介護のレクリエーションって何のため?目的や盛り上げ方を解説

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介護の業務内容の中で苦手意識を感じる人が多いケアのひとつに、レクリエーションがあります。通所系、入所系を問わずさまざまな施設で行われているレクリエーションですが、必要性や盛り上げ方がイマイチ分からず苦戦している介護士の人も多いのではないでしょうか。今回は、介護のレクリエーションに関するポイントについて解説します。

介護におけるレクリエーションの意味

レクリエーションという言葉には、本来「休養や気晴らしのために行うさまざまな活動」という意味があります。

英語では【re:creation】と書き、単語の意味が示す通り「再創造」「元気を取り戻す」「壊れたものを創り直す」という意味も持っています。

このことから、介護の現場では自分の力だけでは楽しみや刺激のある生活を送ることが難しい高齢者のQOL(生活の質)を高めたり、心身機能を維持するためのリハビリテーションの一環として用いられたりしています。

利用者の生活に張り合いや潤いのため、感情豊かに過ごせる時間・楽しく過ごせる時間・仲間とワイワイ触れ合いながら過ごせる時間を提供することも介護士の業務のひとつです。

刺激のある日常を送ることが利用者の介護予防や心身状態の低下抑制につながるため、適切にレクリエーションの機会を提供することも介護士の大切な役割になっています。

レクリエーションの目的

以下では、レクリエーションを実施することで期待される目的や効果について詳しく紹介します。

身体機能の維持・向上

レクリエーションを実施する目的の1つめは、身体機能の維持・向上です。

体を動かすタイプのレクリエーションには、身体機能の維持・向上の効果があります。

単純な筋力トレーニングや歩行練習とは異なり、スポーツやゲームのような感覚で体を使うため、楽しみながら機能訓練の効果を得ることができます。

具体的なレクリエーションの例としては、風船バレーや輪投げ大会等があります。

中でも輪投げ大会は、活発な地域では施設単位で参加する大規模な交流大会があるなど本格的です。

認知機能の低下予防・抑制

レクリエーションを実施する目的の2つめは、認知機能の低下を予防・抑制することです。

脳の活動性を刺激することで認知機能の低下を防止・抑制する効果が期待されています。

頭や手先を使うタイプのレクリエーションには、いわゆる脳トレも含みます。

例えばやさしい計算ドリルを解いて正解率を競うゲームや、麻雀や囲碁・将棋もこれに該当するでしょう。

特に通所リハビリテーションなどの施設ではリハビリの一環で作成された作品の発表展示会も行われるため、目標立てて成果が形に現れるという点でかなり熱が入る方も多いです。

他者との交流促進

レクリエーションを実施する目的の3つめは、他者との交流を促進することです。

高齢化によって外出の機会が減ると、他人と交流することが減ってしまうため生活意欲や身体機能の低下を招いてしまいます。

そのため、社会参加を促すことで生活意欲の向上や社会参加の機会を作る必要があります。

同じ施設を利用する仲間とゲームや共同制作を通じて交流しながら楽しむことで、コミュニケーションを深めることが期待できます。

例えば、伝言ゲームや料理作り、季節の大型展示物の作成は利用者間の交流促進に役立ちます。

必然的に利用者同士が言葉を交わす仕組みを作ることでお互いの緊張をほぐすことができ、自然とレクリエーションの時間が終わった後も会話が増えていくでしょう。

気分転換・生活の質の向上

レクリエーションを実施する目的の4つめは、気分転換や生活の質を向上させることです。

高齢者になって心身機能が低下すると自信までなくなっていき、気分の落ち込みによって閉じこもりがちになり、さらに心身機能が低下していくという悪循環に陥ってしまいます。

レクリエーションによって楽しい時間を過ごせば気分転換になり、デイサービスに行けば一緒に楽しい時間を過ごせる友人ができるということに気付けば、外出の機会にも繋がります。

このように、日常生活の中にレクリエーションを取り入れることで生活にハリや刺激が生まれます

新たな生きがいや目的が見つかれば自然と生活に対する意欲も高まり、生活の質の向上につながっていきます。

レクリエーションを成功させるコツ4選

レクリエーションの実施に苦手意識を感じている人の多くが、「うまく盛り上げることができない」「途中で飽きられてしまう」という点ではないでしょうか。

レクリエーションを盛り上げ成功させるには、次の4つのコツを意識することがポイントになります。

利用者の心身状態を把握する

参加する利用者は車椅子の人・片麻痺の人・認知症の方などさまざまな特徴があります。

同じ条件でレクリエーションに参加することは難しいため、利用者一人一人の身体状況や特性・性格を把握し、その人に合ったプログラムを提供するようにしましょう。

チーム分けをして対抗させるゲームや共同作業等を行う場合は、職員が利用者の特性に応じたフォローをすることで参加者が嫌な思いをすることがないように配慮します。

また、中には人の輪に入るのが嫌いな方や気分が乗らない方も出てくるでしょう。

強引に参加してもらうと場の雰囲気が盛り上がらないのは勿論ですが、本人が嫌がってサービス自体に来ないといったことになってしまうかもしれません。

アイスブレイクと説明

アイスブレイクとは、「参加する人の緊張をほぐす」という意味です。

レクリエーションを始める前は参加者全員でラジオ体操をしたり、ゲームの説明時に職員が見本を見せて笑いを誘ったりしながら、場の空気を和らげると上手くいきます。

また、個人戦やチームで競うようなレクリエーションの場合は、つい興奮してルールを逸脱してしまったことをきっかけに利用者同士でもめ事になってしまう場合もあります。

なるべく簡単なルールにして参加者へ分かりやすく説明するようにしましょう。

全員を褒める

どんな活動の場合でも、どうしても声が大きい人や介護度が軽度でよく動く人、活発で目立つ人に注目が行きがちです。

特定の人だけに注目が行くと他の参加者は「自分は別にいなくてもいいのでは」「自分にはついていけない」などと思ってしまい、一緒に楽しむことができなくなってしまいます。

