寧に説明することで、相手が理解しやすくなるでしょう。

知識や技術の不足を責めない

年上の後輩新人介護士に仕事を教えるときの2つめのポイントは、相手の知識や技術の不足を責めないことです。

仕事でミスをしたときに相手の知識や介護技術を指摘したところで何も解決しないためです。

相手は介護の経験がない新人のため、例え介護の資格を持っていたとしても、勉強した知識や技術が実践に結びついていない状態です。

なぜ成功に至らなかったのか・どうすれば良かったのか・次からどうするのかについて、前向きな視点で一緒に考えて話し合うことが大切です。

間違っていることは遠慮せず指摘する

年上の後輩新人介護士に仕事を教えるときの3つめのポイントは、間違っていると思ったことは遠慮せずに指摘することです。

気を遣いすぎて曖昧に指摘をしてしまうと後輩に優柔不断な印象を与えてしまい、結果的に先輩としてのあなたに対して不信感を持つようになってしまいます。

ダメなことはダメ、しないといけないことはキッチリやるということを明確に指摘しないと、間違ったことを覚えてしまい利用者に悪影響を与えてしまうことも。

後輩が「これでいいんだ」と適当な仕事をするようになってしまえば、結果的にサービスの質が低下し施設全体に悪影響を与えてしまいます。

正しい仕事内容をきちんと覚えてもらうためにも、間違ったことは毅然とした態度で遠慮せず指摘することが大切です。

上司であることは仕事上での役割であることを伝える

年上の後輩新人介護士に仕事を教えるときの4つめのポイントは、自分が上司として接しているのはあくまで会社から与えられた役割であると伝えることです。

自分が上司や先輩とはいえ、年下から指導を受けたり注意されたりすることでプライドが傷ついてしまうことも考えられます。

「先輩や上司としてふるまっているのは、あくまで会社から与えられた役割だから」ということを説明し、相手の気持ちに配慮していることを伝えるようにしましょう。

業務中は先輩・上司として指導する立場に回ったとしても、休憩時間や就業後は気持ちを切り替えて年下の社会人の後輩として相手を敬う態度で接することがおすすめです。

まとめ

年上の後輩新人介護士への接し方について以下のとおりご紹介してきました。

年上の後輩新人介護士が増えている理由は、転職先として介護の仕事が選択肢に入る社会的環境が整ってきているから

困った年上の後輩新人介護士によくある特徴は、「プライドが高い」「報連相が少ない」「仕事を覚えるのに時間がかかる」「前職の自慢や比較をする」

年上の後輩新人介護士と話すときのポイントは、「敬語・尊敬語で」「社会人の先輩として敬うこと」「積極的に話しかけること」「先輩としてのプライドを守りながら接する」

年上の後輩新人介護士に仕事を教えるときは「業務内容の理由を伝える」「知識や技術の不足を責めない」「間違いはしっかり指摘する」「上司は役割であることを伝え相手のプライドに配慮する」

これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

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