お役立ち情報
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最近介護レクでおすすめのスポーツとして広く導入され始めているのが、ヨーロッパ発祥のパラリンピック正式種目「ボッチャ」。元々は重度脳性麻痺がある方や、重度四肢機能障がいがある方が楽しめるよう考案されたスポーツで、現在では介護レクや社会人サークルとしても取り入れられています。本記事では、ボッチャを介護レクとして楽しむ方法について紹介します。
■目次
「ボッチャ」はヨーロッパ発祥のパラリンピック正式種目。
重度脳性麻痺がある方や重度四肢機能障がいがある方向けに考案されました。
現在では、障がい者のレクリエーションや高齢者の介護レク、社会人サークルなど、さまざまなレクリエーション活動で取り入れられています。
ボッチャはカーリングに似ている競技で、ジャックボール(目標球)と呼ばれる白いボールに、赤・青のそれぞれ6球ずつのボールを近づけます。
ジャックボールに1番近い位置に、自分のカラーボールがいくつあるかで点数や勝敗を競うというルールです。
カーリングとの違いは、ボールを投げたり、転がしたりと投球の方法が自由なこと。
そして、ジャックボール(目標球)にボールを当てて動かし、試合の局面に変化をつけることができる点です。
ボッチャには公式ルールが定められていますが、誰もが楽しめるよう、レクリエーション向けにルールやコートを変更した「レク・ボッチャ」もあります。
障がいのある子どもが通う放課後デイサービスや障がい者支援施設、高齢者介護施設、地域のシニアサークルなど、ボッチャはさまざまな場面で楽しまれています。
ボッチャは性別・年齢・病気の有無など関係なく、誰もが楽しめるように考案されたスポーツです。
基本ルールに沿った内容であれば、細かいルールやコートの変更も可能。
まずは、ボッチャの基本ルールについて解説します。
①じゃんけんまたはコイントスで先攻後攻を決定する
(先攻チーム:赤のカラーボール・後攻チーム:青のカラーボール)
②審判の「ジャックプリーズ」の声かけで、赤チームの左端の人(2ゲーム目は青チームの左端の人)がコートのVラインより奥に白のジャックボール(目標球)を投げる
③ジャックボールを投げた赤チームの左端の人が、続けて赤いカラーボールを投げる
(カラーボールはジャックボールに近づけることを目指す)
④2球目は青チームの左端の人が、青いカラーボールを投げる
⑤3球目はジャックボールから距離が遠いチームの人が投球する
(赤チーム・青チーム、どちらのボールがジャックボールから遠いかは審判が判断するため、プレイヤーはコートに入ってはならない)
⑥ジャックボールから距離が遠いチームが優先的にボールを投げるが、各チームの手元にある6球のボールがなくなったら、相手チームが投球する
⑦両チームが全てのボールを投げ終えたら、審判が勝敗と得点を判断する
ボッチャでは、1つのゲームを「1エンド」と呼びます。
1回に通常4~6エンドのゲームを行います。
また障がいや身体麻痺により、自力でボールを投げることが難しいプレイヤーは勾配具(ランプ)を使用することが可能です。
ボッチャの公式大会では、性別の区別なく6人のチームに分かれ、個人戦(2対2のペア戦)もしくは団体戦(3対3のチーム戦)で競います。
ボッチャは、認知症や片麻痺がある方や車椅子を使用している方でも参加可能です。
また他の競技に比べて大きな動作が少ないため、転倒や車椅子からの転落のリスクがある高齢者の方でも気軽に参加することができます。
以下では、ボッチャが高齢者の介護レクにおすすめの理由を紹介します。
ボッチャはボールを投げる・転がす・蹴るなど、投球方法が自由です。
そのため、細かいルールに縛られることなく、手足の運動ができます。
またボッチャは、ジャックボール(目標球)にできるだけ近い距離に投げるという簡単なプレイ方法ですが、戦術が非常に奥深いゲーム。
どこにボールを投げるのかによって勝敗や得点が左右されるため、戦略を考えながら進めることで頭の運動にもなります。
