お役立ち情報
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認知症対応型通所介護とは、文字通り認知症の方に向けた通所介護のことです。少人数のアットホームな環境で過ごしていただくことを目的としています。この記事では認知症対応型通所介護の特徴、そこで働いている職種、働くのに向いている人、職員の平均給与について解説します。
■目次
認知症対応型通所介護とは、認知症がある利用者に対して食事や入浴、排泄の介助、レクリエーション、機能訓練を提供する施設です。
認知症デイサービスとも呼ばれます。
認知症対応型通所介護には、以下3つの形態があります。
❶単独型:認知症対応型通所介護のサービスのみ提供する形態
❷併設型:特別養護老人ホームや病院に併設されている形態
❸共用型:認知症対応型共同生活介護(グループホーム)の食堂などの共用スペースを利用している形態
認知症対応型通所介護の特徴は2点です。
通常のデイサービスとは違い、医師から認知症であると診断された人だけが利用することができます。
認知症がある利用者への介護で大切なことは、本人の不安に寄り添うこと。
彼らは、「自分の居る場所がわからない」「目の前に居る人が誰かわからない」という状況のなかで、常に不安を感じています。
そして不安が強くなればなるほど「家に帰る」とあっちこっちを歩き回ったり、食べられないものを口に入れてしまったりと、認知症の症状がさらに強く出てきてしまうのです。
通常のデイサービスでは、大規模なところだと1日の利用定員が50名程の場合もあります。
大勢の知らない人に囲まれる環境は、認知症のある利用者にとっては不安を強く感じてしまうことも。
そのため認知症対応型通所介護は少人数のアットホームな環境で、安心して過ごせるよう配慮されています。
以下では認知症対応型通所介護で働いている職種について説明していきます。
認知症対応型通所介護には管理者を1名必ず置かなければなりません。
また管理者になるためには、都道府県が実施している認知症対応型サービス事業管理者研修を受講する必要があります。
相談員は利用者やその家族に対してサービス内容を説明し、契約手続きを行います。
また利用者がサービスを利用するうえでの悩みを聴き取り、解決に向けてケアマネージャーや外部の事業所と連携します。
利用者に対して食事、排泄、入浴の介助やレクリエーションの提供をするのが役割です。
認知症の利用者が安心して過ごせるように、声かけをしながら介護を行います。
利用者の健康チェック、服薬の介助を行います。
事業所によっては機能訓練指導員との兼務をする場合もあります。
歩行訓練や関節可動域訓練をとおして、利用者の身体機能の維持を図ります。
個別機能訓練加算を取得している事業所では、個別機能訓練計画書の作成もします。
朝夕の送迎を担当します。
事業所によっては介護職が送迎も担当し、ドライバーが居ないこともあります。
以下では、認知症対応型通所介護の1日の流れを紹介します。
●8時:朝礼
その日の連絡事項を職員間で共有します。
●9時:送迎
利用者の自宅に迎えにあがります。
送迎時は自宅に居る利用者の家族と関わることのできる貴重なタイミングでもあります。
「最近介護のことで心配なことはありませんか?」など、ご家族に対する配慮も求められます。
事業所に到着したら体温、血圧を測定し、健康状態を確認します。
●10時:レクリエーション、機能訓練の実施
利用者の心身機能の維持を目的に、レクリエーションや体操などの機能訓練を行います。
認知症対応型通所介護の定員は少人数のため、一人ひとりの利用者に合わせた内容のレクリエーション、機能訓練を実施することができます。
●12時:昼食
一人ひとりの嗜好や嚥下状態に合わせた食事を提供します。
自力で食事ができない人には職員が介助を行います。
自力で食べられる人でも、認知症による判断力の低下が原因で、自分の食事と隣の人の食事の区別がつかない人も。
しっかりと自分の食事を食べられるように、見守りを行うのも職員の重要な役割です。
●13時:レクリエーション、機能訓練の実施
個人でできるレクリエーションの内容としては、ぬり絵、パズル、あやとりなどが挙げられるでしょう。
複数人でやるものとしては、職員がクイズを出したり、利用者に馴染みのある歌謡曲を流して一緒に歌うなどがあります。
レクリエーションの内容に決まりはないため、どうしたら利用者に楽しんでもらえるのか、職員の発想力が試されます。
●15時:おやつ
●16時:送迎
利用者をご自宅まで送迎します。
その日、利用者に何か変わったことがあった場合は、ご家族にもお知らせします。
●17時:夕礼
その日の特記事項を職員間で共有します。
認知症対応型通所介護で働くのに向いている人はどのような人でしょうか。
認知症がある利用者は見当識障害といい、「今はいつなのか?」「目の前に居る人は誰なのか?」「ここはどこなのか?」ということが判断しにくい状態になることがあります。
そのため 「本当は80歳なのに、まだ30歳だと思っている」「職員を息子だと勘違いする」「今いる場所が分からないので、家に帰ろうとする(帰宅願望)」といった行動を起こすことも。
しかしこのような勘違いを頭こなしに否定せずに、まずはじっくりと聴いてあげることが大切です。
自分の行動を否定され余計に不安を感じてしまうと、認知症の症状がより強く出るきっかけとなってしまいます。
利用者の話に合わせて、じっくりと聴くことができる人が向いているといえるでしょう。
認知症対応型通所介護では、レクリエーションを提供します。
レクリエーションの1番の目的は、利用者に楽しんでもらうこと。
利用者に喜んでもらうためにさまざまな工夫ができる人は、認知症対応型通所介護でも重宝されるでしょう。
また楽器が得意な人は利用者と一緒に演奏したり、歌を歌ったりするなど、自分の得意なことを活かすことができます。
認知症対応型通所介護には認知症がある利用者しかいません。
日々の対応を継続するなかで、認知症がある利用者への対応スキルが身に着いていくでしょう。
高齢化社会のなかで、認知症患者数は今後ますます増えていくことが予想されています。
認知症の利用者への対応スキルを身に着け、介護士としての自分の強みにしたいという人にもおすすめできる職場です。
認知症対応型通所介護で働く介護職員の給与はどのくらいなのでしょうか。
厚生労働省の調査結果によると、通所介護事業所で働く介護職員の平均給与は以下のとおりになっています。
●常勤(月給の者) :280,600円
●非常勤(時給の者):109,710円
こちらの数字は一般の通所介護で働く職員の給与も含めて計算されています。
認知症対応型通所介護で働く介護職員の厳密な平均給与は不明ですが、参考にしていただければと思います。
参考:厚生労働省|令和2年度介護従事者処遇状況等調査結果
認知症対応型通所介護は、認知症がある利用者が通う通所介護です。
利用者の話をじっくり聴くことができる人や人を喜ばせるのが得意な人、認知症の利用者への対応スキルを向上させたい人は、認知症対応型通所介護でもきっと活躍することができるでしょう。
本記事が職場選びの参考になれば幸いです。
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