お役立ち情報
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現在、訪問介護事業所で働いている方の中で、訪問ヘルパーができることとできないことの違いを明確に説明できる方は、意外にも少ないのではないでしょうか。利用者様に依頼されたことでも、訪問ヘルパーには、できることとできないことがあります。本記事では、訪問ヘルパーのできることとできないことについて解説します。
■目次
訪問介護とは、介護を必要とする高齢者や障がい者の自宅に訪問ヘルパーが訪問し、必要な介護・支援を行う介護サービスです。
介護施設で働く介護職に資格や経験は不問ですが、訪問ヘルパーは介護職員初任者研修か、それ以上の介護資格を保有していることが必須条件です。
訪問ヘルパーは1人で訪問を行い、その場その場の状況に応じて適切な判断をしながら対応を行うことが求められます。
訪問ヘルパーは仕事上、「できること」と「できないこと」があることを知っているのはもちろんのこと、利用者様にできないことを頼まれても上手に断らなければなりません。
訪問ヘルパーは利用者様から「頼んだことは何でもやってくれる家政婦」と間違った認識を持たれることが多い仕事です。
仕事に慣れても、訪問ヘルパーが「できること」と「できないこと」を適宜確認し、適切に判断できるよう、備えておくことが大切です。
訪問ヘルパーができることとできないことには、それぞれ具体的にどのような業務内容が挙げられるのでしょうか。
ここでは、利用者様の身体に直接触れて行う「身体介護」のうち、訪問ヘルパーにできることとできないことをそれぞれご紹介します。
利用者様の身体介護で訪問ヘルパーができることは、利用者様の日常生活動作の介助のみです。訪問ヘルパーにできる「身体介護」は以下の通りです。
●食事介助
●入浴介助
●排泄介助(トイレ介助・おむつ交換)
●更衣介助
●洗面介助
●整髪介助
●電動シェーバーを用いた髭剃りの介助
●清拭
●体位交換
●移乗介助(車の乗降を含む)
●移動介助(病院受診の同行)
利用者様の身体介護において訪問ヘルパーにできないことは、一般的に訪問ヘルパー以外の職種が行うこととされている「美容業」や「旅客運送業」に該当する業務です。
訪問ヘルパーにできない「身体介護」は以下の通りです。
●散髪
●本格的な刃を用いた髭剃り
●利用者様や訪問ヘルパーの自家用車での送迎
●病院やクリニックの診察室内への付き添い(診察室外で待つ必要がある)
訪問ヘルパーは、身体介護以外にも、調理や洗濯、掃除など、利用者様が日常生活を送るうえで必要な「生活援助」を行います。
ここでは、利用者様の日常生活に必要な「生活援助」のうち、訪問ヘルパーにできることとできないことをそれぞれご紹介します。
利用者様の生活援助で訪問ヘルパーができることは、利用者様の日常生活に最低限必要な生活行為のサポートや買い物のみです。
訪問ヘルパーにできる「生活援助」は以下の通りです。
●利用者様が食す日常食の調理
●食事の後片付け
●洗濯(洗濯機または手洗いで洗う)
●洗濯物を干す、取り入れる
●収納する
●アイロンがけ
●ゴミ出し
●利用者様の生活範囲内の掃除(居室・トイレ・浴室)
●買い物の同行または代行(日常生活に必要最低限の食料品や日用品の購入のみ)
●薬局での薬の受り取り
●役所手続きの同行(納税・公共サービスの申請など)
利用者様の生活援助で訪問ヘルパーができないことは、利用者様が最低限の日常生活を送るうえで必要でないと判断されることです。
訪問ヘルパーにできない「生活援助」は以下の通りです。
●利用者様以外の人が食べる料理の調理
●おせち料理やちらし寿司などの行事用の調理
●利用者様以外の人の衣服の洗濯
●利用者様が使用していない部屋の掃除
●利用者様が外出中の訪問
●庭やベランダの手入れ
●ペットや花木の世話
●窓ふきや換気扇の掃除などの大掃除
●引っ越しのための荷物移動
●墓参りや法事などへの同行
●銀行でのお金の預け入れや引き出しの代行
訪問ヘルパーは基本的に、医師や看護師が行う医療行為ができません。
しかし、医師や歯科医師、看護師の指示があれば、訪問ヘルパーでも行うことができる「医療的ケア」もあります。
ここでは、利用者様に行う「医療的ケア」のうち、訪問ヘルパーにできることとできないことをそれぞれご紹介します。
訪問ヘルパーができる医療的ケアは、医療行為に該当しない簡単な処置やケアです。
