【介護士必見】サルコペニアってなに?フレイルとの違いは?

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「サルコペニアってどんな意味があるの?」「サルコペニアとフレイルの違いってなに?」このような疑問をお持ちの方もいるのではないでしょうか。サルコペニアは高齢になるに伴い筋肉量が減少していく現象をいいます。フレイルの原因のひとつでもあり、密接に関わり合っています。本記事ではサルコペニアの種類やチェック方法、フレイルとの違いまで解説します。サルコペニアについて学んで仕事で役立ててみましょう。

サルコペニアとは?

サルコペニアとは、高齢になるにともなって筋肉量が減少していく老化現象をいいます。

1989年に米国タフス大学の研究者Rosenbergにより提唱された比較的新しい造語です。

広背筋・腹筋・膝伸筋群・臀筋群を中心に多く見られ、歩行や立ち上がりがしづらくなり放置すると歩行自体が困難になってしまいます。

同じような言葉として、「フレイル」は老化により心身機能や社会活動量が低下した状態をいいますが、サルコペニアはこのフレイルの原因のひとつです。

サルコペニアには以下の2種類があります。

一次性サルコペニア
二次性サルコペニア

それぞれの特徴を解説します。

一次性サルコペニア

加齢以外に明確な原因がないのが一次性サルコペニアです。

高齢になると筋肉量が低下してしまいます。
個人差がありますが、20歳ごろの筋肉量は体重の40%程度です。

20歳時点を基準に考えると、70歳くらいでは男女ともに30%の低下がみられます。
すると、10年間でおよそ6%ずつ低下していることになるでしょう。

高齢になると障害物がなくてもつまずいてしまう場面もありますが、注意力不足と思い込んでしまうことがほとんど。

しかしこれらには筋肉の減少が原因となっているケースもあり、サルコペニアを見逃さないように注意が必要です。

二次性サルコペニア

加齢以外の原因が特定できるのが二次性サルコペニアです。

原因は大きく分けて3つあります。

活動量が原因のサルコペニア

具体的な原因は以下の通りです。

寝たきり
活発ではない生活習慣
体調不良
無重力状態

活動量が原因のサルコペニアとは、活動量の低下により引き起こされるサルコペニアです。

外出や運動する機会が減ると運動不足により筋肉量が低下し、サルコペニアの原因になります。
また、寝たきりになると立って歩くなどの重力に逆らう行動ができなくなり、疑似的に無重力状態に陥ってしまいます。

すると筋肉量や骨に対する負荷が減り、老化スピードが早まってしまうのです。

疾病が原因のサルコペニア

具体的な原因は以下の通りです。

心臓・肺・肝臓・脳などの臓器不全(心不全など)
炎症性疾患(関節リウマチなど)
悪性腫瘍(がんなど)
内分泌疾患(甲状腺機能亢進症や糖尿病など)

疾病が原因のサルコペニアとは、病気により引き起こされるサルコペニアです。

原因となる病気は心不全や糖尿病など、多岐にわたります。
例えば心不全を患っている方は長期間安静にしていたり、ほとんど運動しない生活を送っていたりします。

活動量が少ないと筋肉量が低下しやすく、サルコペニアが進行しやすいといえるでしょう。

栄養が原因のサルコペニア

具体的な原因は以下の通りです。

食欲不振
消化管疾患などによる栄養不足

栄養が原因のサルコペニアとは、身体の筋肉のもとになる栄養の不足により引き起こされるサルコペニアです。

筋肉を生成するにはたんぱく質やビタミンDなどの栄養が欠かせません。
例えば75歳以上の活動量が少ない男性の場合、1日に必要なたんぱく質の量は68g~90gです。

たんぱく質をはじめとした栄養が不足すると、サルコペニアが起こりやすくなるでしょう。

サルコペニアの簡易チェック

サルコペニアは筋肉が減少する現象をいいますが、ご本人や周囲の方が注意することにより予防・改善できます。

しかし、サルコペニアを予防・改善するには現在の状態の把握が大切です。

サルコペニアは以下の方法で簡易的にチェックできます。

片足立ちテスト
指輪っかテスト
歩行速度のテスト

ひとつずつ具体的に手順を解説します。

片足立ちテスト

片足立ちテストの手順は以下の通りです。

腰に両手をあてます。
片方の足を5cmほど浮かせます。
片足を浮かせた状態を約60秒保ちます。
足を交代して1~3を繰り返します。

片足立ちを保てる時間が8〜15秒未満の場合は筋肉量が低下しており、サルコペニアの可能性が高いでしょう。

なお、片足立ちテストは転倒を防止するために手すりなどの近くで実施しましょう。

指輪っかテスト

指輪っかテストの手順は以下の通りです。

両手の人差し指と親指で輪っかを作ります。
利き足ではない方のふくらはぎの最も太い部分に当て、その部分を囲めるかチェックします。

隙間が小さければ筋肉量が低下している可能性は低くなります。

隙間が大きければ筋肉量が低下しており、サルコペニアの可能性が高いでしょう。

歩行速度のテスト

6m以上の距離を歩く速度を測ります。

歩行速度が1秒あたり0.8~1m未満の場合、サルコペニアの可能性が高いでしょう。

フレイルを放置すると介護が必要になるケースも

フレイルの診断項目には身体機能・筋力の低下が含まれており、サルコペニアとフレイルは密接に関係しているといえるでしょう。

また健康な状態と介護が必要な状態の間がフレイルであり、介護が必要になる前段階であるフレイルを放置すると介護が必要になるケースもあります。

介護が必要になるリスクが高いフレイルは以下の3種類です。

身体的フレイル
オーラルフレイル
社会的フレイル

それぞれ具体的に解説します。

身体的フレイル

身体的フレイルのチェック項目は以下の通りです。

体重減少
筋力低下(握力で評価)
身体能力の低下(歩行速度)
活動量の低下
易疲労感

上記の項目に1つでも当てはまれば身体的フレイル予備軍、3つ以上当てはまれば身体的フレイルであると考えられます。

身体的フレイルは、介護が必要と判断される要介護新規認定リスクが3.7倍高まります

オーラルフレイル

オーラルフレイルのチェック項目は以下の通りです。

⾃⾝の⻭の数が20本未満(客観)
咀嚼能力の低下(客観)
滑舌の低下(客観)
舌運動の力の低下(客観)
嚙めない食べ物の増加(主観)
お茶や汁物でむせる(主観)

上記の項目に1つでも当てはまればオーラルフレイル予備軍、3つ以上当てはまればオーラルフレイルであると考えられます。

オーラルフレイルは、要介護新規認定リスクが2.4倍高まります

社会的フレイル

社会的フレイルのチェック項目は以下の通りです。

月に1度も友人と食事をしない
週に1度も町の外に外出しない
半年前と比べて外出頻度が減った
困った時に助けを求める親族がいない
独居/同居でも3食とも孤食
年間の収入が少ない(経済的困窮)

上記の項目に1つでも当てはまれば社会的フレイル予備軍、3つ以上当てはまれば社会的フレイルであると考えられます。

社会的フレイルは、要介護新規認定リスクが2.4倍高まります

まとめ

サルコペニアには一次性と二次性があり、いずれも高齢の方に現れやすい現象です。

歩行困難や転倒につながってしまう恐れもあり、筋肉量の低下を防ぐ必要があります。

また、介護が必要になる前段階であるフレイルの原因のひとつがサルコペニアであり、両者は密接な関わりがあります。

本記事で解説したサルコペニアの原因や簡易チェックを踏まえ、介護士としてご利用者様の安全な生活を守るのに役立てましょう。

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