お役立ち情報
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リハビリと聞くと、理学療法士や機能訓練士などの専門職が行う印象を持ちますよね。しかし、ご利用者様の日常生活に深く関わっている介護福祉士でもできるリハビリがあります。今回は介護福祉士でもできる生活リハビリの内容を中心にお伝えします。
そもそもリハビリとはどのような意味なのでしょうか?
リハビリテーション(Rehabilitation)の語源はラテン語で、re(再び)habilis(ふさわしい・適する)という意味です。
WHO(世界保健機関)によると、能力低下やその状態を改善し、障害者の社会的統合を達成するためのあらゆる手段を含むと定義されており、自立した生活を目指します。
人がその人らしく生きるという人間の尊厳の回復を目指しており、個人の尊厳を守ることは医療・介護全体で求められています。
リハビリ職が行なうリハビリには、どのような内容があるのでしょうか?
リハビリの専門職と行うリハビリ内容について解説します。
理学療法士はPhysical Therapistの略語でPTとも呼ばれ、理学療法によるリハビリを担当します。
理学療法とは、身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、治療体操その他の運動を行なわせ、電気刺激やマッサージ、温熱その他の物理的手段を加えることと定義されています。
日常生活の改善を目指し、歩く・座る・動かすなどの失われた運動機能の回復をサポートします。
リハビリ内容は、衣服の着脱の練習や歩行訓練の実施など、日常生活を想定したリハビリも行います。
引用:厚生労働省|理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年六月二十九日法律第百三十七号)
作業療法士は、Occupational Therapistの略語でOTとも呼ばれ、作業療法によるリハビリを担当します。
作業療法とは、身体または精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は社会的適応能力の回復を図るため、手芸や工作その他の作業を行なわせることと定義されています。
日常生活の動作や作業を通して日常生活で困らないように、自立した生活を送ることを目標として、身体面だけでなく精神面もサポートします。
例えば、入浴の動作では服を脱ぐ・浴室のドアの開け閉め・洗身・浴槽に入る・浴室から出て着替えるといった一連の動作がありますが、動作の中でも苦手な部分を中心にリハビリを行ないます。
引用:厚生労働省|理学療法士及び作業療法士法(昭和四十年六月二十九日法律第百三十七号)
言語聴覚士はSpeech Therapistの略語でSTとも呼ばれ、言語聴覚療法によるリハビリを担当します。
言語聴覚士とは、音声機能、言語機能または聴覚に障害のある者についてその機能の維持向上を図るため、言語訓練その他の訓練、これに必要な検査及び助言、指導その他の援助を行う者と定義されます。
言葉によるコミュニケーションが難しい方や、食事や水分がうまく飲み込めない嚥下障害を持つ方に対して、コミュニケーションや摂食・嚥下機能の維持・回復を目的にサポートします。
例えば、食べるために必要なあご・舌などの筋肉を強化するための運動や、声を出すための姿勢や呼吸方法、口腔内の環境や機能の維持・向上を図るリハビリを行ないます。
リハビリの専門職以外でもリハビリは行なうことができ、生活リハビリと呼ばれます。
生活リハビリは、食事や排泄、更衣など日常生活上の動作をリハビリと捉え、ご利用者様のできることをできる範囲で行なっていただくという考え方です。
見守りや適切な介助を行ない、残存機能を活かすことにより筋力や意欲の低下を防ぎます。
ご利用者様の日常生活の中で、生活リハビリができる場面はいくつかあります。
トイレに間に合わないかもしれないという不安から、おむつなどの着用を希望するご利用者様もいます。
しかし、おむつの安易な使用はご利用者様の活動を妨げたり、自尊心を傷つけてしまう可能性があるでしょう。
着脱しやすいズボンを履き排泄までの手順をスムーズにしたり、ベッド横にポータブルトイレを設置することにより移動距離を短くする方法もあります。
おむつの使用によってご利用者様が安心して休める場合もあるため、状況に応じて判断しましょう。
ご利用者様の食事のペースはそれぞれ異なり、身体機能によっては箸やスプーンが使用しづらい場合もあります。
しかし介護士が安易に介助を行なってしまうと、ますますご利用者様の残存機能は低下してしまうでしょう。
食事の際に使用できる補助具には、スプーンが持ちづらい場合に握りやすする持ち手や、片手でも残さずに食べやすいくぼみがある皿など種類が多くあります。
補助具を活用するなどのサポートにより、自分で食事ができる達成感を感じる手助けになるでしょう。
身体の痛みや麻痺などがあったり、見られているという羞恥心により更衣に対して消極的なご利用者様もいます。
しかし身体機能に応じた衣類を着用することにより、自分で更衣がしやすくなるでしょう。
例えば、マジックテープが使用されている前開きの上着であれば、ボタンを開け閉めする動作がないため着脱がしやすくなります。
またウエストがゴムでゆったりしているズボンであれば、トイレへ行ったときに自分で上げ下ろししやすく排泄もしやすくなります。
身体に麻痺や痛みなどがあるご利用者様に対しては、健側から脱ぎ麻痺側から着る脱健着患の声かけをすると、自分で更衣がしやすくなるでしょう。
生活リハビリができる場面をご紹介しましたが、注意点もあります。
生活リハビリを行なう際は、理学療法士・作業療法士・言語聴覚士・医師・看護師などの多職種と連携して行うと、より効果的な生活リハビリが行なえます。
ご利用者様によってそれぞれ心身の状態は異なるため、専門職の目線でアドバイスをもらい、介護福祉士として安全に行なえる生活リハビリを検討しましょう。
適切な生活リハビリを行うためには、ご利用者様のADL(日常生活動作)を正確に把握する必要があります。
過度な負担は意欲の低下につながったり、事故のリスクを高めます。
ご利用者様の日々の状態を観察しながら残存能力を活かして行い、あくまでも無理はさせないようにしましょう。
また、ご利用者様と日常的に関わっているからこそ介護福祉士の視点も活かせます。
ご利用者様とコミュニケーションを取るなかで、ご利用者様の好きな事や趣味を知ることができる場面もありますよね。
生活リハビリにはご利用者様自身の意欲が大切であるため、意欲が出るような声かけを工夫して行なってみましょう。
リハビリ職以外の方がリハビリついて学べる資格に、民間資格のケアリハ検定があります。
日常のケアの中で安全かつ効果的なケアリハを実施するために、ケアリハの考え方や運動学、解剖学などの専門的な知識を習得しやすいプログラムが受けられます。
ケアリハ検定は3級から1級まであり、3級は入門編の位置づけで半日程度のカリキュラムやグループワークによって、リハビリの考え方や基礎的な知識を学べます。
2級から1級に上がっていくにつれ、技術・実技など内容はさらに専門的です。
理学療法士等のリハビリ専門職から講義を受けられます。
介護福祉士でもできる生活リハビリの内容を中心にお伝えしました。
介護福祉士は、ご利用者様の一番近くで支えているからこそ、ご利用者様が自立した生活を目指せるようにサポートできます。
ぜひ生活リハビリを日々のケアに取り入れ、ご利用者様がその人らしく生活できるよう意識してみましょう。
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