お役立ち情報
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介護施設での食中毒対策は、しっかりできていますか?食中毒には細菌性とウイルス性があり、それぞれ夏と冬に発症のピークを迎えます。加齢により免疫力の低下した高齢者は重症化リスクが高いため、一年を通して発症防止対策を行う必要があるのです。今回は、介護施設で発症例のある食中毒や、対策方法について解説します。
加齢により免疫力が低下した高齢者が多く利用する介護施設では、食中毒に要注意です。
実際に、高齢者介護施設において集団食中毒が発生してしまった事例が毎年のように報告されている現状。
特に高温多湿となる夏場は、食中毒が発生しやすいため注意する必要があります。
なお、食中毒は年間を通して夏場に多く発生しますが、冬場でもウイルス性の食中毒リスクが潜んでいます。
「うちは大丈夫だから」と気を抜かず、本記事を参考に今一度食中毒対策について考えてみましょう。
食中毒を引き起こす主な原因にはウイルス・細菌が挙げられます。
気温が低く乾燥した時期にはウイルス性の食中毒が、気温と湿度の高い時期には細菌性の食中毒が多くなります。
そのため、年間を通して食中毒に注意する必要があるのです。
以下では、介護施設で発生しやすい食中毒について解説します。
カキなどの二枚貝より発生するとされるノロウイルスは、主に11月~2月に多く流行します。
ウイルスの蓄積した食品を食べただけでなく、人から人への二次感染のリスクも高いため、集団感染を引き起こしやすいウイルスです。
吐き気・嘔吐、腹痛、下痢、発熱などの症状があらわれ、通常1~2日後に回復します。
しかし高齢者の場合はまれに重症化することがあるため、注意が必要です。
大鍋で大量に作り置きされたカレーやスープなど煮込み料理が原因になることが多く、別名「給食病」とも呼ばれます。
介護施設のように大量調理を行う場合には、特に注意したい食中毒です。
よく混ぜながら調理し、調理後はなるべく早く食べることでウエルシュ菌の繁殖を防ぐことができます。
腹痛や下痢がよくある症状で、発熱や嘔吐の症状はあまり見られませんが、高齢者はまれに重症化することがあるため注意が必要です。
牛肉やハンバーグ、ローストビーフ、サラダなどから感染する事例が多く挙げられています。
症状としては水溶性の下痢や激しい腹痛、血便、微熱などが見られます。
また感染者の便に含まれる大腸菌によって感染するため、介護施設ではおむつ交換を担当した介護職員への二次感染にも要注意です。
高齢者は重症化しやすく、溶血性尿毒症症候群や脳症といった合併症を引き起こすことも。
鶏・豚・牛などの動物の腸管や、下水道など自然界に生息する細菌です。
卵や鶏肉、うなぎなどの淡水魚から感染することがあります。
やや高い発熱があり、腹痛や下痢、嘔吐といった症状が見られます。
下痢の症状は3〜4日ほど続き、多くの場合は自然治癒で回復しますが、高齢者の場合は脱水症状に要注意です。
主に鶏肉や牛肉、豚肉を生の状態や加熱不足の状態で摂取することで感染します。
また、動物の糞などから感染することも。特に鶏肉は、しっかりと中まで加熱調理するようにしましょう。
症状としては腹痛や下痢、発熱、嘔吐、頭痛、倦怠感などの症状を引き起こし、まれに呼吸困難や顔面神経麻痺を引き起こす「ギランバレー症候群」を発症することもあります。
ブドウ球菌は牛や豚などの家畜だけでなく、健康な人間の体内にも生息します。
ブドウ球菌が付着した食材を摂取することで感染するため、手洗いや食材の適切な管理が必要不可欠です。
潜伏期間は30分〜6時間と短く、嘔吐の症状が必ず見られます。
その他に下痢や悪心といった症状が見られることも。
通常は24時間以内に改善されますが、高齢者の場合は嘔吐・下痢による脱水症状に要注意です。
介護施設で食中毒が発生すると、利用者様の健康を脅かすだけでなく、食品衛生法に基づき数日間の営業停止を命じられることがあります。
そのため、食中毒発生防止の取り組みが必要不可欠です。
以下では、介護施設でできる食中毒発生の防止策について解説します。
食材の保管環境が悪いと、食中毒の原因となる細菌が繁殖し食材が汚染されてしまいます。
特に細菌が高温多湿の環境を好むため、外気温が高くなる夏場には要注意です。
食材は冷蔵庫や野菜室などの涼しい場所に、適切に保管するようにしましょう。
また大量調理した料理の作り置きにも注意が必要です。
食中毒予防には、何より徹底した手洗いが大切。
細菌は人間の手を媒体として感染が広がることもあるため、手洗いをすることは二次感染の防止につながるのです。
特に、以下のケースではその都度徹底した手洗いを行いましょう。
調理スタッフ | ・調理開始前 ・調理中に生肉や魚、卵を扱った前後 ・調理中にトイレに行ったり鼻をかんだ後 ・残った食材を扱った前後 |
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介護職員 | ・排泄介助の後 ・オムツ交換の後 ・食事介助の前 ・残った食材を扱った前後 |
特に生肉や生魚を使用したあとの包丁やまな板には、食中毒の原因となる細菌が付着しています。
この包丁やまな板を媒体として感染が広がってしまうため、使用した調理器具はその都度洗いましょう。
生肉や生魚をつかむお箸と、他の食材を掴むお箸を変えるなどの工夫も必要です。
また使用後は、熱湯消毒やアルコール消毒などで清潔に保つようにしましょう。
細菌性の食中毒は加熱不足によって引き起こされることが多いです。
一方で、ほとんどの細菌やウイルスは加熱することによって死滅します。
食材は中心部を75℃で1分以上加熱することを目安に、しっかり火を通しましょう。
食中毒は食べ残しや作り置きした食材から発生することも。
もし食べ残しを残す場合は、早く冷えるように小分けにして保存します。
食べるときはしっかりと温め直しましょう。
規定時間を設け、規定時間を経過した食材は速やかに処分するなどの対策を講じることもポイント。
少しでも怪しいと思ったら、迷わずに捨てましょう。
介護施設での食中毒は、利用者様の健康を脅かすだけでなく、施設の営業停止を命じられることにもつながりかねません。
施設全体でしっかりと対策を講じる必要があるのです。
本記事を参考に、施設での食中毒対策について振り返ってみましょう。
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