参加者全員を必ず1回は褒めるようにし、気分を盛り上げるように配慮しましょう。

また、日頃から目立たない人や介護度が高くてフォローが必要な人は特に意識して声をかけるようにし、「皆さん一人一人が主役です」という印象を与えられるように立ち回ることがポイントです。

職員も一緒に楽しむ

どんなに楽しいゲームや活動内容を考えても、職員の「やらされている感」「嫌々やってます感」は表情や場の雰囲気に出るもの。

特に認知症の人は記憶力などは低下しますが感受性は最後まで保たれる場合が多いため、職員が創り出す空気に敏感に反応すると言われています。

レクリエーションが得意な人や周りを盛り上げることが好きな人の特徴を観察すると、「自分自身が楽しんでいる」と言うことに気付きます。

職員自身が楽しんでいる姿を見ると、自然と場の雰囲気も和み、笑顔も伝染していくものです。

レクリエーションを企画するときは、「自分も楽しい活動を考える」ことも重要な着眼点になります。

レクリエーション実施時の状態別注意点

レクリエーションを実施するときは何より安全に配慮することも必要です。

特に事故や問題が起きやすく注意したいのは、次の4つのいずれかに当てはまる人です。

  • 車いすの人
  • 片麻痺がある人
  • 耳が遠い人
  • 認知症がある人

せっかく楽しい活動をしても、転んで怪我をしたり周囲とトラブルになってしまったりしては本末転倒です。

最後に、思わぬ事故を防ぐための注意点について、状態別に紹介します。

車いすの人

車いすの人の場合の注意点は、以下の4つです。

ブレーキは必ずロックする

フットサポートは必ず跳ね上げておく

隣の人との間隔をとる

姿勢が崩れないか注意する

車いすのブレーキは必ずロックしておき、勝手に動き出してしまわないように注意しましょう。

また結果を競うようなゲームをしているとき、思わず興奮して立ち上がろうとしてしまう人がいます。
フットサポートに足が上がったままだと、立ち上がろうとしたときに車いすごとひっくり返ってしまう危険があります。
開始する前にフットサポートから足を下ろし、跳ね上げるか外すかしておきましょう

車いすは固い部品でできているため、何かの拍子で隣の人の手がぶつかると怪我をする可能性があります。
両手を広げてもぶつからない程度に間隔を取りましょう。

座った姿勢が崩れやすい人の場合はシーティングを整えてから参加するようにしたり、とっさの時に対応できる位置に職員を配置すると安心です。

片麻痺がある人

片麻痺がある人の場合の注意点は、以下の通りです。

身体の傾きに注意

興奮しやすい傾向に配慮

焦らせないようにする

片麻痺の人は麻痺側へのフォローが必要です。
特に脳卒中の後遺症で左半側空間無視があると、左側に意識が向きません。
麻痺側の力が弱く患側に傾きがちになるため、転倒や椅子からの転落に注意しましょう。

また、片麻痺の人は脳卒中の影響で怒りっぽかったり、感情失禁を抱えたりしている傾向があります。
興奮してきたら一旦クールダウンできるような時間を設けるようにしましょう。

焦らないでゆっくり参加してもらうようにする雰囲気作りを心がけるとトラブルを予防できます。

耳が遠い人

耳が遠い人の場合の注意点は、以下の通りです。

理解できたかの確認

スタッフがさりげなくフォローする

耳が遠い人の場合は、レクリエーションの内容説明を行う際に聞こえていない場合があります。
再度確認するなど、内容を理解しているか確認することが必要です。

周りの人についていけないと疎外感を感じさせてしまうと、レクリエーションを楽しめないだけでなく、継続的に参加していただくこと自体も拒否するようになってしまう恐れがあります。

耳が遠い人は、多かれ少なかれ日頃から聞こえの悪さを周囲から指摘され、嫌な想いをしている方が多いです。
周りに迷惑をかけたくないという思いから、聞き直しをすることも遠慮してしまい、分かったふりをしてしまうこともあります。

さりげなく傍についてスタッフがフォローするようにしましょう。

認知症がある人

認知症がある人の場合は、聴力的には問題なくてもルールが理解できなかったり、レクリエーションの途中でルールを忘れてしまったりする特徴があります。

面白くないと感じると急に意欲が低下したり、他に注意が逸れるとそちらに気を取られてゲームを中断してしまったりすることもあります。

周りの人の理解がないと周囲からの指摘に傷つき、心を閉ざしてしまいます。
何故自分が注意されているのか理解ができず、混乱して怒ってしまうこともあるでしょう。

認知症の人がレクリエーションに参加する際は、特に分かりやすいルール説明を心掛けましょう

またルール自体を簡単にしたり、職員が傍について次にやることを伝えてガイドしたりすることも有効です。

まとめ

ここまでは、レクリエーションの目的や実施上のポイントについて以下の通りご紹介してきました。

介護現場におけるレクリエーションには、「元気を取り戻す」「失ったものを作り直す」という意味がある

レクリエーションの目的は「身体機能の維持・向上」「認知機能の低下を予防・抑制」「他者との交流促進」「気分転換・生活の質向上」の4つ

レクリエーションを成功させるコツは「利用者の心身状態の把握」「アイスブレイクと説明を工夫」「全員を褒めて孤立させない」「職員も一緒に楽しむ」の4つ

レクリエーションを実施するときは、利用者の心身状態や特性に応じた行動予測やフォローを行う

これらの情報が、少しでも皆様のお役に立てば幸いです。

 

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