お役立ち情報
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たくさんの高齢者が利用される介護施設において、春に注意したいことについて解説します。実は春は、高齢者が体調に変化を起こしやすい季節です。その原因には自律神経の乱れが挙げられますが、どうして春に自律神経が乱れやすいのでしょうか。そこで今回は、高齢者が春に起こしやすい体調の変化や自律神経が乱れる理由、健康に過ごすポイントについてまとめました。
■目次
気温が上がり、ぽかぽかと過ごしやすくなる春。
気持ちよく過ごせる季節かと思いきや、春は高齢者にとって体調の変化が起こりやすい季節ともいえます。
高齢者が春に起こしやすい体調の変化には、以下のようなものが挙げられます
特に、食欲が減っていないかについては注意して観察してみましょう。
食事や水分の摂取量が減ってしまった場合は、何かしらの病気が隠れている可能性があります。
また高齢者は、食事や水分を少し摂らなかっただけでも脱水症状を起こしてしまうことも。
該当の利用者様がいる場合は様子を見つつ、本人が食べられるものからゆっくり食べてもらえるように工夫しましょう。
高齢者が春に体調を崩してしまう大きな原因として、自律神経の乱れが挙げられます。
自律神経は「交感神経」と「副交感神経」の2つがバランスを取りながら、心身の機能を上手く調整する役割を果たしています。
しかしこの自律神経のバランスは加齢によって不安定になりやすく、さらに寒暖の差が激しい春(特に3月)は、2つの神経がバランスを取りづらくなるのです。
その結果自律神経が乱れ、心身の機能が上手く働かず体調不良を引き起こしてしまいます。
また自律神経が乱れる原因は寒暖差だけではなく、他にも春に起こるさまざまな要因が挙げられます。
具体的な要因について、このあと詳しく解説します。
春に高齢者の自律神経が乱れやすくなる要因には、具体的にどのようなものが挙げられるでしょうか。
よくある4つの要因について解説します。
3月は年間を通して最も寒暖差が激しく、日中は暖かいのに朝晩は冷え込むといった気候が続きます。
このような激しい寒暖差は高齢者の身体にとって負担が大きく、自律神経の働きを低下させてしまうのです。
その結果心身の機能の調整が上手くいかず、先述したさまざまな体調不良や風邪を引き起こしてしまいます。
3月後半から春になるにかけて、低気圧と高気圧が交互に通過するようになります。
そのため気圧の変化がめまぐるしく、自律神経が不安定になり体調不良を引き起こしてしまうことも。
天気による体調の悪化は「低気圧不調」とも呼ばれており、高齢の利用者様も症状を訴える方は少なくありません。
春は天気予報だけでなく、気圧の変化にも注目してみましょう。
春になるにつれて、昼の時間が長くなり夜の時間が短くなります。
このことで朝早く目が覚めてしまったり、夜なかなか眠れなくなるという利用者様も。
その結果生活リズムが崩れ、自律神経の乱れにつながってしまいます。
カーテンを閉めたり室内灯を消すなど、利用者様の過ごしやすい環境づくりを工夫することが大切です。
春は周辺の環境が変わりやすい季節です。
これまで利用者様が慣れていた環境がガラリと変わってしまうことで、緊張感や不安感によってストレスを溜めてしまうこともあります。
ストレスを感じると分泌される「コルチゾール」や「アドレナリン」といったホルモンは、分泌しすぎると交感神経を刺激し、副交感神経との交代を妨げてしまいます。
その結果自律神経のバランスが崩れ、体調に変化が現れてしまうのです。
介護施設において、高齢者が春に自律神経を乱さず健康的に過ごすポイントを5つ解説します。
自律神経を乱さずに心身の健康を維持するには、栄養バランスの取れた食事をしっかり摂ることが大切です。
偏食の傾向があったりあまり食べたがらない利用者様は、低栄養の状態に陥りやすく、その結果体調不良を引き起こしてしまうことも。
利用者様が食事を楽しめる工夫も忘れず、栄養バランスの取れた食事を摂っていただけるよう促しましょう。
>>>あわせて読みたい「介護士が知っておきたい「低栄養」とは?リスクや防ぐための工夫」
適度に運動をすることで体力がつくだけでなく、体内で自律神経のバランスを整える「セロトニン」というホルモンが分泌されます。
「セロトニン」の分泌によって精神が安定すると、自律神経が乱れにくくなると同時にリラックス効果も。
体操レクや散歩など、体を動かす機会を積極的に取り入れましょう。
また副交感神経が優位になりはじめる日没のころに軽い運動をすることで、夜にリラックスして睡眠につきやすいという効果も期待できます。
ストレスは自律神経が乱れる直接的な要因となります。
ストレスを受けることで緊張状態が続き、交感神経が活動し続けてしまうためです。
利用者様のストレスの原因となっているものを把握し、発散できるよう工夫しましょう。
ストレス発散方法は、休息や運動、娯楽、親交、創作など人によって異なります。
本人のストレス発散方法の情報は、日頃からのコミュニケーションがカギとなるでしょう。
湯船につかって体を温めると、副交感神経が優位となりリラックス効果を得ることができます。
また血行がよくなることで、自律神経の交代をスムーズにさせる効果も。
熱めのお湯での長風呂はヒートショックの原因となってしまうため、ややぬるめのお湯(38~40度)のお湯に10分以内で入浴することがおすすめです。
睡眠時間が確保されないと、自律神経バランスが崩れ体調不良の原因に。
副交感神経を優位にさせ深い眠りにつくために、睡眠の前はリラックスできるような環境をつくりましょう。
日照時間の変化により眠れない利用者様がいる場合は、部屋を暗くする、日没前から体を休ませるなど、消灯時間には副交感神経が優位に働いているような工夫をしましょう。
高齢者は春になると体調不良を起こしやすいといわれており、その原因は自律神経の乱れにあることが分かりました。
介護施設で春に気を付けたいことは、自律神経が乱れないように普段の生活を見直すこと。
交感神経と副交感神経の関係性を理解して、利用者様が春に健康に過ごせるよう取り組みを行いましょう。
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