介護施設で気を付けたい傾眠傾向とは?原因や危険性について解説

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傾眠傾向とは、高齢者が時間を問わず眠くなってしまう状態です。傾眠傾向は介護事故や栄養不足などを引き起こすことも。また重大な疾病が隠れていることもあります。今回は、傾眠傾向とは何か、起こる原因や危険性、対処方法について解説します。

傾眠傾向とは?

傾聴傾向とは、高齢者が時間を問わず眠くなってしまう状態のこと。

周囲に声を掛けられたり肩をたたかれる程度で目を覚まします。

意識障害の1種であり、ただの眠気とは異なり病気の前兆ともいわれます。

傾聴が原因でさまざまな介護事故を引き起こしてしまう可能性もあるため、介護士が気付きしっかりケアすることが大切です。

傾眠傾向が起こる原因

傾眠傾向がこる原因としては、どのようなものがあるのでしょうか。

脱水症状

高齢者は体内の水分量が減ったり、のどの渇きを感じにくくなることから、脱水症状になりやすいです。

脱水症状になることで全身の機能が低下し、傾眠につながります

脱水症状は傾眠を引き起こすだけでなく、幻覚や幻聴を引き起こすことも。

認知症

認知症の症状として夜の睡眠不足が挙げられますが、これが原因で傾聴を引き起こすこともあります

傾聴傾向を防ぐために、夜はしっかり寝てもらうようサポートしましょう。

また認知症によるメンタルヘルスの変化も傾眠傾向につながるといわれています。

過眠症

傾聴傾向と似た症状に過眠症と呼ばれる疾患があります。

過眠症は夜にしっかり寝ているにもかかわらず、日中にどうしても眠くなること。

この過眠症は、睡眠不足やうつ、睡眠時無呼吸症候群などが原因で引き起こされます

内科的疾患

臓器の異常や疾患が原因で体の機能が低下し、傾眠傾向が起こることもあります。

この場合は、病院を受診し原因を特定させることが大切。

異常や疾患が回復することで改善されることもあります。

薬の副作用

薬には眠くなる成分を含んでいるものもあり、それが原因で服薬後に傾眠傾向が出ることもあります。

利用者様の傾眠傾向が薬を飲んだあとに出やすい場合は、薬の副作用が原因である可能性が高いでしょう。

また「抗てんかん薬」には副作用で傾眠傾向をもたらすこともあるため注意が必要です。

慢性硬膜下血腫

慢性硬膜下血腫とは、頭部への軽い打撲などが原因となり、徐々に血液が溜まることで引き起こされる病気です。

溜まった血液が脳を圧迫し、傾眠傾向をはじめ頭痛や物忘れ、歩行障害などの症状を引き起こします

放置すると症状が重症化することがあるため、早めの受診が大切です。

傾眠傾向の危険性

介護施設では、傾眠傾向の危険性としてどのような点が考えられるでしょうか。

転倒などの介護事故

傾眠傾向により車いすなどから転落したり、ずり落ちてしまうなどの介護事故が引き起こされることがあります。

傾眠傾向にある方は、ケガをしないように介護士が見守ることが大切。

傾眠傾向が出ないように、積極的に声をかけることもポイントです。

誤嚥(ごえん)

傾眠傾向のある方は、咀嚼する力が低下し食べ物が上手く飲み込めず、誤嚥を起こしてしまうことも。

食事介助の際は、しっかり飲み込めるようにケアしましょう。

食事の提供について、栄養士やケアマネージャーなどと相談することも大切です。

食欲低下による栄養不足

傾眠傾向になると食欲が低下し、満足に食事を摂れなくなることも。

それにより栄養不足に陥ってしまうこともあります。

また傾眠から目を覚ました直後は脱力感から自力で食事を摂れない利用者様もいらっしゃいます。

介護士が様子を観察して、必要に応じた食事介助を行いましょう。

傾眠傾向を対処する方法

介護施設で傾眠傾向に対処するには、どのような方法があるでしょうか。

積極的に声を掛ける

傾眠傾向のある方には、眠気に襲われないように積極的に声を掛けましょう

話に集中している間は、傾眠傾向が現れることはありません。

傾眠の隙を作らないように、軽い運動や散歩を促すのも良いでしょう。

また日中積極的に動くことで、夜ぐっすり眠ることにもつながります。

水分補給を促す

午前中の早い時間に水分を十分に補給することで、日中の傾眠を軽減させることができます。

熱中症や脱水症状による傾眠を防ぐためにも、定期的な水分補給を促すことが大切です。

>>>あわせて読みたい「高齢者が気を付けたい脱水症とは?症状や介護現場でやるべき対策」

薬・食事の時間を再調整

薬の副作用が原因で傾眠傾向が出ている場合は、薬の服用の時間や量を調整しましょう。

また傾眠傾向が出やすくなる時間に食事を提供していた場合も、利用者様がしっかり起きていられる時間に再調整するなどの工夫が必要です。

なお、薬の調整は医師の指示のもと行いましょう。

短時間の昼寝

傾眠傾向には夜の睡眠不足も関係しています。

どうしても傾眠傾向が出てしまう利用者様には、短時間の昼寝をしてもらうといいでしょう。

少しの時間睡眠してもらうことで、眠気が消えてすっきりできるかもしれません。

医師に相談

傾眠傾向には重大な疾病が隠れていることもあります。

傾眠傾向が気になる利用者様がいる場合は、医師に相談し、必要であれば病院を受診しましょう。

傾聴傾向は軽度の意識障害です。

意識障害が重度にならないために、早期発見に努めることが大切です。

まとめ

傾眠傾向は、高齢者が時間を問わずうとうとしてしまうこと。

傾眠傾向はさまざまな介護事故を引き起こしてしまうため、介護士がしっかり観察してケアすることが大切です。

重大な疾病が隠れていることもあるため、必要に応じて医師に相談しながら、施設全体で対処していきましょう。
 

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