介護施設でいじめってあるの?ハラスメントを受けた割合や相談先

更新日:

「介護施設でいじめを受ける可能性はあるの?」「ハラスメントを受けた場合、どこに相談すればいいの?」介護業界で働く中でこのような疑問をお持ちの方もおられるのではないでしょうか。職場におけるいじめは社会全体でも問題となっており、介護業界も例外ではありません。本記事では介護施設におけるパワーハラスメントを受けた方の割合と、ハラスメントを受けた場合に相談できる3つの窓口を中心にご紹介します。

職場いじめは社会的にも問題となっている

職場のいじめは介護業界に限らず、社会全体で問題となっています。

労働基準監督署などに設置されている総合労働相談コーナーには、職場のトラブルを中心とした相談が寄せられます。

厚生労働省の発表によると、民事上の個別労働紛争相談において「いじめ・嫌がらせ」が最も件数が多い結果でした。
さらに、相談件数は年々増加傾向にあります。

平成22年には相談件数が39,405件だったのに対し、令和元年には87,570件と倍以上に増加しています。

参照:厚生労働省|令和2年7月1日 プレスリリース 「令和元年度個別労働紛争解決制度の施行状況」を公表します

介護施設における人間関係の悩みとは?

介護施設における人間関係の悩みとは、どのようなものがあるのでしょうか?

公益財団法人介護労働安定センターが実施した調査によると、介護施設において人間関係の悩みの中で多いのは、以下の通りです。

1位 部下の指導が難しい(31.4%)
2位 自分と合わない上司や同僚がいる(28.0%)
3位 ケアの方法などについて、意見交換が不十分である(27.3%)
4位 経営層や管理職などの管理能力が低い、業務の指示が不明確・不十分である(22.9%)

上記の結果からも、介護施設における人間関係の悩みは幅広いといえます。

また、3位の「ケアの方法などについて、意見交換が不十分である」についても、ケアの方法についてスタッフ同士で対立してしまうケースもあるため、働くうえで悩みの種となってしまう場合もあるでしょう。

出典:公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度 介護労働の現状について

介護施設におけるパワーハラスメントの発生状況

介護施設でパワーハラスメントを実際に受けた、または見たり相談を受けたことがあるケースはどれくらいあるのでしょうか。

それぞれご説明します。

パワーハラスメントを受けた割合

介護施設においてパワーハラスメントを受けた割合は、以下の通りです。

1位 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃(9.5%)
2位 隔離・仲間外し・無視などの人間関係からの切り離し(6.5%)
3位 私的なことに過度に立ち入るなどの個の侵害(4.6%)
4位 業務上明らかに不要なこと、遂行不可能なことの強制・仕事の妨害などの過大な要求(3.3%)
5位 暴行・傷害などの身体的な攻撃(2.6%)
6位 仕事を与えないなどの過小な要求(1.3%)
7位 その他(1.3%)

上記の調査によると介護施設におけるパワーハラスメントは、精神的な攻撃がもっとも多い結果となりました。

精神的な攻撃は、例えば同僚の前などで上司から人格を否定する言葉を職場で毎日のように大声で浴びせられるなどがあります。

出典:公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度 介護労働の現状について

パワーハラスメントを見たり相談を受けたことがある割合

介護施設においてパワーハラスメントを見たり相談を受けたことがある割合は、以下の通りです。

1位 脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言などの精神的な攻撃(15.2%)
2位 隔離・仲間外し・無視などの人間関係からの切り離し(13.3%)
3位 私的なことに過度に立ち入るなどの個の侵害(6.7%)
4位 業務上明らかに不要なこと、遂行不可能なことの強制・仕事の妨害などの過大な要求(4.2%)
5位 暴行・傷害などの身体的な攻撃(4.7%)
6位 仕事を与えないなどの過小な要求(2.6%)
7位 その他(0.9%)

パワーハラスメントを受けた割合と変わらない順位となりました。

この結果からもわかる通り、介護施設におけるパワーハラスメントは精神的な攻撃が多い現状といえるでしょう。

出典:公益財団法人 介護労働安定センター|令和3年度 介護労働の現状について

>>>あわせて読みたい「介護施設での上司からのパワハラ…なぜ起こる?対処方法も解説」

介護施設でのいじめへの対処法とは?

