お役立ち情報
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介護施設とご家族をつなぐための手紙の書き方を、例文つきで解説します。介護施設からご家族へ送る手紙には、どのような内容をどのように書けばいいのでしょうか。今回は、介護施設から家族への手紙の目的や手紙を書くコツ、書き出しや近況報告の例について解説します。
■目次
介護施設から利用者様のご家族に送る手紙には、どのような目的があるのでしょうか。
まず、施設で利用者様がどのように過ごされているのかを伝えるという目的が挙げられます。
ご家族の方は、施設で過ごしている利用者様の姿をなかなか知ることができません。
ご家族が、利用者様は楽しく過ごせているのか、窮屈に思っていないかなどを心配することは当然のこと。
そういった不安を払拭するためにも、介護施設から近況報告として手紙が送られるのです。
施設でどのようなサービスやイベントを企画しているのか、また利用者様に対してどのような点を重視してケアを行っているのかを伝える、という目的もあります。
施設の取り組みや普段介護者が行っているケアの内容を伝えることは、ご家族にとって施設に対する安心材料にもなります。
「〇〇の際は、〇〇に注意して介助させていただいております」のように、介護に対する注意点を伝えることもご家族にとって有益な情報となります。
面会や送迎のタイミングでしかなかなかコミュニケーションが取れないご家族に対して、手紙を通じてより強い連携を図ることも手紙の目的です。
ご家族は手紙を通じて施設のことを知れるだけでなく、自分の家族を介護してくれている介護士の存在を感じることもできます。
施設から手紙でやり取りを続けることによって、施設や介護士に親近感を感じていただけ、よりしっかりとした連携を図ることもにもつながるでしょう。
介護施設から利用者様のご家族へ送る手紙を書くときのコツについて解説します。
手紙の内容は具体的に伝えましょう。
そのシーンが思い浮かぶような具体性を持たせることがポイントです。
例
●「レクリエーションで職員が演奏を披露した際、楽しそうに手拍子されていました」
●「〇〇の活動時に、よほど楽しかったのか大きな笑い声を聞かせてくださいました」
手紙に書く内容は、できるだけ直近の出来事から選ぶようにしましょう。
ご家族が気にされているのは「少し前の利用者様」ではなく「最近の利用者様」のことです。
少なくとも手紙を書く1ヶ月以内の出来事の中から伝えることがポイントです。
また直近の出来事を伝えていることで、過去と現在の利用者様の様子を比較することもできるでしょう。
手紙に書く内容は、利用者様の微笑ましかったりほっこりするシーンを選んでみましょう。
例
●「よく〇〇のお話を楽しそうにされています」
●「職員の冗談によく笑ってくださいます」
●「テレビで〇〇の映像が流れていると集中して見られています」
利用者様がリラックスされているときのシーンを書くと伝わりやすくなります。
ご家族にとっても、施設でゆっくり過ごせているんだなと安心できるでしょう。
ご家族から伺った不安なことや心配ごとは、手紙で解消しましょう。
夜しっかり寝つけているか、ご飯はどんなものをどれくらいの量食べられているのか、健康面での変化はないかなど、ご家族が不安に思われている部分について現状を説明します。
定期的に送られる手紙で状況を知ることで、ご家族の不安が解消されることもあるのです。
手紙は施設からの報告やお願いを一方的に書くのではなく、ご家族を気遣うような一言も意識して入れてみましょう。
困っていることはないか、施設のことで分からないことはないかなどを確認すると同時に、「お体ご自愛下さい」など締めの言葉を入れることもポイントです。
以下では、介護施設からご家族に送る手紙の例文をいくつか紹介します。
施設で作成する手紙の構成は施設によってさまざまですが、一般的な構成は以下になります。
書き出しでは、時候の挨拶や最近の介護施設や利用者様のことについて書きます。
突然「こんにちは」から始まるなど、フランクすぎる書き出しは避けるべきでしょう。
<春の書き出し例>
●春寒ようやくぬるみ始めたこのごろ、いかがお過ごしでしょうか。
●桜が満開となる季節になりましたが、お健やかにお過ごしのことと存じます。