医療的ケアを行う前に、医師や歯科医師、看護師への確認をするようにしましょう。
訪問ヘルパーにできる「医療的ケア」は以下の通りです。
●爪切り(健康状態の良い爪に限る)
●耳垢の除去
●歯ブラシや綿棒を使った口腔ケア
●一包化された内服薬の服薬介助
●軟膏塗布
●湿布を貼る
●目薬をさす
●点鼻薬の噴射
●利用者様本人がインスリン注射を使用する際の声かけと見守り
●市販薬での浣腸
●血糖測定の声かけと数値の確認
●専門知識を必要としない軽微な切り傷や擦り傷の処置
●尿バルーンの尿廃棄
●ストーマパウチの便廃棄
●電子体温計での体温測定
●自動血圧測定器での血圧測定
なお、喀痰吸引等研修を受講した介護福祉士有資格者であれば、以下の2つの医療行為を行うことができます。
・喀痰吸引(口腔内または鼻腔内)
・経管栄養(胃ろう・腸ろう・経鼻)
介護福祉士のみ保有していても、喀痰吸引等研修を受講していなければ実施できないため、必ずご自身の保有資格を確認してください。
訪問ヘルパーは、医療行為に該当する行為を行うことが禁止されています。
訪問ヘルパーにできない「医療行為」及び「医療的ケア」は以下の通りです。
●化膿や炎症がある方や糖尿病を患っている方の爪切り
●水銀血圧計での血圧測定
●耳垢塞栓の除去
●重度の歯周病がある方の口腔ケア
●インスリン注射の施注
●一包化されていない内服薬の服薬介助
●褥瘡(床ずれ)の処置
●摘便
訪問ヘルパーが訪問先で、利用者様やご家族に「これもお願いしたい」と、通常の業務とは別に頼み事をされる機会は少なくありません。
後々トラブルになることを避けるためにも、訪問ヘルパーができないことはしっかりと断ることが重要です。
ここでは、利用者様やご家族から訪問ヘルパーができないことを頼まれた時の対処法を3つご紹介します。
「同居している家族のご飯もついでに作ってほしい」
「隣町に住んでいる姉に会いたいから、姉の自宅まで送迎をしてほしい」
利用者様やご家族からこういった依頼を受けた際、上手く断れずに承諾してしまう訪問ヘルパーがいると、後々トラブルへと発展してしまいます。
依頼されたことができない理由として、「訪問ヘルパーは基本的に、ケアマネジャーが作成したケアプランに記載がないサービスが提供できない」ということを伝えましょう。
また、家族や親戚、友人など、介護サービスを利用されている方以外へのサービスは提供できない旨を伝えることも大切です。
認知症がある利用者様の場合、訪問ヘルパーが「できない」とお伝えしたことを忘れてしまい、訪問のたびに無理なお願いをしてくることがあります。
「庭の草むしりをしてほしい」「窓ふきをしてほしい」など、できないことを訪問のたびにお願いされると、訪問ヘルパーもストレスになってしまいます。
そのため、訪問ヘルパーが対応できない内容を書面に記載し、見える位置に貼っておくということが必要です。
訪問ヘルパーが対応できないことを頼まれても、書面を指して説明することで利用者様にも納得してもらうことができます。
「お父さんが夜中に転倒しないか不安だから、一晩中傍についていてほしい」
「隣町に住んでいる姉の自宅まで送迎してほしい」
利用者様やご家族からこういったお願いをされた場合、訪問ヘルパーは対応ができません。
できないことはできないと伝えた上で、代替案となる自費サービスを紹介しましょう。
例えば、夜中につきっきりで利用者様の見守りをする場合、24時間対応の家政婦サービスを利用すれば、泊まり込みで見守りをしてもらえます。
また、車椅子で遠くに住む家族や友人の自宅に行くには、介護タクシーを利用する必要があります。
訪問ヘルパーができないことを伝えるだけでなく、利用者様やご家族の希望を叶えるための代替案となるサービスを紹介・提案することが大切です。
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訪問ヘルパーが訪問先で、利用者様やご家族から「これもお願いしたい」と頼まれ、できることができないことなのか、判断に悩むことは少なくありません。
訪問ヘルパーは基本的に、ケアプランに記載がある業務以外行うことができません。
業務上、できることとできないことを理解し、適切な判断をすることが大切です。
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