お役立ち情報
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介護施設で人気のセラピーの一つ、化粧療法(メイクセラピー)。必要な資格もなく、レクリエーションの一環としても導入しやすいセラピーです。しかし、化粧療法では何をしたらいいのか分からない!という方は少なくありません。そこで今回は、化粧療法で得られる効果や介護施設で導入する注意点についてまとめました。
■目次
化粧療法(メイクセラピー)とは、化粧を用いて利用者様の生活をより豊かにする療法のこと。
化粧を施しきれいになった自分に自信を持ち、前向きな気持ちになることで、心身の健康を促すことを目的としています。
また化粧療法は気持ちを明るくするためだけでなく、化粧品の使用による作業療法効果や、周囲にほめてもらえることによるQOLの向上、コミュニケーションの促進などさまざまなメリットがあるのです。
介護施設で実施される化粧療法には、以下のような内容が挙げられます。
利用者様のご様子やご希望に応じて、適切な方法で行いましょう。
介護施設で化粧療法を行うことによって得られる効果には、どういった点が挙げられるのでしょうか。
5つの効果について紹介します。
化粧療法では、外見を磨くことによって利用者様にポジティブな気持ちをもたらします。
その結果満足感や自己肯定感を感じることができ、精神が安定し心身の健康につながるのです。
高齢の利用者様は、加齢とともに化粧や外見磨きから遠ざかってしまう方がほとんど。
そういった方々に化粧療法を楽しんでいただくことで、昔の思い出とともにかつての元気さを取り戻していただけることもあるでしょう。
化粧品が肌にあたる心地良さや高揚する気持ち、化粧中の楽しいコミュニケーションなどは、利用者様のQOLの向上や維持につながります。
メイクアップしてきれいになった自分を見ることで、生活の活性化を期待することができるでしょう。
またシミや手術跡など、ご本人の気になる部分を化粧で隠すことができることから、外出や他者とのつながりが増えるという効果も期待できます。
メイクアップしてきれいになることで、利用者様のなかで「出かけてみようかな」「人と話してみようかな」といった前向きな感情が生まれます。
その結果身体を動かす活動につながり、ADLの向上が期待できるのです。
他者との交流の機会が増えることで、より活発に行動するきっかけにもなります。
また自分の手で化粧品を扱うことで、手先の筋力の維持にもつながるでしょう。
化粧療法は触感だけでなく、見た目(視覚)や匂い(嗅覚)、音(聴覚)といった感覚を刺激します。
これらの刺激は脳の活性化を促し、認知症対策の効果を期待できます。
またメイクアップすることで気分が落ち着いたり、反対に気分が上がるなど感情が豊かになる効果も。
多様な感情で脳をしっかり動かすことで、記憶力や集中力、想起力といった脳の機能を鍛えることができるでしょう。
化粧療法の一環として行われる表情筋マッサージには、こわばった顔の筋肉をほぐす効果があります。
顔の筋肉がほぐれることで口周りが動かしやすくなり、口腔機能や嚥下機能の向上につながるでしょう。
噛む力が強くなったり、さまざまな食材を口に運ぶことができるようになる効果も期待できます。
また化粧を通じて利用者様の口元に触れることで、口腔ケアへの抵抗を減らすことも期待できるでしょう。
介護施設で化粧療法を導入する方法について解説します。
化粧療法を一つのレクリエーションとして実施することで、利用者様が身構えせず気軽に参加しやすくなります。
定期的なスパンで実施し、自由参加にすることで参加のハードルも低くなるでしょう。
またレクリエーションの一環とすることで、職員の企画準備の負担を減らすことにもつながります。
メイクアップ以外にもハンドマッサージや表情筋マッサージなど、利用者様同士で楽しむプログラムにすることもできるため、コミュニケーションを図るレクとしてもおすすめです。
例えば新年会やお花見、夏祭りなど、施設で行われる大きなイベントのタイミングで実施するのも良いでしょう。
高齢になりおしゃれから離れてしまった利用者様のなかには、何かきっかけがないと外見磨きに踏み切れないという方もいらっしゃいます。
イベントのタイミングで化粧療法を実施することは、そういった方々の背中を押すことができるのです。
またきれいになってイベントに参加することで、より行動力や満足度を上げることにもつながるでしょう。
メイクアップを行っているあいだ、利用者様と職員の1対1ではなくグループで行っている雰囲気をつくることもおすすめ。
利用者様同士のコミュニケーションを図ることができるだけでなく、きれいになっていくお互いの姿を見ることで幸福感を感じることができます。
できあがったメイクを見せあったり褒め合うことで、心身への良い影響を与えることにもつながるでしょう。
化粧療法には必要な資格がありませんが、化粧療法のプロであるメイクセラピストに外部講師をお願いすることで、より質の高い化粧療法を実施することができます。
メイクセラピストはメイクアップの技術だけでなく、知識やカウンセリング、利用者様とのコミュニケーションなどさまざまなスキルを身に付けた専門家です。
より利用者様に満足していただける化粧療法を企画できるでしょう。
介護施設でおすすめな化粧療法ですが、行う場合はいくつかのポイントに注意しなければなりません。
注意点について3つ解説します。
化粧療法は女性のみが対象ではなく、男性でも参加することができます。
例えばヘアセットやハンドケア、マッサージであれば、男性の利用者様にも満足していただけます。
参加対象を女性のみに限定せず、男性も参加できるように企画方法を工夫することがポイントです。
化粧療法の目的はただきれいになるだけではなく、利用者様のQOLやADLの向上などを図るための「リラクゼーション」を与えること。
そのためには、利用者様のご希望を第一に考えることが大切です。
「あなたにはこの色は似合わないから」と、職員の一人よがりにならないように気を付けましょう。
化粧療法で使用するメイク道具は、施設内で管理することがほとんど。
メイク道具は使用したまま放置すると細菌が増えてしまい、不衛生な状態になってしまいます。
使用後はしっかり洗浄し、きれいな状態で保管するようにしましょう。
ブラシやパフなどは、埃が被らないようにケースに入れておくことがおすすめです。
化粧療法(メイクセラピー)は、ただ単に外面を磨くだけではなく、QOLやADLの向上など内側からの心身の健康を目指す目的があります。
手先を動かし脳を刺激することから、認知症の予防にも。
また化粧療法は特別な資格が必要なわけではなく、道具さえ揃えば実施できるため、レクリエーションとしても導入しやすいでしょう。
本記事を参考に、介護施設で化粧療法を行ってみませんか。
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