●春の日差しが心地よい毎日でございますが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
●新緑の美しい季節になりましたが、お元気でしょうか。
<夏の書き出し例>
●梅雨入りのニュースが気になるこの頃ですが、皆様お変わりなくお過ごしでしょうか。
●いよいよ夏の到来を迎えましたが、お変わりなくご健勝のこととお喜び申しあげます。
●真夏日の暑い日が続いていますが、お健やかにお過ごしのことと存じます。
●残暑厳しき日が続いていますが、お元気でしょうか。
<秋の書き出し例>
●さわやかな秋の季節を迎え、お健やかにお過ごしのことと存じます。
●木々が美しく彩る季節になりましたが、いかがお過ごしでしょうか。
●落ち葉が風に舞う季節となりましたが、お変わりなくお過ごしでしょうか。
●冬が近づき、寒さが身にしみるようになりましたが、お元気でしょうか。
<冬の書き出し例>
●早いものでもう師走、お変わりなくお過ごしでしょうか。(※師走=12月)
●寒さの厳しい日が続いていますが、いかがお過ごしでしょうか。
●相変わらずの寒さで、春の訪れが待たれる昨今ですが、お元気でしょうか。
●寒気もようやくゆるみ始めたようですが、お変わりなくご健勝のこととお喜び申しあげます。
本文では、利用者様の様子や施設からのお知らせについて具体的に書きます。
手紙を通じて最も伝えたいことは本文にまとめるようにしましょう。
伝えることがない場合は、本文を「書き出しの延長線」のように簡略化させることもあります。
<本文の例文>
●昼間は体操で体を動かしたり、職員と談笑を楽しんでおられます。
●リハビリに懸命に挑戦する〇〇さんの姿が非常に頼もしく思います。
●リハビリパンツ交換の際、寝返りを頑張ってくださっています。
●音楽レクでは、一緒に合唱を楽しまれる姿が印象的でした。
●〇〇さんは風邪も引かず、元気に過ごされています。
●季節の変わり目にもかかわらず、体調良く過ごされています。
●入居者の皆様の作品を、施設内に展示しています。ぜひ一度見にいらしてください。
●当施設においては、感染症対策を以下のように実施しております。
締めの言葉では、ご挨拶やご家族に対するお礼の言葉を沿えるようにしましょう。
あまり長くなりすぎず、簡潔に締めることがポイントです。
<締めの言葉の例文>
●体調には気をつけてお過ごしくださいませ。
●寒い/暑い日々が続きますが、お体ご自愛くださいませ。
●皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
●またお目にかかれますことを心待ちにいたしております。
●いつもご支援いただきありがとうございます。今後とも〇〇(施設名)をよろしくお願いいたします。
介護施設からご家族に手紙を送る際には、気を付けるべき注意点もあります。
施設からご家族に宛てる手紙は、いわゆる法人からお客様に宛てる手紙にあたります。
文体や言葉遣いはフランクになりすぎず、丁寧に作成するようにしましょう。
「!」や「♪」のような記号の使用も避け、手紙に使うテンプレートデザインも洗練されたもの、綺麗めのものを選ぶようにしましょう。
例えば「全ての利用者様への手紙の内容が同じ内容」という内容の使いまわしは控えるようにしましょう。
具体性のない手紙の内容では、ご家族とのコミュニケーションツールとしての機能が薄くなってしまいます。
利用者様一人ひとりにあった内容で作成するようにしましょう。
手紙は書いている人の表情や感情が伝わりにくいため、言葉遣いや言い回しに十分に気を付ける必要があります。
あまりにもマイナスすぎる書き方や、悪口ともとれるような内容はNGです。
ご家族が気分を害さないような書き方を心がけましょう。
介護施設からご家族に送る手紙は、利用者様の様子や施設での取り組み内容を伝えるだけでなく、ご家族との連携を強化させる目的もあります。
内容は利用者様の様子が思い浮かぶように具体的に、ご家族を気遣えるような一言や言葉遣いにも気を付けて書くことがポイントです。
本記事の例文を参考に、ご家族に喜んでいただける手紙を作成しましょう。
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