お役立ち情報
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介護施設には、国が定めた「人員配置基準」に沿って介護士や看護師などの職員を配置しなければなりません。もし、介護施設の人員配置が基準以下だった場合、罰則が科されます。本記事では、介護施設の人員配置基準とはどのようなものなのか、また、基準を違反した場合はどうなるのかについて詳しく解説していきます。
■目次
介護施設では、安全かつ高品質な介護サービスを提供するために必要な職員の配置人数が定められており、これを「人員配置基準」といいます。
人員配置基準を下回る人数の職員で介護サービスを提供すると、職員の目が行き届かず、利用者様が危険にさらされるリスクがあります。
ここからは、介護施設の人員配置基準について、詳しく掘り下げて解説していきます。
介護施設の人員と聞くと、介護職員をイメージする方が多いのではないでしょうか。
しかし、介護施設の「人員」に含まれる職員は、介護職員だけではありません。
以下の職員・職種も介護施設の人員配置数に含まれます。
●介護士
●看護師/看護職員
●生活相談員
●介護支援専門員(ケアマネジャー)
●機能訓練指導員
それぞれ、利用者様が介護施設での生活を送るうえで必要なサポートを行う職種です。
ただし、介護施設の種別・形態・規模により、配置が必須の職員と配置が必須でない職員に分けられる場合があります。
先述した通り、人員配置基準は介護施設の種別・形態・規模によって異なります。
ここからは、5つの介護施設の種別・形態ごとに定められている「人員配置基準」についてご紹介します。
介護付き有料老人ホームとは、24時間介護や身の回りの支援を必要とする利用者様に対し、介護職員が常時介護サービスを提供する形式の介護施設です。
介護付き有料老人ホームでは24時間体制で手厚い介護サービスを提供するため、介護保険法に基づき、以下の人員配置基準が定められています。
職種 | 人員配置基準 |
---|---|
介護職員 | 看護師と合わせて、要介護者3名に対して常勤1名以上 |
看護師/看護職員 |
入居者30名以下に対して常勤1名以上 (入居者50名増えるごとに常勤1名追加) |
生活相談員 | 各介護施設に常勤1名以上 |
介護支援専門員 (ケアマネジャー) |
各介護施設に常勤1名以上 |
機能訓練指導員 | 各介護施設に常勤1名以上 |
住宅型有料老人ホームとは、自立されている方や、介護度が低い方の入居を想定している介護施設です。
介護を必要とする方にのみ、同事業所内に常駐している訪問介護士または訪問看護師が訪問し、介護サービスを提供します。
基本的には、利用者様の介護度や希望に応じて、訪問介護や通所介護などの外部サービスを利用するため、人員配置基準は特に定められていません。
>>>あわせて読みたい「有料老人ホームでの介護職の仕事内容は?メリットや給料事情など」
グループホームは、医師から認知症の診断を受けた利用者様が少人数制で入居するタイプの介護施設です。
ほかの介護施設に比べて、認知症ケアの専門知識を持つ職員が多く在籍していることが特徴です。
グループホームは少人数制のため、定員が1ユニット5〜9名、最大で2ユニット18名までと決められています。
グループホームの人員配置基準は、以下の通りです。
職種 | 人員配置基準 |
---|---|
介護職員 |
看護師と合わせて、入居者3名に対して常勤1名以上 (夜間帯はユニットごとに常勤1名以上) |
介護支援専門員 (ケアマネジャー) |
1ユニットにつき常勤1名以上 |
管理者 | 1ユニットにつき常勤1名(管理者研修の修了者であること) |
代表者 |
各事業所に1名 (認知症対応型サービス事業開設者研修の修了者であること) |
参照:厚生労働省|認知症対応型共同生活介護(認知症グループホーム)
>>>あわせて読みたい「グループホームで働きたい!サービス内容やメリットを紹介」
ケアハウス(軽費老人ホーム)とは、60歳以上の方を対象とした低所得者向けの介護施設です。
自立した方から介護度が高い方まで、どのような健康状態の方でも入居することができます。
ケアハウス(軽費老人ホーム)の人員配置基準は、以下の通りです。
職種 | 人員配置基準 |
