介護士のワンオペ夜勤とは?ワンオペ夜勤の実態や介護士の悩み

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介護施設の夜勤業務を1人で担当するいわゆる「ワンオペ夜勤」。夜勤は日中よりも介護業務が少ないなどの理由から、ワンオペ夜勤を行う施設も珍しくありません。介護業界で問題視されているものの、なかなか改善に至っていない「ワンオペ夜勤」の実態とは、どのようなものなのでしょうか。そこで今回は、介護職のワンオペ夜勤の実態やワンオペ夜勤を担う介護職の悩みについて解説します。

介護職のワンオペ夜勤とは?

「ワンオペ」は「ワンマン・オペレーション」の略で、1人で全ての作業を切り盛りするということ。
すなわちワンオペ夜勤とは、介護職が1人で介護施設の夜勤業務を行うことを指します。

昨今の日本では高齢化が進み、要介護高齢者の人数が増え続けている現状です。
それに伴う介護人材の確保が追いついておらず、介護業界は深刻かつ慢性的な人手不足問題を抱えています。

そのため、ワンオペ夜勤を行っている介護施設が多いことが実情です。

また「介護老人福祉施設」と「短期入所生活介護(ショートステイ)」のみ夜勤の人員配置基準が明確に定められていますが、それ以外の施設については明確に定められていません。

ただし介護保険法では「要介護者1人以上:介護職員1人以上」の配置が必要とされているのみで、ワンオペ夜勤についての規定は特にありません

しかし夜勤者1人で火事や地震などの災害時や利用者様の急変時などの対応、緊急事態を考慮し、近年では介護職のワンオペ夜勤が問題視されています。

介護職のワンオペ夜勤の実態や仕事内容

介護施設の夜勤には、2交代勤務と3交代勤務があります。

<2交代制と3交代制の勤務時間一例>
2交代制:日勤(8:00~17:00の8時間)と夜勤(16:00~翌8:00)
3交代制:日勤(6:00~14:00)と準夜勤(14:00~22:00)と夜勤(22:00~翌6:00)

24時間体制で利用者様の見守りを行う介護施設の約8割以上が、2交代制夜勤です。

その中でも、半数を超える介護施設がワンオペ夜勤を行っているといわれています。

すなわち、16時間という長時間の夜勤を介護職1人が担っている介護施設は珍しくないということです。

また、近年では以下のようなワンオペ夜勤の実態が問題視されています。

  • ユニット型施設の場合、介護職1人に複数のフロアを全て対応することを求める
  • グループホームや小規模多機能型居宅介護事業所、定期巡回随時対応型訪問介護など、小規模の介護事業所のほとんどがワンオペ夜勤を行っている
  • 正社員のみならず、パートやアルバイトなどの非正規職員もワンオペ夜勤に入っている
  • 仮眠室が男女で区別されていない、もしくは十分な仮眠場所がない

