お役立ち情報
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介護職で必要とされているキャリアパス。導入することで、介護職員のモチベーションアップや定着率の向上、サービスの質改善につながります。しかし導入する際は、組織体制の再構築など必要な手順も。今回は、介護の現場におけるキャリアパスの必要性や導入のメリット、導入する流れとキャリアパス例についてまとめました。
■目次
キャリアパスとは、組織に属する職員がとある職位や役職に就くために必要な業務(キャリア)と、そこにたどり着くまでの道筋(パス)のことを指します。
簡単にいうと、「キャリアアップするための道筋」と表現できるでしょう。
キャリアパスが明確に決められていると、職員の目標が定められ到達のために努めることができ、またそれは組織全体の成長にもつながります。
高齢化社会による影響で、今後もニーズが高くなるといわれている介護の現場では、経験や技術を有した介護職員の確保が急がれています。
優秀な職員を確保し人材の流出を防ぐためには、キャリアパスによるキャリアアップの明確化が必要不可欠です。
またさまざまな資格が存在する業界ゆえに、介護施設では資格によるキャリアアップの道筋についても明確化することが求められています。
このように、介護の現場では職員がいきいきと長く安定して働ける環境づくりが大切であり、その方法のひとつとしてキャリアパスの設定が必要とされているのです。
介護の現場でキャリアパスを導入することで得られるメリットはたくさんあります。
以下では、主なメリットを5つ解説します。
キャリアパスを導入することで、その職場でのキャリアを可視化させることができ、職員のモチベーションアップにつながります。
働き続けることで得られるキャリアが明確に分かっていることは、目標設定にもつながり職員が長く働き続ける理由になるでしょう。
「意味もなく働いている」というモチベーションが下がる要因をなくすためにも、キャリアパスの導入は効果的であるといえます。
介護業界未経験の人にとって、介護職のキャリアは未知に近いもの。
キャリアパスが設定されていることで、未経験スタートの場合にどこまでステップアップできるのかを知ることができ、介護業界参入への後押しにつながります。
実際に介護の資格は実務経験が必要となるものが多く、「何年働くことでこの資格への挑戦が可能」「この資格を取るとこれだけキャリアアップしてこんな業務ができる」というキャリアパスを知ることで、未知だった介護業界への挑戦を後押しできるでしょう。
キャリアパスは人事評価を行う際の適正な基準にもなります。
キャリアパスは年数やスキル、経験、資格などさまざまな面から見たキャリアを構築し、道筋を明らかにしていきます。
基準を満たしていれば次のキャリアへ、というように適正かつ単純に人事評価ができるため、日々の業務が忙しいなかでも人事評価をきっちりと行うことができるでしょう。
キャリアパスを導入し、一人ひとりがそれぞれのキャリア目標を設定することで、施設全体のサービスの質向上を図ることもできます。
キャリア目標に向けてスキルを磨くことは、職員個人だけでなく施設全体の成長につながります。
またキャリアパスの導入は、質の高いサービス提供のための働きかけを行っていることのアピールにもつながるでしょう。
先述したように、キャリアパスの導入は職員のモチベーション向上を図ることができます。
介護の仕事に対する向上心はやりがいや高い充実度につながり、職員の定着率の向上も期待できるでしょう。
結果として、施設から優秀な人材が離職してしまうことを防ぐことができるのです。
精度の高いキャリアパスを導入するために必要な流れについて解説します。
まずは施設内での明確な組織体制の構築が必要です。
組織図を作成するなどで、今の施設内での責任の所在や指示系統について整理しましょう。
整理したあとは、適正なキャリアパスとなるように組織体制を再構築し、枠組みを決定します。
組織体制を構築したあとは、それに基づいたキャリアの階層を決めていきましょう。
具体的には新人から一般職員、リーダー、主任、管理職など、職員の職位を細分化します。
人口の多い一般職員などの階層については、キャリアやスキルなどでさらに細かく設定すると良いでしょう。
作成したキャリアの階層それぞれに求められる業務内容を設定します。
この階層の職員であればできること・やってほしいことを洗い出して、仕事内容として階層に振り分けます。
ここでの注意点は、階層に対して高すぎる要求をしないこと。
任務の遂行が不可能なキャリアパスでは、職員のモチベーションが下がってしまいます。
作成したキャリアの階層それぞれに必要な資格や能力について設定します。
取得が必要とされる研修や資格については、キャリア年数(実務経験)を参考に決定しましょう。
他にもその階層の職員に求める知識や介護技術についても設定します。
階層ごとの給与基準の設定も必要不可欠です。
役職手当などで階層ごとの手当を設定するなどで、給与の上限・下限を明確にすると良いでしょう。
キャリアパスと給与の連携が難しい場合は、まずはキャリアパスの浸透と運用に力を入れていきます。
階層 | 役割 | キャリア年数 | 必要な能力や資格 |
---|---|---|---|
新人 | 指導を受けて業務を正確に行うことができる、マニュアルに沿った介護ができる | 1~2年 | 介護職員初任者研修、一般常識、基礎的な介護技術、コミュニケーション能力 |
一般1 | 業務の流れを把握し、臨機応変に業務を行うことができる、自立して日常業務ができる | 2~5年 | 介護職員初任者研修、介護福祉士実務者研修、認知症実践者研修 |
一般2 | 職員に対する指導ができる、業務に関する知識やスキルを有し、業務改善や効率向上を図る働きかけができる | 5~8年 | 認知症実践者研修、介護福祉士 |
ユニット/フロアリーダー、主任 | 職員の模範となる介護ができ、緊急時に素早く適切な判断ができる | 8年以上 | 介護福祉士、認知症介護実践リーダー研修 |
管理職候補 | 管理職のサポート業務を行うことができる | 8年以上 | 社会福祉士、介護支援専門員(ケアマネ) |
管理職 | 施設全体の目標の遂行や統括ができる | 8年以上 | 施設の運営に関する能力 |
介護現場でキャリアパスを導入することには、職員のモチベーションアップやサービスの質アップだけでなく、介護業界参入の後押しをしたり離職を防ぐことにもつながります。
またキャリアパスは人事評価の基準にもなるため、導入する際はしっかりと段階を踏んで慎重に考えましょう。
本記事を参考に、職場でキャリアパスを導入してみませんか?
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