---|---|
介護職員 |
・看護師と合わせて、要支援者10名に対して常勤1名以上 ・看護師と合わせて、要介護者3名に対して常勤1名以上 |
看護師/看護職員 |
入居者30名以下に対して常勤1名以上 (入居者50名増えるごとに常勤1名追加) |
施設長 | 各事業所につき常勤1名 |
生活相談員 | 入居者100名につき常勤1名 |
計画作成者 |
要支援者と要介護者を合わせて100名につき常勤1名 |
機能訓練指導員 | 各事業所につき常勤1名以上 |
>>>あわせて読みたい「介護職が知りたいケアハウスの仕事内容|メリットや向いている人」
サービス付き高齢者向け住宅とは、安否確認や生活相談などのサービスがついた高齢者向けの賃貸住宅です。
ケアハウスと同様に、自立した方から介護度が高い方まで、どのような健康状態の方でも入居することができます。
サービス付き高齢者向け住宅の人員配置基準は、以下の通りです。
職種 | 人員配置基準 |
---|---|
介護職員 | 日中のみ常勤1名以上 |
看護師/看護職員 | 日中のみ常勤1名以上 |
>>>あわせて読みたい「サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)での働き方について解説」
「公的施設」と呼ばれる介護施設では、人員配置基準のルールが定められています。
公的施設とは、地方自治体や社会福祉法人、医療法人などが運営する介護施設のことです。
具体的には、以下のような介護施設が「公的施設」に該当します。
これらの介護施設では、要介護度が高い方や医療的ケアを必要とする方が多く入居されているため、利用者3名に対して職員1名という人員配置基準が定められています。
ただし介護療養型医療施設では、長期療養を必要とする方が入居されているため、利用者様100名に対して常勤17名以上の介護職員または看護師を配置します。
人員配置基準の条件には「常勤換算」というものがあります。
常勤換算とは、介護施設に勤務する平均職員数のことです。
介護施設に勤務する職員は、正社員やパート、アルバイト、派遣雇用など、さまざまな雇用形態で働いています。
1日4時間勤務のパート職員と、1日8時間勤務の正職員を同じように「1人」と数えてしまうのはNGです。
常勤換算では、職員一人ひとりの勤務形態や勤務時間を考慮し、常時何人の職員が勤務しているのか、正確な人数を割り出します。
常勤換算では、以下の計算方法で勤務する職員の人数を割り出します。
計算式:非常勤の総労働時間÷1人の常勤が勤務する時間=常勤換算(人)
❶まず最初に、非常勤職員の週の労働時間を足します。
❷①で出た数字を、1人の正職員が週に労働する時間(40時間)で割ります。
❸➁で出た数字に、正職員の人数を足します。
常勤換算では「実際に介護業務に従事している時間」を計算するため、休憩中や出張中の職員を数に含めてはいけません。
また、清掃員や厨房職員など、本来の業務に携わっていない職員を人数に含めるのはNGです。
人員配置基準に違反した場合、どうなるのでしょうか。
また、人員配置基準の違反がバレることはあるのでしょうか。
結論からいうと、人員配置基準の違反は、行政職員により行われる実地指導や監査で発覚する可能性があります。
人員配置基準に違反した場合、以下のような罰則が科されます。
●事業所の指定取り消し
●効力の停止処分
しかし、以下の場合では例外となるため、人員配置基準の違反とみなされません。
●経過措置中:介護保険法の改正が行われる場合、旧制度から新制度への移行中は一時的に基準が緩和されます。
●緊急事態:新型コロナウイルス感染拡大や災害などの緊急事態により、一時的に基準が満たせなくなるケースでは、基準が緩和されます。
介護施設は、利用者様に安全かつ高品質な介護サービスを提供するために、人員配置基準に沿った人員の配置を行わなければなりません。
また、人手不足により介護業界は今後も人員数が減少していくことが予想されています。
利用者様に安心して過ごしていただけるよう、人員配置基準に基づいた人員配置を行い、安定して質の良いサービスを継続できるよう工夫することが重要です。
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