お役立ち情報
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超強化型老健とは、在宅生活への復帰に向けたサポートなどが老健の中でもっとも手厚いと認められた施設です。多職種と連携して入所者様をサポートするため、介護職として働く上でも得られるスキルは大きいでしょう。本記事では、超強化型老健の特徴と働くメリット・デメリットを中心にお伝えします。超強化型老健について学び、ほかの老健との違いを押さえましょう。
■目次
老健とは、介護老人保健施設を略した呼び方です。
介護が必要な高齢者に対して在宅生活を目標としたリハビリの提供や、在宅療養支援などを行う施設です。
老健は厚生労働省によって以下のような位置づけをされています。
●在宅復帰、在宅療養支援のための地域拠点となる施設
●リハビリテーションを提供する機能維持・改善の役割を担う施設
医師・看護師の医学的な管理のもとに介護・リハビリを実施し、入所者様の能力に合わせ、自立を目指してサポートします。
病院と介護施設の中間のような施設といえるでしょう。
老健には下記のような特徴があります。
入所者様の在宅生活への復帰を目標にしており、利用できる期間は3ヶ月~半年程度です。
しかし、治療やリハビリの経過によって在宅生活への復帰が難しいケースは、期間が延びる場合もあるでしょう。
老健の入所条件は原則として、要介護認定1以上の65歳以上と定められています。
老健は在宅生活への復帰を目標として、入所者様は治療やリハビリが受けられます。
居宅のケアマネジャーとも連携しており、在宅生活を送るうえで必要になる福祉用具のレンタルの手配や住宅改修など、在宅復帰までさまざまな面でサポートします。
これまで老健は、加算型と従来型の2つに分けられていましたが、平成30年度の介護保険法改正により、超強化型老健・在宅強化型老健・加算型老健・基本型老健・そのほかに分けられました。
これらを区分する5つの要件について解説します。
在宅復帰・在宅療養支援等指標は、以下の10項目の評価項目があります。
❶在宅復帰率
❷ベッド回転率
❸入所前後訪問指導割合
❹退所前後訪問指導割合
❺居宅サービスの実施数
❻リハ専門職の配置割合
❼支援相談員の配置割合
❽要介護4又は5の割合
❾喀痰吸引の実施割合
❿経管栄養の実施割合
項目別にそれぞれの実績に応じて点数を加算し、合計点数によって区分が決定されます。
1つ目は退所時指導です。
具体的には退所する入所者様や家族に対し、退所後の療養上の指導の実施が要件です。
2つ目は退所後の状況確認です。
退所した入所者様の自宅に30日以内に訪問するか、指定居宅介護支援事業者から情報提供を受けます。
その情報をもとに在宅生活が1ヶ月以上継続できる見込みかどうか確認し、記録に残すことが要件です。
なお、入所者様が要介護4・5であった場合は、在宅生活が2週間以上継続できる見込みかどうかの確認となります。
退所時指導等の評価項目を満たすには、以上の2つの要件を満たす必要があります。
入所者様の心身機能の維持・回復や日常生活の自立を目標とした理学療法・作業療法、そのほかの必要なリハビリの計画的な実施が要件です。
また、その評価を適宜実施しているかどうかも要件となります。
地域清掃や認知症カフェの開催などの地域に貢献する活動の実施が要件です。
充実したリハの要件は、最低でも週3回20分以上の個別リハビリの実施です。
例えば、レクリエーションや趣味活動などを通して、それぞれに合わせた方法で行います。
先ほど紹介した5つの要件を満たしているかどうかで、老健は以下の5種類に分けられます。
在宅復帰・在宅療養支援等指標(最高値:90) | 70以上 |
---|---|
退所時指導等 | 要件あり |
リハビリテーションマネジメント | 要件あり |
地域貢献活動 | 要件あり |
充実したリハ | 要件あり |
在宅復帰・在宅療養支援等指標(最高値:90) | 60以上 |
---|---|
退所時指導等 | 要件あり |
リハビリテーションマネジメント | 要件あり |
地域貢献活動 | 要件あり |
充実したリハ | 要件あり |
在宅復帰・在宅療養支援等指標(最高値:90) | 0以上 |
---|---|
退所時指導等 | 要件あり |
リハビリテーションマネジメント | 要件あり |
地域貢献活動 | 要件あり |
充実したリハ | 要件なし |
在宅復帰・在宅療養支援等指標(最高値:90) | 20以上 |
---|---|
退所時指導等 | 要件あり |
リハビリテーションマネジメント | 要件あり |
地域貢献活動 | 要件なし |
充実したリハ | 要件なし |
上記の要件を満たしていない施設は、そのほかに分類されます。
超強化型老健は求められている要件を全て満たしており、5種類の老健の中でも在宅復帰・在宅療養支援がもっとも手厚いと認められているのが特徴です。
超強化型老健は在宅生活への復帰率が平均60.2%と高い傾向がありますが、その分入所者様の費用負担も多くなります。
そのため、できるだけ早く自宅で生活したい方が利用する傾向があるでしょう。
働くメリットは以下の通りです。
超強化型老健は厳しい要件を満たしているため、介護職員にも高いスキルを求められます。
入所者様は要介護度3以上の方が多く、介護技術や知識の向上が期待できます。
また、医師や看護師、機能訓練士・作業療法士・言語聴覚士などと連携して入所者様をサポートするため、幅広い知識を得られる機会があるでしょう。
日中のみならず、夜間も看護師が常駐します。
そのため、緊急時にも判断を仰げるため安心して業務に集中できるでしょう。
超強化型老健は求められる要件を満たしており、そのほかの老健と比較すると高い介護報酬を受け取っています。
そのため、受け取る給与額にも反映されている可能性もあるでしょう。
入所者様が自宅で生活できる状態になることを目標としてチームでサポートしており、高い在宅復帰率を誇っています。
目指すべきゴールが明確であり、入所者様がリハビリなどを通して在宅生活が送れる状態になって退所されるなどの場面では、達成感や喜びを感じることができるでしょう。
働くデメリットは以下の通りです。
老健全体の中でも超強化型老健は2割ほどの施設しか認められていません。(2019年時点)
そのため、希望するエリアに施設がない場合は、通勤距離を伸ばしたりほかの介護施設を検討したりする必要があるでしょう。
超強化型老健はベッドの回転率の平均は14.4%と比較的高いです。
そのため、ほかの介護施設と比較すると入所者様が頻繁に入れ替わるでしょう。
そのため情報収集が欠かせず、業務を遂行するために覚える内容も多くなる傾向があります。
また、医師・看護師などの多職種とコミュニケーションをとり、こまめな情報共有や調整も必要です。
人によっては業務量が増えたと感じる方もいるでしょう。
超強化型老健は、老健に求められている5つの要件を全て満たしており、5種類の老健の中でももっとも手厚いサポートを実施しています。
ほかの介護施設と比較すると多職種と身近で働けるため、自分のスキルアップにも繋がります。
しかし、希望するエリアで必ず働けるとは限らないことから、転職先として検討する場合は、希望する条件を明確にしましょう。
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