福祉用具専門相談員とは?仕事内容・資格の取得方法について解説

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福祉用具専門相談員とは、介護を必要とする高齢者や障がい者が日常生活で使用する福祉用具をコーディネートし、調整や使用方法の説明を行う専門職です。杖や歩行器、車椅子、介護用ベッドなど、使用者に合った福祉用具を提案します。本記事では、福祉用具専門相談員の仕事内容や資格の取得方法について解説します。

福祉用具専門相談員とは?

福祉用具専門相談員とは、介護が必要な高齢者や障がい者が日常的に使用する福祉用具の選定やアドバイス、使用後の調整を行う専門職です。

福祉用具は杖や歩行器、車椅子、介護用ベッドなど、介護を必要とする方が日常生活を送る上で欠かせない用具のことをいいます。

介護保険適用でレンタルできる福祉用具の貸し出しを行っている福祉用具貸与事業所では、2名以上の福祉用具専門相談員の配置が義務付けられています。

高齢化社会により介護を必要とする高齢者が増加している日本では、「住み慣れた自宅で最期を迎えたい」と希望する高齢者が増加傾向です。

福祉用具の選定で介護を必要とする高齢者の在宅生活を支える福祉用具専門相談員は、年々需要が高まっている職業です。

福祉用具専門相談員の資格取得方法

福祉用具専門相談員の資格を取得するには、各都道府県知事の指定を受けた研修機関で福祉用具専門相談員指定講習を修了する必要があります。

また、講習終了後は修了評価への合格で資格取得となります。

福祉用具専門相談員の受講要件や資格取得方法は、以下の通りです。

受講要件

「福祉用具専門相談員指定講習」の受講資格は定められておらず、無資格・未経験でも受講可能です。

ただし、研修機関によっては受講要件を定めている場合もあります。

受講要件は、事前に受講予定の研修機関にお問い合わせください。

カリキュラム・内容

福祉用具専門相談員指定講習で学習するカリキュラム内容は以下の通りです。

福祉用具と福祉用具専門相談員の役割(2時間)
介護保険制度等に関する基礎知識(4時間)
高齢者と介護・医療に関する基礎知識(16時間)
個別の福祉用具に関する知識・技術(16時間)
福祉用具に係るサービスの仕組みと利用の支援に関する知識(7時間)
福祉用具の利用の支援に関する総合演習(5時間)

受講時間は計50時間で、受講期間は約6日~8日です。

合格基準

「福祉用具専門相談員指定講習」を全て受講した後、最後に行われる修了評価への合格で修了証明書が発行されます。

修了評価は1時間の筆記試験で、講習の内容から出題されます。

難易度はあまり高くなく、講習の内容を理解していれば合格できます。

福祉用具専門相談員の仕事内容

福祉用具専門相談員が活躍する職場は、福祉用具貸与事業者や福祉用具販売店など、福祉用具のレンタルや販売に関わる事業所が主です。

ここでは、福祉用具専門相談員の仕事内容を3つご紹介します。

福祉用具のレンタル・販売

福祉用具には「貸与できるもの」と「販売するもの」の2つがあり、福祉用具専門相談員は貸与や販売に関するそれぞれの手続きを行います。

福祉用具の貸与または販売を希望する方が、福祉用具の利用に関して相談するのは、福祉用具専門相談員ではありません。

福祉用具の利用希望者は、まず居宅介護支援事業所のケアマネジャーへ相談します。
利用者またはご家族から相談を受けたケアマネジャーが利用者のアセスメントを行い「福祉用具サービス計画」を作成します。