特にチーム戦では一緒にプレイする仲間と作戦を練ることで、人との交流やコミュニケーションも楽しむことができるでしょう。
ボッチャは「足腰が不自由で椅子や車椅子から立ち上がれない」「片麻痺がある」「腕や手が不自由で動かせない」といった方でもプレイすることができます。
腕や手が不自由で動かせない場合は、足で蹴って投球することも可能です。
また、手や腕に麻痺がある方でも、勾配具(ランプ)を使って投球できます。
身体に病気や障がいがあってもプレイできるのが、ボッチャの特徴です。
介護レクの最大の悩みは、「レクの内容を考えるのが大変」ということです。
輪投げやクイズ、魚釣りゲームなど、介護レクで実施する内容はどれもすぐに飽きてしまい、なかなか長続きしません。
ボッチャはパラリンピックの正式種目であることから、高齢者の方々の興味関心を引きやすく、介護レクとして非常に盛り上がります。
また戦略を考えたり、プレイ方法やルールをアレンジしたりと、継続的に楽しめる点もポイントです。
介護レクとしてボッチャをする場合、場所や道具などに限りがあります。
特に、介護レクとしてボッチャをする際に1番制限があるのがコートです。
介護レクでボッチャをする際のルールのアレンジ方法についてご紹介します。
公式ルールでは、コートの広さは「12.5m×6mの長方形」と決められています。
しかし、介護施設では公式ルールの通りの場所が確保できない場合があります。
そのような場合、以下のようなルールに変更するのがおすすめです。
ボッチャで使用するボールは用意が難しく、セットで購入すると高価になります。
また、ボッチャで使用するボールは「テニスボールより少し大きめ」かつ「ほどほどの重さがあり、あまり弾んだり転んだりしない」という特徴があります。
介護レクのボッチャで使用するボールは、ビニール袋や布製の袋に米粒やあずき豆を入れてボール状にし、養生テープ・ビニールテープなどで補強したものがおすすめです。
ボールはジャックボールを合わせて合計13個必要です。
ボッチャレクを実施する前に、利用者様と一緒にボールを作成する必要があり、使用する上で壊れた際は修繕が必要になることも。
障がい者スポーツ関連団体が、無償で用具の貸し出しを行っている地域もあるため、お住まいの地域の団体公式ホームページを調べてみてください。
介護レクとしてボッチャを楽しむ際、いくつかの注意点があります。
ルールのアレンジ・変更は自由ですが、高齢者が安全にボッチャを楽しめるよう、介護士は以下のような点に注意しましょう。
ボッチャのコートの広さや形状は、公式ルール通りでなくて構いません。
しかし、高齢者の方が安全にゲームを楽しめるよう、安全面に配慮する必要があります。
高齢者が安全に手足を動かしたり、移動したりするだけのスペースがあるか。
床材が滑りにくく、転倒予防に適しているか。
簡易的でも構いませんが、安全にゲームを楽しめる場所を確保しましよう。
ボッチャ専用のボールがあるに越したことはありませんが、ボールの準備が難しく、手作り品で代用する際は、道具の定期的なメンテナンスが必要です。
手作りしたボールが壊れているとゲームが楽しめないだけでなく、ボールの中身である米やあずき豆を利用者様が誤飲する可能性があります。
ボッチャのルールが不明確であると、参加者同士の揉め事や喧嘩につながってしまいます。
ボッチャを実施する介護士は基本的ルールを理解していることが前提です。
ボールを投げる順や勝敗などが混乱しないようにサポートしましょう。
ボッチャはパラリンピック正式種目であるため、ルールも本格的です。
その一方で、介護レクとしてのアレンジが自由にできるため、飽きることなく持続的に楽しむことができるでしょう。
また、ボッチャの上達のコツには、プレイするたびに新たな発見があります。ぜひ、ボッチャを介護レクとして活用してみてください。
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