介護職がワンオペ夜勤で行う業務内容

ワンオペ夜勤であっても、2人体制の夜勤であっても、基本的には夜勤者が行う業務内容は同じです。

以下では、2交代制夜勤(16時間勤務)の場合の夜勤業務の内容を解説します。

日勤者からの引き継ぎ

夜勤者が出勤して最初に行う業務は、日勤者からの引き継ぎです。

日中に体調や容態に変化があり、夜間に配慮が必要な利用者様の報告を受けます。

また引き継ぎ後は日勤者とともに、利用者様の夕食介助や口腔ケア、就寝介助を行います。

巡回・コール対応

利用者様が就寝してからは1~2時間おきに巡回をし、体位交換やオムツ交換などの必要な介助と安否確認を行います。

また利用者様からナースコールがあれば都度対応し、合間に介護記録を作成します。

起床介助・朝食介助

朝を迎えると、利用者様の起床介助や排泄介助、朝食の準備と介助など、早出職員と協力しながら休む間もなく数多くの業務をこなします。

日勤者へ引き継ぎを行い、退勤となります。

介護職のワンオペ夜勤のメリット・デメリット

ワンオペ夜勤を行っている介護施設は多くありますが、緊急事態の対応の難しさや職員の体調不良時に代われる人がいないなどのデメリットが付き物です。

しかし、大変といわれるワンオペ夜勤に「向いている」という介護職もいます。

ワンオペ夜勤のメリットとデメリットについて紹介します。 

ワンオペ夜勤のメリット

夜勤手当が支給されるため、給与アップが期待できる

 利用者様が眠っているため、日中よりも業務が少ない

 1人のため、他の職員に気を遣う必要がない

ワンオペ夜勤のデメリット

日中に寝て夜間に仕事をするため、昼夜逆転になりやすい

 生活リズムの乱れから体調不良を起こしやすいが、代われる職員がいない

 友人や家族との時間が合わず、プライベートと両立しにくい

 急用が生じても、代われる職員がいないことから有給休暇が取得しづらい

 利用者様の急変時に1人で全て対応しないといけない

 火災や地震などの災害が発生したときでも1人で全て対応しないといけない

介護職のワンオペ夜勤での悩み

ワンオペ夜勤では、急用や急な体調不良が生じても代わってもらえる職員がいないことや、災害時・利用者様の急変時に1人で対応しなければならないプレッシャーがあります。

以下では、実際にワンオペ夜勤を行う介護職が感じる悩みや心配事についてご紹介します。

突然2人体制からワンオペ夜勤に変更になった

入社した当時は2階建ての各フロアを2人の夜勤者がそれぞれ巡回していた。

しかし退職者が相次ぎ、1人の夜勤者が2階建ての各フロアを巡回することになった。

このように、施設の状況により夜勤の人員配置が変更となる場合があります。

これまで2人体制だったのが突然1人で複数のフロアを任されることになると、強い不安感や緊張感を感じてしまうでしょう。

緊急事態への憂いが尽きない

「1人で夜勤をしていて、突然地震や火災が起きたらどうしよう」
「自分が夜勤中に利用者様の容態が急変したり、亡くなったりしたらどうしよう」
そんな不安を感じながら夜勤に入り、仮眠中でも些細な物音で起きるようになってしまうため、寝不足や強い疲労感を感じる介護職も多くいます。

施設ごとに「災害時マニュアル」や「救急搬送・心肺蘇生マニュアル」が用意されていますが、実際にマニュアル通りの対応が行えるのかは別問題。

夜勤に入る介護職はそのような不安を抱えながら、日々夜勤業務を行っています。 

転職が頭によぎる

しばらくワンオペ夜勤を続けていたが、緊張感や不安感から十分な仮眠がとれず、寝不足や疲労感が昼夜問わずつきまとっている…
そのような状況になり「転職」という言葉が頭によぎりつつも、ついつい他に代わる職員がいないからと今日も出社してしまう…

このように、心身に疲れや不調を感じていても「自分が辞めたら他に夜勤に入れる人がいない」という責任感を感じ、なかなか転職できない介護職も多いようです。

介護職のワンオペ夜勤に悩んだら

ワンオペ夜勤に強い不安感や緊張感、激しい疲れを感じたときは、無理して今の仕事を続ける必要はありません。

介護施設と一口に言っても、施設の種別や形態にはさまざまな種類があり、人員配置や業務内容は施設の種別・形態ごとに大きく異なります。

  • 各フロアに2位の職員が常駐している
  • 介護職は1人だが、看護師が1人常駐している
  • ワンオペ夜勤だが、早番や遅番の職員がいるため、実質1人なのは数時間程度

このように、施設ごとに夜勤時の人員配置や勤務構成には大きな違いがあります。

また職員の健康管理や腰痛予防などを徹底している介護施設もあるため、ワンオペ夜勤で心身の負担を感じたら転職することがおすすめです。

ワンオペ夜勤に悩む介護職におすすめの転職先

ワンオペ夜勤で過度な不安感や緊張感、疲れを感じている介護職におすすめの転職先には、以下のようなものがあります。

デイサービス・デイケア

夜勤なしの「日勤のみ」で働くことができ、自立度が高い利用者様のケアを行います。

心身への負担が少ないことや、レクリエーションや体操で利用者様と共にリフレッシュできることが特徴です。

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介護事務

勤務時間が平日の日中8時間、休みは土日祝日と固定制です。

生活リズムが整いやすく、事務仕事なので体力的な負担が少ないです。

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ケアハウスなどの生活相談員

主に利用者様の安否確認や相談業務を行います。

日勤のみで働くことができ、体力的な負担が少ないことが特徴です。

生活相談員になるには各自治体が指定する要件を満たす必要があるため、転職を希望する際は各自治体の公式サイト等でしっかり確認しましょう。

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まとめ

介護業界では人手不足などの理由から、多くの介護施設がワンオペ夜勤を行っています。

夜勤中は利用者様が眠っているため日中よりも業務量が少ないですが、いつ火災や地震などの災害や利用者様の容態急変が起こるか分かりません。

ワンオペ夜勤に強いプレッシャーを感じたら、無理せず転職すも検討してみましょう。

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