介護士が外出レクで注意すべきポイントは?車椅子の介助方法も

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外出レクはさまざまな介護施設で実施されており、ご利用者様が楽しめるレクリエーションの中の1つです。しかし、いつもとは違う環境に外出するため、介護士が注意すべきポイントは多岐にわたります。本記事では、外出レクの計画時と実施時別に注意するポイントを中心にご紹介します。注意するポイントを再確認し、安全な外出レクの実施につなげましょう。

外出レクの効果

普段外出する機会が少ないご利用者様にとって、外出レクは以下のような効果があります。

運動不足が解消できる

高齢になると、外出への不安から運動不足になりがちです。

運動不足に陥ると下肢筋力が低下し、結果的に日常生活動作(ADL)・生活の質(QOL)が低下してしまうケースもあります。

しかし、外出レクでは介護士の付き添いのもとで外出するため、安心して移動できます。

心身機能の維持・向上も期待できるでしょう。

脳への良い刺激になる

外出すると普段接しない人と接したり、普段は見ない景色が見えたりして脳への良い刺激になるでしょう。

また認知症の方は見当識障害により、季節・場所などがわからなくなってしまいます。

外出先で季節の花を見たり、入園式や夏祭りなどの季節ならではのイベントが実施されているのを見ると、季節感を取り戻す手助けにもなるでしょう。

外出レク計画時の注意点

外出レクを計画する際に、どのような点に注意すべきなのでしょうか?

特にデイサービスにはいくつかの注意点があるため、解説していきます。

特別養護老人ホームなどの場合

外出レクで発生する入場料・外食費用などは、基本的にご利用者様の負担であり任意参加です。

そのため、参加を希望される方と希望されない方をあらかじめ把握する必要があるでしょう。

デイサービス(通所介護)の場合

デイサービスは事業所内でのサービスの実施が原則ですが、以下の場合は外出レクが認められています。

あらかじめ外出について通所介護計画に位置付けられていること

外出すること効果的な機能訓練等のサービスが提供できること

屋外でのサービスが頻回でないこと  

屋外でサービスを提供する際に、事業所内での通常のサービスを希望する利用者に対し、人員基準等を満たしたサービスを提供すること

外出レクの当日は、事業所内でご利用者様の健康状態を確認した上で、参加の可否を判断しましょう。

なお、外出レクを実施する場合、送迎車でご利用者様の自宅と外出先の間の直行直帰は認められていません。

また、外出サービスのみを実施する場合は日帰り旅行と判断されるため、介護保険外サービスとなります。

機能訓練などと関係のないレクリエーションとしての外出も、介護保険外サービスとなるため注意が必要です。

おすすめの外出レク

外出レクのおすすめは、四季の移り変わりが感じられるようなスポットです。

近所の桜や紅葉などの名所・神社での初詣などは、その地域で昔から生活されているご利用者様にとっては懐かしさも感じるかもしれません。

ほかにもスーパーへ買い物に行ったりレストランへ外食に行ったりすると、ご利用者様自身で好みの食べ物などを選べます。

ご利用者様の新たな一面を知ることができる良い機会になるかもしれません。

外出レク実施においての注意点

外出レクの実施において、以下のような点に注意しましょう。

トイレの位置・設備をあらかじめ確認する

外出先のトイレの位置や、車椅子でも利用できるトイレかどうかを事前に確認しましょう。

また、車椅子で利用できるトイレがあった場合でも、参加予定のご利用者様が使用している車椅子が通れる広さがあるかどうかなどの確認も必要です。

スタッフは男女ともに付き添う

スタッフは男女ともに付き添えると、いざという時も安心できます。

例えば、トイレ介助の際も異性に介助されることに対して羞恥心があるご利用者様もいます。

また、公共の施設やレストランなどのトイレは男女別となっており、普段とは異なる環境です。

普段は異性介助を受け入れる方でも難色を示される可能性もあります。

そのため、スタッフは男女とも付き添えると対応できる幅が増えるため、安全に外出レクを実施できるでしょう。

ご利用者様の体調の変化に注意する

外出先でのご利用者様の体調の変化に注意しましょう。

外出レクはいつもと環境が異なることから、介護士が注意するポイントも多くなります。

ご利用者様の体調の変化には特に注意しながら、緊急時の対応方法もあらかじめ共有しておくと安心して外出レクを実施できるでしょう。

食事の際はメニューに注意する

ご利用者様の食事形態は嚥下機能によって異なります。

施設ではあらかじめ嚥下機能やアレルギーなどに留意した介護食が提供されますが、一般的なレストランではさまざまなメニューがあります。

そのため、食事形態・禁止されている食材・水分制限などのご利用者様ごとの情報はあらかじめ整理しておきましょう。

介護士が車椅子介助をする際のポイント

外出先で車椅子を使用する際は施設内とは異なり、坂道や段差などがあるケースもあります。

安全に外出レクを実施するためにも、車椅子の介助にはより一層の注意が必要です。外出レクの場面別に車椅子の介助方法を解説します。

段差を上るケース

段差の前でスピードを落とす又は一時停止します。

ティッピングレバーに介護士の足を乗せましょう。

介護士が握っているハンドルを手前に引くようにして、車椅子の前輪を上げます。
 同時に車椅子を前方に押して段差を乗り越えます。

後輪が段差に触れたら、前輪をゆっくり下ろしましょう。

車椅子を前方に押しながら、後輪を段差の上に押し上げます。

段差を下りるケース

段差を下りる場合は、後ろ向きで下ります。

後輪を段差の下にゆっくり下ろします。

ティッピングレバーに足を乗せ、前輪を上げます。

そのまま後方に下がりながら、段差の下に前輪を下ろします。

坂道を上るケース

坂道を上る場合は、前を向いたまま上りましょう。

坂道を下るケース

急な坂道を下る場合は、後ろ向きで下ります。

スピードが速くなりやすいため、介護士が車椅子のブレーキをかけながらスピードを調節します。

ブレーキは左右同時にかけましょう。

車椅子介助時に全体を通して注意するポイント

外出先で車椅子の介助をする際は、こまやかな声掛けとゆっくりとした動きが大切です。

例えば、車椅子が右に曲がる場合は「右に曲がります」などと声掛けすると、ご利用者様も安心できるでしょう。

ご利用者様によっては車椅子に座っている際に、身体が左右に傾いてしまったりずり落ちそうになってしまったりする方もいます。

身体が傾いていると、壁や木などの頭や肘などをぶつけてしまう可能性もあります。
ご利用者様の姿勢に注意し、適宜介助を実施しましょう。

また、曲がり角から通行人が飛び出してくる可能性もあります。

人混みはなるべく避け、前方・後方の安全を確認しながらゆっくりと車椅子を進めるようにしましょう。

まとめ

外出レクは、あまり外出する機会がない高齢者の方に喜んでもらえるレクリエーションの1つです。

心身機能の維持・向上や、見当識障害へのアプローチにもなるでしょう。

しかし、安全に実施するには、介護士の計画・事前準備が重要になります。

外出レクの注意点を押さえて安全に実施し、参加者みんなで楽しみましょう。

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