お役立ち情報
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介護現場ではベッドから車椅子へ、車椅子からベッドへなど移乗の介助が必要とされることが多くありますよね。しかし移乗のコツをおさえていないと利用者へ恐怖心を与えてしまったり、介護者自身も腰痛を引き起こしてしまう場合があります。この記事では、介護職が知っておくべき移乗のコツ、移乗にも応用できるボディメカニクスの8原則、移乗の際してはいけないことを紹介します。
今回はベッドから車椅子への移乗を例に、移乗の基本やコツを紹介します。
移乗の前にしておくべきことは、以下の2つです。
部屋に入ってきて流れ作業のように「起きましょう」と突然声をかけ、移乗介助を始めてはいけません。
利用者の様子や表情を観察し、変わりがないことを確認してから介助に入ります。
また今回は全介助での移乗を紹介しますが、実際は利用者の残存能力を一部使って移乗することが多いかと思われます。
利用者が自分でできるところ、介助が必要なところを予め把握した上で残存能力を活かせる介助をしましょう。
まずは車椅子を準備します。
以上6つの点を確認します。
車椅子をベッドに近づけておくのは利用者・介護者の負担を軽減するため。
ですが慣れないうちは、移乗前に再度しっかりベッドと車椅子の位置を確認し距離感を把握しておきましょう。
移乗介助中は、介護者は何かあってもすぐ利用者を支えられる位置で行います。
ひとつの動作ごとに丁寧な声かけを行いましょう。
❶ベッドサイドに座ってもらう
・利用者は両足がつくように浅めに座る
・利用者は足をひいておく
・利用者は足を開く
・利用者は前傾姿勢で座る
・利用者の膝より臀部の位置がやや高くなるベッドの高さが理想
❷介護者の肩に利用者の腕をまわす
❸重心の高さを利用者に合わせ腰を低く下げ、利用者の背中に両腕をまわす
❹利用者が前傾姿勢のまま、少し立ち上がるようにして臀部を浮かせる
❺高さはそのまま、利用者の臀部を車椅子に向けるように回転する
❻ゆっくり車椅子に座る
❼利用者が安定した姿勢になっているか確認する
・座位の傾きがない
・深く座れている
・顔が前を向いている
ここまでがベッドから車椅子の移乗介助になります。
次に移乗にも応用でき腰痛も防げる、介護職が知っておくべきボディメカニクスの知識もお伝えします。
ボディメカニクスとは、身体力学を使って最低限の力で介護ができるようになるための技術です。
これを使うと強引で不安定な介護ではなく、介護される側も安心して介護を受けられます。
なにより介護者の身体の負担を軽くできるので、介護者側・介護を受ける側両者に大きなメリットがあります。
支持基底面積とは、足の裏など床と接している部分で囲まれた外周の広さを表します。
介護者が足を閉じたまま・もしくはあまり開いていない状態で不安定な介護するのではなく、前後左右状況に合わせてしっかり足を開き、支持基底面積を広くとることを心がけましょう。
支持基底面積を広くとった上で、膝を曲げ重心を低くします。
こうすることでバランスがとりやすく安定し、腰に負担がかかりません。
立ち上がりの介助などは介護者と利用者がしっかり密着し、重心を近づけるようにします。
遠くの重いものを取ろうとすると身体に負担がかかるのと同じで、お互いの重心が遠いと介護者の腰に大きく負担がかかり腰痛を引き起こす原因になります。
重さは同じでも、大きいものを持つより小さいものを持つ方が負担は少ないということと同じです。
ベッドからの起き上がりなどでは、腕や足を組んで利用者の身体がベッドに触れる面積を小さくすることで負担が軽減できます。
腕や手の筋肉だけの力で介護してしまいがちですが、小さな筋肉を酷使すると身体の負担になります。
腰、太もも、背中など大きな筋群を使うことを意識して介助しましょう。
利用者を持ち上げようとする力は、介護者の身体に大きな負担がかかります。
椅子やベッドの高さなど工夫し、水平移動を意識することで負担の軽減になります。
押す力は手前に引くより負荷がかかります。
介護者だけでなく利用者の負担にもなるので、押すより引くを意識しましょう。
ベッド上での位置調整などはその場で利用者を押すのではなく、介護者が移動して手前に引く介助で位置を調整します。
てこの原理で支点・力点・作用点を意識しましょう。
例えばベッドからの起き上がりをする場面では、利用者の身体を小さくまとめお尻を支点にし遠心力を活用することで、身体に負担をかけることなく介助できます。
移乗の際にしてはいけないことをまとめました。
慣れないうちはやってしまいがちですが、癖になる前にやめるよう意識しましょう。
「立ちますよ」「座りますよ」など動作ごとに声掛けをしていますか?
何も声をかけずに介助すると、利用者も次に何をされるかわからないことから恐怖心を抱きます。
逆に丁寧に声掛けしながら介助すると安心でき、次の動作に向けてできる部分は利用者も可能な範囲で身体を動かせるため、お互いに楽な移乗が可能になります。
利用者を落としてしまうのが怖いからとズボンを持つ介護者もいますが、良くない介助です。
皮膚のこすれや痛み、ズボンの傷み、何より利用者に不快感を与えますよね。
ズボンを持たなくても安全に移乗できるような技術を身につけましょう。
無理やり持ち上げるなど強引に、自分の力の勢いに任せて介助していると後々腰痛の原因になります。
また利用者側にも恐怖心を与え、勢いよく動かされることで身体に負担がかかるでしょう。
自分も利用者も守るために、ひとつひとつの動作を丁寧に介助しましょう。
今は介護者の身体を守るために、身体介護の研修を受ける機会を増やしたり、いろいろな福祉用具を取り入れて工夫しているところも多くみられます。
介護者側も正しい知識やコツを身につけて、自分の身体も利用者の身体も負担が軽減できる介護を実践するように努めていきましょう。
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