お役立ち情報
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介護福祉士の資格を取得するために受験する、介護福祉士国家試験。現時点で介護業界では唯一の国家資格といわれており、介護の専門性を証明する資格でもあります。今回は、介護福祉士国家試験の概要や試験内容などについてまとめました。
■目次
介護福祉士とは、介護福祉の専門職に従事する国家資格の資格取得者のこと。
主に障害を持つ方や介護を必要とする方々へのサポート業務を行います。
現段階で介護業界では唯一の国家資格ということもあり、専門的な知識と高度な技術が求められる貴重な資格です。
仕事内容は大きく分けて、『身体介護』と『生活支援』の2つに分けられ、専門性の高さを活かして職場の他の介護スタッフのマネジメントを担うこともあります。
またさまざまなスキルを持つスタッフがお互いに協力できるよう、スタッフのリーダー的な役割を果たすことも多いでしょう。
>>>あわせて読みたい「介護福祉士とは?資格の特徴や魅力をわかりやすく解説!」
介護福祉士国家資格の受験資格には、いくつかのルートがあります。
2017年4月1日~2027年3月31日までに指定の介護福祉士養成施設を卒業した人は、卒業後5年間介護福祉士として登録申請することができます。
この5年間は「経過措置」であり、5年後も介護福祉士として登録する場合は、試験を受験して合格する、あるいは卒業後5年間継続して介護の仕事に従事する必要があります。
なお2027年4月1日以降に養成施設を卒業する人が介護福祉士として登録するためには、最初から国家資格に合格することが必須です。
介護の仕事に従事しながら受験資格を満たすパターンです。
具体的な実務経験とは、以下の内容になります。
実務経験で介護福祉士国家資格を受験するには、上記のいずれかをクリアしている必要があります。
2009年(平成21年)以降に福祉系の高校に入学し、新カリキュラムの単位を修めて卒業した人は、介護福祉士国家資格を受験することができます。
この場合は実技試験は免除になります。
また2008年(平成20年)以前に福祉系高校に入学し、旧カリキュラムを履修し卒業した人でも受験は可能ですが、実技試験も受験する必要があります。
経済連携協定(EPA)に基づき入国し、3年以上(従業期間3年以上、従事日数540日以上)介護の仕事に従事した外国籍の人も受験することができます。
なおこのルートで受験資格のある人は「EPA介護福祉士候補者」と呼ばれます。
現在の対象国はインドネシア、フィリピン、ベトナムの3か国のみです。
現在公開されている介護福祉士国家試験の概要について紹介します。
▼第36回試験
筆記試験:令和6年1月28日(日)
実技試験:令和6年3月3日(日)
▼第36回試験
令和5年8月9日(水)から9月8日(金)まで
▼筆記試験
①人間の尊厳と自立、②人間関係とコミュニケーション、③社会の理解、④介護の基本、⑤コミュニケーション技術、⑥生活支援技術、⑦介護過程、⑧こころとからだのしくみ、⑨発達と老化の理解、⑩認知症の理解、⑪障害の理解、⑫医療的ケア、⑬総合問題
▼実技試験
介護等に関する専門的技能
令和6年3月25日(月)
出典:公益財団法人 社会福祉振興・試験センター| 介護福祉士国家試験 試験概要
介護福祉士国家試験の試験内容について解説します。
なお介護福祉士国家試験は筆記試験と実技試験に分かれますが、多くの人は筆記試験のみの受験で、実技試験を受けるのは「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」で受験する一部の人のみです。
筆記試験は午前(10:00~11:50)と午後(13:45~15:35)に分かれ、一日を通して実施されます。
出題形式は五肢択一で、選択肢のなかから正しいものなどを選ぶ形式です。
先述の通り13科目が出題され、問題数は全部で全125問あります。
科目は主に以下の4つに分類されます。
なお「総合問題」では、4領域にわたる範囲のなかから問題が出題されます。
■人間と社会
「人間の尊厳と自立(2問)」「人間関係とコミュニケーション(2問)」「社会の理解(12問)」で構成される領域です。
■介護
「介護の基本(10問)」「コミュニケーション技術(8問)」「生活支援技術(26問)」「介護過程(8問)」で構成される領域です。
■こころとからだのしくみ
「発達と老化の理解(8問)」「認知症の理解(10問)」「障害の理解(10問)」「こころとからだのしくみ(12問)」で構成される領域です。
■医療的ケア
「医療的ケア(5問)」で構成される領域です。
実技試験を受験するのは「福祉系高校ルート」「経済連携協定(EPA)ルート」で受験する一部の人のみになります。
実技試験では「介護等に関する専門的技」が問われ、被介護者の情報などが書かれた紙に基づいて、その場で実技を行う試験です。
介護福祉士国家試験の合格率は、過去5回の実施から74%程度であることが分かります。
区分 | 第31回 | 第32回 | 第33回 | 第34回 | 第35回 |
---|---|---|---|---|---|
受験者数 | 94,610人 | 84,032人 | 84,483人 | 83,082人 | 79,151人 |
合格者数 | 69,736人 | 58,745人 | 59,975人 | 60,099人 | 66,711人 |
合格率 | 73.7% | 69.9% | 71.0% | 72.3& | 84.3% |
出典:厚生労働省|第35回介護福祉士国家試験の受験者・合格者の推移
合格率が10%程度の国家試験も多いなか、約7割の合格率がある介護福祉士の試験は、比較的通過率が高いともいえるでしょう。
なおこの通過率の高さには、「3年以上の実務期間」という介護の仕事に精通した人のみ受けられる受験資格にも要因があると考えられます。
なお試験の合格基準値は60%で、ここから試験の難易度によって多少の補正がかかります。
また60%以上の得点があっても、11科目(一部科目を1科目群としてまとめて扱う)全てで得点しないと不合格となってしまいます。
介護福祉士国家試験の勉強方法には、主に以下の3パターンがあります。
資格のスクールなどが開催している介護福祉士国家試験対策講座などに通学しながら勉強する方法。
合格のために必要な教材や環境が整う点がメリットです。
また同じ目標を持ったクラスメイトの存在がいることから、常に緊張感を持って臨むことができるでしょう。
講師から直接講義を受けたり、質問したりできる環境も通学ならでは。
一方で、通信教育や独学に比べて費用と時間が掛かるという点は否めません。
通信教育講座に登録し、届けられた教材を元に勉強する方法です。
通学の場合の環境には届きませんが、合格のために必要な教材やサポートを受けることができます。
自分が好きなようにスケジュールを立てて単元を進めたり、テストを提出して添削してもらえることが特徴。
一方でスケジュールを自己管理をする必要があるため、自分ひとりでは集中して勉強できないという方には向かないかもしれません。
市販の教材などを用いて、自分の方法で勉強を行う独学。
近年ではインターネットでも過去問題が配布されており、必要なものが手に入りやすくなりました。
そのため、自分のペースで勉強を進められる人には、向いている勉強法といえるでしょう。
一方で、常に「本当にこれでいいのか」という不安感がある点や、通学や通信教育よりもモチベーションを保ちづらいという点も挙げられます。
介護福祉士国家試験は、筆記試験と一部の人にのみ実技試験が行われる試験です。
合格基準値は約60%ですが、毎年約7割の人が合格している試験でもあります。
受験資格は数パターン存在するため、自分に受験資格があるという方はぜひ挑戦してみましょう。
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