お役立ち情報
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年々ターミナルケアが増える介護施設において、デスカンファレンスが注目されているのをご存じですか?デスカンファレンスとは、職員同士で看取り業務の振り返り、次のケアに活かすものです。本記事では、そんなデスカンファレンスの進め方のコツや注意点を徹底解説します。看取り業務を通じて、職員の成長を目指したいという方は、ぜひご覧ください。
■目次
デスカンファレンスとは、利用者様が亡くなられた後に行う会議のことです。
主に以下の情報を元に、職員で看取り業務について話し合います。
デスカンファレンスは、主に終末期医療を提供する病院で行われていました。
しかし近年では、介護施設でターミナルケアの割合が増えています。
ケアの質を高める目的から、デスカンファレンスを実施する介護施設も少なくありません。
「もっとこんなケアができたかも」「最期に寄り添えて良かった」看取り業務を通して得られる経験は、すべて次のケアに活かすことができます。
職員の感情からケアの方法まで、すべてを振り返り共有できる貴重な機会になるでしょう。
>>>あわせて読みたい「看取り介護とは?増えた背景や流れ、介護職の役割について解説」
デスカファレンスには、どのような効果が期待できるのでしょうか。
具体的に3つ解説します。
デスカンファレンスでは、以下のようなポイントを振り返ることで、ケアのレベルアップが期待できます。
看取り業務の感想や葛藤を皆で共有すれば、次のケアはどのようにすれば良いかを、チームで検討する材料になります。
職員個々の知見が一つの形にまとまることで、より良いケアができるようになるでしょう。
デスカンファレンスは、経験の浅い介護士の教育にも有効です。
具体的には、次のようなメリットがあります。
利用者様が亡くなることで、ショックを受ける新人介護士もいるでしょう。
そんな中デスカンファレンスを行うことで、不安を解消し、次への自信に変えていく効果があります。
デスカンファレンスは、介護士のメンタルケアにも有効です。
利用者様や家族の感情に寄り添うことで、介護士には少なからず精神的な負担があるでしょう。
看取りの中で感じた思いや葛藤をデスカンファレンスで吐き出すことで、気持ちの整理ができます。
また終末期のケアは職員によって思いが異なり、時には衝突することも考えられます。
デスカンファレンスを開くことで、看取り業務で生じた、職員同士のわだかまりを解消する機会にもなるでしょう。
デスカンファレンスの流れを解説します。
万全に臨めるように、ぜひ参考にしてくださいね。
デスカンファレンスを行う際には、事前に以下の準備をしましょう。
デスカンファレンスは、利用者様が亡くなってから1ヶ月以内に行うのが理想。
理由は、思いや葛藤が薄れないうちに共有できるためです。
とはいえいきなり実施しても職員が集まれない、発言を求められても上手に話せないなどの懸念も。
そのための対策として、アンケートをおすすめします。
デスカンファレンスを欠席する職員の意見を聞ける上、話すことに自信のない職員も、事前に自分の意見を用意できます。
意見が飛び交いやすくなるため、有意義なデスカンファレンスになるでしょう。
デスカンファレンスの冒頭では、皆で話し合う目的を共有しましょう。
愚痴を言ったりだれかを責めたりするのではなく、前向きに次のケアにつなげる目的であると確認することで、意見しやすい空気が生まれます。
また事前にまとめたアンケートの内容にも触れることで、デスカンファレンスを欠席する職員の意見も、その場で共有できます。
進行役は上長が行ったり職員で持ち回りにしたりとさまざま。
いきなり任されても負担が大きいため、必ず事前に指名しておきましょう。
デスカンファレンスの際には記録係を決め、記録を残して回覧できるようにしましょう。
当日参加できなかった職員も、会議の様子を知ることができます。
カンファレンスの記録だけではなく、利用者様・家族の様子や情報、これまでの介護記録なども合わせて保存すれば、知見の塊として今後のケアに活かせます。
ただし個人情報のため、家族の了承を得た上で取り扱いには細心の注意を払いましょう。
デスカンファレンスに馴染みがなく、実施に戸惑う声も聞かれるでしょう。
そんな中でも、デスカンファレンスを成功させるコツを2つ紹介します。
なるべく多くの職員が参加できるように、スケジュール調整をしましょう。
デスカンファレンスは、その場で意見交換できることに大きな意味があります。
理由は、他の職員の意見によって新しい思いや気づきが生まれ、議論が発展しやすいためです。
日々の業務がある中で、デスカンファレンスを繰り返し行うことは難しいこと。
一回の会議でいかに密度を濃くできるかは、重要なポイントと言えるでしょう。
そのため、一人でも多くの職員が参加することが理想です。
デスカンファレンスは、職員一人ひとりが主体的に参加することが望ましいです。
意見が活発になるため、より有意義になるでしょう。
主体的に参加するには、意見しやすい空気作りが必要です。
上記のポイントを最低限のルールとして決めておくと、職員は心の準備ができます。
そんな中でも、否定的な意見が出ることもあるかもしれません。
そのような場合は「では次はどうするか」という視点を持つことで、前向きな議論を進める方向に修正できます。
センシティブな議題を取り扱うデスカンファレンスにおいて、気をつけたいポイントが3つあります。
詳しく見てみましょう。
デスカンファレンスは意見交換ができる一方で、自信を失ったり傷ついたりする恐れもあります。
また、自分自身が言語化できない感情を抱えていることもあるため、上手に話せない人もいるでしょう。
その場で話せない場合には、順番を一旦パスしたりアンケートに追記して記録に加えるなど、臨機応変に対応するのがおすすめです。
職員の精神的負担を軽減できるでしょう。
職員だけでなく、ご遺族の思いや意見も大切な情報です。
デスカンファレンスを行う旨を伝え、事前に聞き取りを行いましょう。
ただし、ご遺族は亡くなられたショックで落ち込んでいることが想定されます。
亡くなられた直後のヒアリングは避け、少し落ち着いたタイミングを見計らう必要があります。
形式的にデスカンファレンスを行うだけでは、形骸化する恐れがあります。
意味あるものにするためには、記録を有効活用しましょう。
すぐに見返せるように記録を整理しておけば、次の看取り業務に役立ちます。
作成した記録を新人職員に手に取ってもらえば、看取り業務のイメージが湧くため、未経験からくる不安を和らげられます。
開いて終わりのデスカンファレンスにならないように、しっかりと次のケアに活かしていきましょう。
デスカンファレンスは、職員個々の成長やチーム力の強化など、たくさんの効果が期待できます。
職員全員が主体的に参加できる環境を整えることで、より密度の高い知見が溜まります。
今回解説したコツや注意点を参考に、有意義なデスカンファレンスを実施しましょう。
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