介護施設でアニマルセラピーを行う効果とは?メリットや注意点も

更新日:

近年では介護施設において、動物と触れ合うことで心身の健康を促進する「アニマルセラピー」が人気です。心理的負担の軽減や認知症の改善などさまざまな効果が期待できるため、高齢の利用者様にとってもメリットの多い活動のひとつです。今回は、介護施設で行うアニマルセラピーの効果やメリット、注意点について解説します。

アニマルセラピーとは?

アニマルセラピーは、動物と触れ合うことで心身の健康を促進する活動のこと。

アニマル(動物)とセラピー(療法・治療)を組み合わせた日本語の造語です。

犬や猫と呼ばれるコンパニオンアニマル(伴侶動物)を迎えて、触れ合うことで豊かな心や健康的な身体づくりを目指します。

なおアニマルセラピーには、以下の3種類があります。

動物介在活動(AAA):QOL向上を目的として、動物と楽しい時間を過ごす活動

動物介在療法(AAT):医師や看護師などの医療従事者が、治療目的を設定した上で実施する療法。リハビリや認知症ケア、緩和ケアの一環として行われる

動物介在教育(AAE):主に子どもを対象に、動物を通じて道徳観や人格的成長、学習意欲の向上を図る活動

アニマルセラピーがもたらす効果とは

介護施設でアニマルセラピーを行うことで、利用者様にどのような効果が期待できるのでしょうか。

精神疾患の改善効果

アニマルセラピーはストレスを解消させたり気持ちを落ち着かせる効果があるため、精神疾患の改善を期待することができます。

実際にアニマルセラピーは、うつ病や適応障害、PTSDなどの精神疾患の改善を目的としてさまざまなシーンで実施されています。

動物と触れ合いながら豊かな感情を育むことで、利用者様のメンタルを安定させる効果が期待できるでしょう。

認知症の改善効果

アニマルセラピーによって脳に刺激が与えられ、認知症改善効果が期待できます。

動物と触れ合うことで自発的な会話が増えたり、動物との接し方について自分で考えるようになるなど、自立度を向上させられる効果も。

落ち込むことの多い認知症患者の方が明るい感情になることも増えるため、認知症のある利用者様に対しておすすめの活動として用いられます。

介護施設でアニマルセラピーを行うメリット

介護施設でアニマルセラピーを行うメリットには、以下のような点が挙げられます。

心理的な負担軽減(癒し効果)

健康促進

コミュニケーションの促進

生きる力を付ける

以下にて詳しく解説します。

心理的な負担軽減(癒し効果)

アニマルセラピーには他のセラピーと比較しても癒しの要素が大きく、利用者様の心理的な負担を軽減させることにもつながります

生き物である動物に触れることでぬくもりや安らぎを感じられ、孤独感を払拭させることも。

また動物になついてもらえることで、「自分は必要とされている」と感じてもらうこともできるでしょう。

健康促進

動物と触れ合うために身体を動かしたり、散歩に一緒にでかける機会が増えることで、健康促進にもつながります。

アニマルセラピーのために億劫だった歩行に挑戦してみる方や、日中元気に活動する時間が増えた方など、健康面の改善事例も多く報告されているのがアニマルセラピー。

身体の健康が促進されることで、メンタル安定や認知症改善にもつながるでしょう。

コミュニケーションの促進

動物との触れあいを通じて会話が増えたり、他人とのコミュニケーションに前向きになれることもアニマルセラピーのメリットのひとつです。

普段人と話すことが苦手という方でも、動物が相手だと心が開きやすいということも。

また動物相手であれば自分の感情を開示しやすく、結果として他者との交流にもつながりやすくなります。

生きる力を付ける

定期的なアニマルセラピーを楽しみに感じることで、生きる力を伸ばすことにもつながるでしょう。

動物と触れ合うことで「大切にしなきゃ」「お世話しなきゃ」「面倒みなきゃ」という愛情や責任感などの感情が生まれます。

これが原動力となり、結果として生きる目的ができるのです。

介護施設でアニマルセラピーを行う注意点

介護施設でアニマルセラピーを行うには、以下のような注意点があります。

アレルギーに注意

怪我に注意

無理強いさせない

衛生面に気を付ける

以下にて詳しく説明します。

アレルギーに注意

利用者様や職員のなかには、犬アレルギーや猫アレルギーなどのアレルギーを持っている人もいます。

施設のなかに動物を連れ込むことでアレルギー症状が出てしまうことがあるため、アレルギーの有無は事前に必ず確認しましょう。

アレルギーのある職員がいる場合は、職員のシフトが休みの日に実施する、実施後は掃除や換気を徹底するなどの配慮を行いましょう。

怪我に注意

コンパニオンアニマルがいくら穏やかな性格であったとしても、動物は動物。

とっさの防衛反応で利用者様の手や足に噛みついたり、引っ掻いたりすることがあります

利用者様が怪我をしないよう、目を離さずにしっかりと観察しましょう。

利用者様が動物の機嫌を損ねるような行動をしてしまっている場合は、怪我防止のために優しく制止することも大切です。

無理強いさせない

動物に対して嫌い・苦手・怖いと考えている利用者様は、決して少なくはありません

そういった方々には参加を無理強いせず、別のセラピーを考えましょう。

また犬や猫が苦手な利用者様に対しては、小鳥やうさぎなどの小動物が参加するアニマルセラピーを実施する方法もあります。

衛生面に気を付ける

動物を施設内に招く際は、衛生面にも注意が必要です。

触れる動物は清潔にするだけでなく、触れた後の手はしっかり洗いましょう

また施設内が汚れてしまうこともあるため、アニマルセラピー後は清掃を行うこともポイントです。

まとめ

介護施設で行われるアニマルセラピーには、心理的負担軽減や認知症の改善など、さまざまな効果が期待できます。

しかしその一方で、施設内に動物を招き入れることは注意点もあるため、メリットと注意点をしっかり把握したうえで実施を決定しましょう。

職場の選び方に迷ったら【介護求人ラボ】

【介護求人ラボ】では専門のアドバイザーがあなたの希望に合った求人をご提案いたします。職場選びに迷った際はぜひ【介護求人ラボ】へご相談ください!入職までしっかりとサポートさせていただきます。

お電話で無料お問い合わせ 簡単!WEBで無料お問い合せ

Instagramはじめました!
フォロー・いいね・コメントよろしくお願いします♪