お役立ち情報
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介護士のメンタルケアについて解説します。介護の仕事は認知症利用者様との関わり方に戸惑ったり、職員同士の人間関係トラブルに悩んだりとストレスが付き物です。しかしストレスが溜まることで仕事でのミスが増えたり、介護事故を起こすことも。本記事では、介護現場で活躍する介護士に欠かすことができない「メンタルケア」の重要性についてご紹介します。
■目次
介護施設で働く介護職にメンタルケアやストレスコントロールは欠かせません。
それは、介護の仕事は「人の命を預かる仕事」だからです。
介護職がストレスフル状態で働くことには、以下のようなリスクが潜んでいます。
時間に追われて多くの介護業務をこなすことへのプレッシャーや職員同士の派閥争いなど、介護職が蓄積された仕事の悩みやストレスを利用者様に発散してしまうケースがあります。
ストレスの蓄積を重ねることで、介護士が殴る・蹴るなどの暴力や利用者様に暴言を吐くなどの虐待行為を引き起こしてしまうリスクがあります。
虐待行為はいけないことと認識しているものの、仕事でのストレスが蓄積されてしんどい…
そのような悩みを抱える介護職が無意識で行いがちなのが、利用者様への不適切ケアです。
「ちょっと待って!」「今忙しいの!」と偉そうな口調で利用者様の行動を抑制するなど、虐待行為とも捉えられるグレーゾーンの対応を行ってしまうリスクがあります。
>>>あわせて読みたい「【介護職必見】虐待グレーゾーン…不適切ケアとは?実態や原因」
ストレスや疲労が蓄積され心を病んでしまっている介護職は、冷静かつ的確な判断ができません。
そういったことにより利用者様の見守りや観察が十分に行き届かず、食事中の窒息や転倒による骨折など、重篤な介護事故を引き起こしてしまうリスクがあります。
介護職が自身のストレスケア・ストレスマネジメントを怠ることで、利用者様への虐待行為や不適切ケア、介護事故などの危険因子に直結します。
それだけでなく介護職自身が心を病んでしまい、仕事の継続が難しくなることも大きな危険因子です。
以下の異変を感じたら、即座に医療機関を受診しましょう。
不眠や食欲不振、激しい気分の落ち込みややる気の消失などの異変に気付かず、放置してしまった場合、以下のような精神障害を引き起こすリスクがあります。
うつ病は過剰なストレスや疲労、個人の性格や物事の捉え方などが要因となり、引き起こされる心の病です。
同僚や上司からの陰口・利用者様やご家族から理不尽なクレームなどによるストレスが、うつ病の元凶となりやすいため要注意です。
>>>あわせて読みたい「介護士はうつ病になりやすい?原因やどうしても辛いときの対処法」
燃え尽き症候群は利用者様やご家族、上司や先輩職員など、他者からの期待に精一杯応えようとすることが要因となり、引き起こされる心の病です。
情熱的かつ献身的に仕事に励んでいた介護職が、突発的に無気力感や抑うつ、自己嫌悪を感じるなどのうつ症状を起こします。
>>>あわせて読みたい「介護職に多い燃え尽き症候群(バーンアウト)とは?原因と対策」
激しい気分の落ち込みや食欲不振、睡眠障害などの自覚症状を感じて医療機関を受診したところ、うつ病もしくは燃え尽き症候群だと専門医から診断を受けた。
このような状態になった時は、適切な治療や対応が必要になります。
心の病の治療において1番大事なのは、充分な休養をとることです。
そのためには、うつ病患者を取り巻く周囲の人たちも配慮をしなければなりません。
「いつ頃復帰できそう?」「頑張ってね!応援してる」といった言葉は避け、「仕事のことは気にせずゆっくり休んでね」と受容的な態度で接することが重要です。
自身の健康や利用者様の身の安全を確保するためには、ストレスマネジメントが欠かせません。
「ストレスマネジメント」とは、自分自身のストレス管理のこと。
溜まってしまったストレスの解消方法や、ストレスとなる要因を排除することなど、具体的には以下のような方法で行います。
仕事の効率と精度を上げるために、休日はしっかり休養をとりましょう。
特に、入浴介助や連続夜勤などで心身の疲労が多かった時には、充分な睡眠や休養時間を確保することが大切です。
運動や旅行、食事、友人との談話、睡眠などでリフレッシュすることをオススメします。
仕事の要領が良い先輩職員に仕事を急かされても、自分のペースを保つようにしましょう。
早さよりも的確に丁寧に目の前の業務を行うことが大切です。
また自分自身の仕事を丁寧に行うだけでなく、周囲の職員に対しても仕事の早さや完璧さを求めないことも、ストレスマネジメントに重要なことです。
職場に不必要なプライベートの話を持ち込むことは、人間関係トラブルの種になります。
他の職員の陰口を言い、非難するような場面は避けるようにしましょう。
また、社内恋愛も噂話となる可能性があるため、できる限り避けることをオススメします。
介護職のメンタルケアは、介護職自身が行うだけでは不十分です。
介護施設の運営者や管理者が職員一人ひとりの様子をじっくり観察し、ストレスやメンタルの不調に気付くことも非常に大切。
介護施設の運営者・管理者は、以下のポイントを踏まえて介護職のメンタルケアやストレスマネジメントを行いましょう。
一人暮らし、既婚、子育て世代など、職員の生活状況は人によって異なります。
また思考や物事の捉え方、ストレスの感じ方も人によって千差万別。
それぞれの職員の生活状況や性格に合わせた業務配分や勤務構成が行えているか、運営者・管理者は職員の労働状況に関して適宜確認を行う必要があります。
運営者・管理者には、職員からの相談に真摯に対応することが求められます。
「毎日の早番と残業で寝不足状態が続いている」「連続夜勤で体調を崩している」など、職員の様子を見て勤務時間や日数の調整を検討することが必要です。
また職員の状態に応じて、適切な医療機関の受診を勧めることも重要です。
運営者・管理者が職員の変化に先に気付き、「最近元気がないようだけど、どうしたの?」と声かけを行うことも重要です。
このような職員の変化は「うつ病」や「燃え尽き症候群」の初期症状の可能性もあります。
職員の異変を感じた運営者・管理者から、職員への声かけを積極的に行うようにしましょう。
もし強い疲労感や眠気などで仕事ができない状況になってしまったときは、無理して仕事を続けず、休職や退職で充分な休養を取りましょう。
そして自身が抱えている症状を、医療機関や専門医へ相談することも重要です。
具体的には、以下の医療機関や専門医を受診することをおすすめします。
精神科・心療内科 | 精神科・心療内科は「心の病」の治療を専門としています。うつ病や神経症、統合失調症などの精神疾患・精神障害に対応しています。 |
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神経内科 | 神経内科は「ストレス性神経疾患」の治療を専門としています。神経疾患や精神/発達障害によるてんかんに対応しています。 |
心理カウンセリング | 心の病や生活上の悩みを傾聴し、必要に応じてアドバイスを行います。辛い思いを誰かに聞いてもらいたいという人にオススメです。 |
介護職がストレスを溜めた状態で仕事を続けることはかなり危険です。
人の命を預かる仕事だからこそ、介護職には「メンタルケア」が重要になります。
まずは自分のストレスやストレスの原因となっていることに気づき、適切な対処を考えることが「メンタルケア」の第一歩です。
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