介護施設において、パワーハラスメントなどのいじめを受けた場合、どのように対処すればよいのでしょうか?

不快であることを言葉で伝える

いじめの加害者は、仕返しをしてこないであろう人をターゲットにする場合も少なくありません。

そのため、いじめとも受け取れるような言葉や態度を受けた場合は、はっきりと言葉にして加害者に伝えると効果的です。

上司に相談する

いじめが続く環境では、業務にも支障がでる可能性があるでしょう。

業務に関する情報の共有などもスムーズにできなくなる恐れもあります。

そのような状況になってしまった場合は、上司あるいは施設長などに相談してみる方法があります。

状況を理解して加害者に対して注意をしてくれたり、加害者と一緒に仕事をしなくていいように配慮してくれたりする場合もあるでしょう。

証拠を集める

会社の相談窓口やほかの第3者に相談する場合、いじめの事実を示す証拠を押さえておくとスムーズです。

証拠とは悪口や暴言が書かれているメッセージ内容のスクリーンショット、実際に暴言があった場合には言われた日付や状況目撃者の証言などをメモなどが有効です。

実際にどのような発言があったかを録音しておく方法もあります。

暴力を振るわれた場合は、医師の診断書も有効な証拠となるでしょう。

証拠をもとに会社の相談窓口などに相談すれば、会社としての対処や処分を下す際の根拠にもなり得ます。

介護施設でいじめを受けた場合の3つの相談先

職場でいじめを受けた場合に相談できる窓口には、どのような種類があるのでしょうか?

社内に設置されている相談窓口

大企業・中小企業にかかわらず、社内にハラスメントの相談窓口を設けるよう義務付けられています。

社内の相談窓口に相談することによって、何らかの対処をしてもらえる可能性があるでしょう。

労働局などの総合労働相談コーナー

総合労働相談コーナーは各都道府県の労働局や、労働基準監督署内に設けられている相談窓口です。

以下のような相談を受け付けています。

  • いじめ・嫌がらせ
  • パワーハラスメント
  • 解雇
  • 賃金の引き下げ など

幅広い分野の労働問題に対応しており、いじめ・嫌がらせ・パワハラなども相談できます。

予約不要・無料で利用できるため、気負わず利用できる相談先の1つです。

参照:厚生労働省|総合労働相談コーナーのご案内

ハラスメント悩み相談室

ハラスメント悩み相談室は、厚生労働省が運営している各種ハラスメントについて相談できる窓口です。

実際に相談先に訪れる必要が無く、電話・メール・SNSで相談できるため、仕事が忙しくて時間が取れなくても利用しやすいでしょう。

参照:厚生労働省|ハラスメント悩み相談室

まとめ

残念ながら、介護施設でもパワーハラスメントなどのいじめが起こっている実情があります。

いじめは線引きが難しく、自分1人で悩んでしまうケースも少なくありません。

今回ご紹介したパワーハラスメントを受けた割合や相談窓口などを参考にし、少しでも悩んだ場合は総合労働相談コーナーなどに相談してみましょう。
 

職場の選び方に迷ったら【介護求人ラボ】

【介護求人ラボ】では専門のアドバイザーがあなたの希望に合った求人をご提案いたします。職場選びに迷った際はぜひ【介護求人ラボ】へご相談ください!入職までしっかりとサポートさせていただきます。

お電話で無料お問い合わせ 簡単!WEBで無料お問い合せ

 

介護系ハイキャリア転職なら【介護求人ラボ+】

介護求人ラボ+(介護求人ラボ プラス)は、介護系管理職(管理者・施設長)限定のハイキャリア向け転職サービス。ハイキャリア専門のアドバイザーが、次のステージに挑戦するサポートを提供いたします。「自分の市場価値が知りたい」「現状のキャリアで管理職は可能か?」などの相談からでもOK!まずはお気軽にお問い合せください。

【完全無料】60秒で簡単登録!


Instagram
Twitterにてお役立ち情報更新中!
フォロー・いいね・コメントよろしくお願いします♪