福祉用具専門相談員は、ケアマネージャーが作成した「福祉用具サービス計画書」に沿って、使用者に適した福祉用具の調整・取扱説明を行う流れです。

また、福祉用具の貸与・販売後も定期的に使用者のモニタリングを行い、福祉用具の不具合がないかを確認します。

営業活動

福祉用具専門相談員は、高齢者介護施設や高齢者が住むサービス付き高齢者向け住宅などに出向き、自社サービスの営業を行います。

また高齢者介護施設の職員に向けた研修の一環として、最新型の福祉用具を紹介したり、福祉用具の取扱説明を行い、自社で取り扱っている製品を宣伝します。

事務業務

福祉用具にはさまざまなメーカーがあり、各メーカーで使用者がより使いやすい新製品の開発を行っています。

そのため、車椅子1つでも従来製品と新製品では、重量・サイズ・折りたたみのしやすさなど、さまざまな面での改良が進んでいます。

福祉用具専門相談員は、各メーカーへの発注・納品に関わる事務作業や、使用者への介護報酬請求など、事務業務を担う機会が多いです。

福祉用具専門相談員のやりがい・メリット

福祉用具専門相談員の仕事には、どのようなやりがいがあるのでしょうか。

また、福祉用具専門相談員の資格を取得するメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。

ここでは、福祉用具専門相談員のやりがいや資格取得のメリットを3つご紹介します。

使用者の生活上の不安を解消できる

福祉用具を使用する方は、加齢による身体機能の低下や身体障がいがあり、日常生活に不便を感じています。

福祉用具専門相談員は、「買い物に行けるようになりたい」「1人でトイレまで行けるようになりたい」といった使用者の目標に沿う福祉用具の選定を行います。

福祉用具の導入によって、使用者の目標を達成したり、生活機能の改善を図るため、感謝の言葉を頂ける機会が多い仕事です。

仕事が評価されやすく達成感が大きい

使用者に合った福祉用具の提案や、介護施設での福祉用具の導入に関する提案など、福祉用具専門相談員は福祉用具に関する提案をする機会が多くあります。

自分自身の提案が認められたときは、大きな達成感を得ることができます

また、福祉用具の使用者から、福祉用具の導入によってできることが増えたという嬉しい声をいただけることが、福祉用具専門相談員の1番のやりがいです。 

介護職員のキャリアチェンジに適している

福祉用具専門相談員は、福祉用具の使用者を支える介護職員や家族介護者よりも、少し離れた視点で福祉用具の選定・提案を行います。

介護職員は福祉用具を使用する方の食事・入浴・排泄などの日常生活の介護をするため、福祉用具のネジのゆるみなどの不具合に気づかないことも多いです。

福祉用具専門相談員は、介護職員のキャリアチェンジにおすすめの職種です。

介護現場で実際に福祉用具を使用した経験を活かせるだけでなく、介護職を経験しているからこそ使用者から少し離れた視点で客観的にモニタリングをすることができます。

福祉用具専門相談員の大変さ・デメリット

福祉用具専門相談員の仕事には、どのような大変さがあるのでしょうか。

また、福祉用具専門相談員の仕事や資格取得を選ぶことにはデメリットがあるのでしょうか。

ここでは、福祉用具専門相談員の大変さ・デメリットを3つご紹介します。

体力的な負担が大きい

福祉用具専門相談員の仕事は、意外にも体力勝負です。

エレベーターのない集合住宅やアパートなどに、重量のある介護用ベッドや車椅子などの福祉用具を搬入することも。

また、搬入後の組み立て作業も短時間で行わなければならないため、体力的・肉体的な負担が大きいです。

使用者から苦情の連絡が入ることが多い

「先日搬入してもらった歩行器が使いにくいから、別のものに交換してほしい」

「車椅子を新調したけど使いにくい。やっぱり前の車椅子の方が良かった」

使用者からこのような連絡を受けると、福祉用具専門相談員はその都度使用者の自宅を訪問し、調整や福祉用具の変更を行います。

使用者が納得できるまで微調整を重ねることには、大変さを感じることもあるでしょう。

職場によっては営業ノルマがある

福祉用具貸与・販売事業所は福祉用具を製造するメーカーと、実際に福祉用具を使用する方の橋渡し役を担います。

そのため、高齢者が入居する介護施設や高齢者が住むサービス付き高齢者向け住宅などに自社サービス・自社で扱っている製品を宣伝する必要があります。

職場によっては営業ノルマがあり、福祉用具専門相談員としての仕事よりも営業の仕事ばかり任されるといったケースもあるのです。

福祉用具専門相談員としてのスキルが活かせていないという不満がある場合、スキルが活かせる職場への転職がおすすめです。

まとめ

福祉用具専門相談員は、福祉用具に関する専門知識を有している専門職です。

近年、高齢化の進行に伴い「介護が必要になっても最期まで自宅で暮らしたい」と希望する要介護高齢者が増加しています。

福祉用具専門相談員は使用者一人ひとりに合った福祉用具の選定を行い、介護を必要とする高齢者の在宅生活を支える仕事です。

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